ペリカン文書

●519 ペリカン文書 1993

 最高裁の判事ローゼンバーグとジェンセンが殺し屋に殺される。この事件を知った法学部の学生ダービーは被害者を調べ、師であり恋人のトーマス教授に事件に関するある仮説を書いた文書を提出する。トーマスは知り合いのFBIバーヒークにその文書を手渡す。文書はFBI長官の手に渡る。

 新聞記者のグランサムはローゼンバーグに関して調べていた。彼の元へガルシアという名前でで電話があり、事件の犯人を知っているが、まだ全てを話す気にはならないと話す。グランサムは逆探知ガリシアの顔写真だけ撮影することに成功する。

 ダービーはトーマスと一緒にいたが、トーマスが一人だけ乗った車が爆発事故を起こす。警察に病院に連れて行かれるが、途中で偽物の警官がいたことが判明、身の危険を感じたダービーは病院を抜け出す。

 一人で困っていたダービーはグランサムに連絡を取り、文書のことを説明する。ダービーはバーヒークにも連絡、トーマスが殺されたことを伝え、会うことに。しかしバーヒークも判事達を殺した殺し屋に狙われ殺されてしまう。バーヒークになりすました殺し屋とダービーが会うことに。殺し屋がダービーを殺害しようとした瞬間、殺し屋が何者かに殺される。

 ダービーはグランサムと会い、事実を全て明かす。それは実業家マティースの石油開発に関することで、開発が環境問題とされ裁判となり、環境問題に厳しい判事達を殺すということに繋がる話だった。

 ダービーとグランサムは協力してマティースが黒幕であることの証拠を掴もうとする。最後にガルシアの身元が判明するが、すでにガルシアは殺されていた。彼の妻と接触し、彼が貸金庫の鍵を残したことを知り、銀行へ。そこでガルシアが残した決定的な証拠を手に入れた二人は、マーティス配下の者に狙われるが、かろうじて逃げることに成功。証拠を元に記事にし、大統領の再選を阻み、マティースは起訴されることに。

 ダービーはFBI協力のもと国外へ脱出。そこで一躍有名人となったグランサムのTVを見ながら微笑んでいた。

 

 似たような話で、先日観た「大統領の陰謀」が、史実を元にしたドキュメント風の映画だったのに対し、本作はサスペンス調が強い作品。開始30分で恋人が殺され、自分も危ないと感じた主人公が映画半ば過ぎまで一人で奮闘する。後半は新聞記者とのタッグで少し安心できるが、それでも命を狙われ続けることに変わりはない。

 ただサスペンス調でありながら、あくまでフィクションであるためか、「大統領の〜」に比較すると、ご都合主義な場面が多すぎる気も。学生が世間を騒がす判事殺人の真相にたった一人たどり着いたのも不自然だし、彼女の書いた文書がFBI長官まであっという間に渡っていくのも不自然。最後の貸金庫で証拠も見つけ出した後も、女の殺し屋に追い詰められながらも、どこかの?犬に助けられたり、車に仕掛けられた爆弾がキーを廻しても爆発しなかったり、とちょっとおかしくない?と思ってしまった。

 「プリティウーマン」で人気女優となったジュリアロバーツが、シリアスな本作に出演しているのは意外だが、謎の追っ手から逃れるためにしている様々な扮装が可愛いのはさすが。

 先に「大統領の陰謀」の名を挙げたが、あの映画も本作も同じ監督さんなのね。これはビックリ。「大統領の〜」に感化された監督が作った作品かと思ったのに。