リオ・ロボ

●513 リオ・ロボ 1970

 南北戦争時、北軍のマクナリー大佐は列車での金輸送の担当をしていた。その列車が南軍により襲撃され金が奪われて、大佐が目をかけていた部下も死んでしまう。知らせを聞いた大佐は隊を率いて南軍を追うが、南軍の巧妙な逃げ方により、最終的に大佐は一人で追うことに。やっと南軍兵を見つけるが逆に大佐は捕まってしまう。

 大佐を捕虜にした南軍コルドナ大尉は、北軍の動きを知る大佐に逃げ道を案内させる。しかし隙をついて大佐は北軍に連絡、コルドナと部下のタスカローラを捕虜とする。

 やがて戦争が終わり、大佐は捕虜収容所に2人を迎えに行く。列車が襲われたのは北軍内部に内通者がいたため、それが誰だったかを2人に聞くためだった。2人は内通者の特徴を大佐に教える。タスカローラはリオロボに帰ると言うので大佐は内通者を見かけたら連絡して欲しいと話す。

 連絡をもらったマクナリーはコルドナのいるブラックソーンの街へ。街の保安官事務所にリオロボのシャスタという女性が殺人犯を捕まえて欲しいと頼みに来るが管轄外のため保安官は何もできなかった。酒場にいたシャスタをリオロボの保安官代理が襲うのをマクナリーは助ける。マクナリーはコルドナからリオロボにいるタスカローラの牧場がマッチを支配するケッチャム一味に奪われそうになっていることを告げる。マクナリーはコルドナとシャスタとともにリオロボへ。

 リオロボでタスカローラは無実の馬泥棒の罪で保安官に捕まってしまう。マクナリーたちはタスカローラの祖父が監禁されていると知り、彼を助ける。さらに捕まったタスカローラを救出するために、一味のボスであるケッチャムを人質に取ることに。ケッチャムは北軍の内通者であることがわかり、マクナリーは激怒する。ケッチャムを人質にして、捕まっているタスカローラを救出する。しかしケッチャム一味の数が多いため、マクナリーは騎兵隊に応援を要請しに、コルドナを向かわせるが、コルドナが捕まってしまう。仕方なくケッチャムとコルドナの人質交換に応じるが、タスカローラの機転でコルドナを救出、撃ち合いとなる。少数で不利だったマクナリー側だったが、街の住民が加勢し一味を撃退する。最後に悪徳保安官のヘンドリックスを倒そうとするが、彼に顔を傷つけられ復讐に燃えていたアメリータが彼を射殺する。

 

 1970年の西部劇ということで、全盛期にはないエピソードが満載であり、とても面白かった。

 まずは冒頭の列車強盗。レールが坂に差し掛かる場所にグリスを塗ることで列車の動きを止め、さらにスズメバチの巣で護衛の車両の兵を撃退。車両を切り離し、重みで逆走する列車をロープや倒木で停止させる、という斬新なアイデア

 この金をめぐる北軍南軍の戦いになるかと思いきや、いきなり戦争終結で、ジョンウェインは内通者を探すために、南軍の2人に協力を求める。

 で情報を得て行った街では、仲間を殺された女性を助けることに。それは街の悪の支配者や悪徳保安官との戦いに。さらにそれに内通者も絡んでくる。

 ストーリー展開も早く、内容も充実。唯一ちょっとわかりづらかったのは、若い女性が3人も出てきて、西部劇にしては「?」となったところか。ただこれも伏線であり、南軍2人の恋人+最終的に悪徳保安官を射殺する強い女性、という形で回収される。

 本当によくできた一本。だと思ったら、ハワードホークス監督の遺作らしい。さもありなん。

 ただ一番の驚きは、これだけ若い女性が出てくるのに、ジョンウェインが恋の主役でもなく、「安全な」オジサンと認知されたこと、さらにウェイン本人もそれをネタにして笑いを誘ったシーン。

 60歳過ぎても恋のエピソードが絡んできていたイーストウッドとの違いか(笑