アラベスク

●532 アラベスク 1966

 ラギーブ教授は眼科へ行くが、担当の先生がおらず、スローンと名乗る男に診察される。目薬を点眼されると教授は苦しみ死んでしまう。スローンは博士のメガネに隠されていた古代文字で書かれた暗号のメモを奪う。

 ポロック教授はスローンの訪問を受け、海運王ベシュラビが教授を招待したいと言っていると言われるが、誘いを断る。ポロックはジュギング中に車に拉致され抵抗するが、中にいたのは中東の某国のイエナ首相だった。ポロックは彼を崇拝していた。イエナはポロックに、ベシュラビは某国の湯力者であり、政府へのテロを計画しており、ポロックに協力を求めてくるので、内容を知らせて欲しいと頼み、ポロックは了解する。

 ポロックは改めてベシュラビの屋敷で彼に会い、古代文字の解読を依頼される。解読するまでは彼の屋敷に監禁される。屋敷でベシュラビの女ヤスミンと出会う。夕食時に彼女から部屋に来るようにというメモを渡されたポロックは彼女の部屋へ。彼女からラギーブ教授は殺された、この件に関わらないようにと言われる。ポロックは暗号のメモをチョコレートの包み紙に隠す。話をしているうちに、ポロックがいなくなったことで屋敷内が騒ぎになる。ポロックはヤスミンを人質に屋敷から逃げ出す。二人は夜の動物園に逃げるが、ベシュラビの追っ手に追われ絶体絶命に。しかし男が助けに入る。男はウェブスターと名乗りヤスミンの仲間だと話す。

 ウェブスターに連れられ、ポロックはやはりヤスミンの仲間だというユセフの車へ。そこで古代文字で書かれた暗号のメモのことを聞かれるがとぼける。ユセフはポロックに薬をうち白状させようとするが、ポロックは喋らなかった。彼らはポロックを道路へ放り出される。

 ヤスミンはベシュラビの家に戻り、暗号メモのありかについて彼と話す。ベシュラビはもう一度ポロックに近づき彼からメモを奪うように話す。

 ポロックはなんとか自力で家に戻る。そこへヤスミンがやって来る。ヤスミンはベシュラビともユセフとも仲間ではなく、家族を出しに脅され協力しているだけだと話す。ポロックはヤスミンに協力することに。メモが重要だったが、ポロックは持っていなかった。ユセフの車で奪われたが、彼らはそれがメモだと気づいていないと考えた二人は車へ。そこにはチョコの袋が置き去りにされていたが、ウェブスターがそれを持って行ってしまう。二人は彼の後をつける。しかしウェブスターがメモに気づいてしまい、公衆電話で電話をする。二人は彼の残したメモから競馬場へ向かう。

 競馬場でウェブスターがメモをベシュラビの部下へ渡すのを妨害、ポロックはメモを手に入れコピーし、オリジナルを自分の家へ郵送する。ポロックはラギーブ教授の妻に会いに行き話をする。妻はヤスミンの話したことは嘘だといい、テロを目論む将軍の娘だと話す。

 ポロックはヤスミンと会うが、メモについては嘘を伝える。ヤスミンはそれを聞いてどこかへ電話をし、ポロックと別れる。彼はヤスミンの後をつける。彼女はユセフのいる隠れ家へ行くが、ユセフは彼女を殺そうとする。ポロックは彼女を助け、教授の妻に会ったことを告げると、教授の妻はユセフの仲間だとヤスミンは言い、だから私が裏切ったことがバレて殺されそうになったのだと話す。

 ポロックはヤスミンのことを信じる。そして暗号が無意味で、重要なのはメモそのものだと気づく。メモにはマイクロチップが隠されていたのだった。そこには首相暗殺の日時が示されていた。二人は英国に来日した首相のもとへ。記者会見をする首相のところへ強引に押し入り、射殺されるのを助ける。しかし大使が首相を殺してしまう。ヤスミンは殺されたのは首相の偽物で、本物はどこかにいると話し、ベシュラビたちを追い、本物の首相を助け出す。ベシュラビたちは偽物に、条約を結ばないことを宣言させるのが目的だった。首相を助け出した二人はベシュラビたちに追われ逃げる。

 ヘリコプターで追われ絶体絶命に陥るが、ポロックの機転でヘリコプターを墜落させ二人は助かる。

 

 冒頭からサスペンス感たっぷりのオープニング。出てくる人間は皆怪しい雰囲気のヤツらばかりだし。期待して観たのだが。ネットでは、「007シリーズっぽい」という評価があったが、自分には赤ジャケルパン三世シリーズを彷彿とさせた感じがする。

 女性を初め、誰が誰の味方かわからない、場面があちこちへ飛びまくる、意外に簡単に人が殺される割に悪者たちの詰めが甘すぎる(笑 、そして謎の暗号メモ。ルパン三世の方がこの映画に影響されたんだろう。

 別の見方をすれば、いかにも絵になりそうな夜の動物園、オシャレな競馬場、工場でのクレーンによるアクション、などは「シャレードのような」一本を狙ったのがわかる。ただ「シャレード」に比べると話がごちゃごちゃしすぎ、かな。ラストの偽物の首相、というのはインパクトがあったので、あそこで話を終わりにすればまだ良かったのに、そのあとのヘリとのアクションシーンは冗長だったと思う。

 まぁグレゴリーペックとソフィアローレンが観れたので、良しとしよう。