俺たちに明日はない

●521 俺たちに明日はない 1967

 クライドは刑務所を出所したばかり。ボニーの家で偶然彼女と出会う。クライドが強盗で捕まったと聞いたボニーはその言葉を信じないため、クライドは目の前にあったスーパーで強盗を働く。ボニーは非日常の生活に憧れていたため、クライドと一緒に行くことに。

 二人が空き家にいるとその家の前の持ち主と出会う。彼らは銀行に家を奪われていた。それを聞いたクライドは銀行強盗をすると決める。しかし襲った銀行は倒産していた。クライドはスーパーを襲い店員を怪我させてしまう。

 二人は車に詳しいモスを仲間にし、銀行強盗をするが、モスの行動によりクライドは逃げるのが遅れたため、銀行員を射殺してしまう。

 3人はクライドの兄バックとその妻ブランチと合流する。バックは脱獄をしていた。5人はバックが購入した家で暮らし始めるが、警察に突き止められ強襲される。警官と銃撃戦となるが、なんとか5人は逃げる。新聞がボニーとクライドのことを記事にし、二人は有名人に。彼らは自分たちを捕まえようとした保安官と写真を撮り新聞社に送る。5人は銀行強盗をするが、偶然いた客の金は奪わなかったことから、庶民から好意的に受け入れられる。

 5人は車を盗む。彼らを追ってきた持ち主を拘束し一緒に旅をするが、男の職業が葬儀屋だと聞き、ボニーは気分を悪くし彼らを解放する。ボニーは母親に会いに行きたいと話す。逮捕される危険性があったが、クライドはその望みを聞き入れ、ボニーの母親に会いに行く。皆歓迎してくれたが、母親はあなたたちは逃げ続けるしかないと話す。

 5人がいる宿に警察がまたも強襲をかける。バックとブランチが負傷する。その場はなんとか逃げたが、バックの怪我のために休んでいるところを見つかり、バックは死亡、ブランチは捕まってしまい、ボニーも怪我をする。

 ボニとクライド、モスの3人はまだ名前が知られていたないモスの実家へ。モスの父親が受け入れてくれるが、父親は息子の司法取引のため警察に2人を売る。

 怪我が回復し3人は買い物に行くが、警察がいたため、モスを残して2人は車でモスの家へ。途中モスの父親がいたため、車を止めるが、そこには警察が待ち構えており、2人は一斉射撃を受けてしまう。

 

 子供の頃に観て衝撃を受けたラストシーン。数十年ぶりに観たが、やはりその衝撃は変わらない。今回wikiで、この映画の評価の高い理由を知った。今では当たり前に描かれる様々なシーンがこの映画から始まったとは知らなかった。

 強盗を繰り返す2人の結末は見えているのに、途中まで2人に悲壮感は全くない。しかし盗んだ車の持ち主が葬儀屋だと聞いたあたりからボニーの苦しみが表に出てくる。そして母親に残酷に宣言される未来。この母親の表情も良かった。

 

 今回この車を盗まれ5人を追いかけ、逆に拘束されてしまうユージン役の俳優さんジーワイルダーに妙に見覚えがあった。wikiで調べたが、出演作でおそらく観たことのあるのはウディアレンの初期の作品のみ。それとも「大陸横断超特急」か。どちらもやはり子供の頃にしか観ていないが、よほど記憶に残る俳優さんだったのか。この2作品、ちょっと見直して観たい。