オクラホマ・キッド

●538 オクラホマ・キッド 1939

 大統領令で先住民たちに補償金を渡すことでオクラホマから退去させ、開拓者たちに入植地として解放されることになった。その補償金をマッコードら悪漢たちが奪い取る。しかしそれを見ていたオクラホマキッドがマッコードたちから補償金を奪う。

 入植地付近のチェロキーシティには開拓者たちが翌日の号砲を待っていた。ジョンキンケイドは開拓者たちとともに新たな街を作ろうとしていた。ジョンの息子ネッドは、ハードウィック判事の娘ジェーンとダンスを踊っていた。そこへキッドがやって来てジェーンと踊る。彼はホテルにもやって来て、ジェーンたちの泊まる予定だった部屋にたむろする男たちを追い出す。

 マッコードたちは酒場で翌日の計画を練っていた。時間前に入植地に乗り込み、土地を奪うつもりだった。その酒場にキッドが現れる。マッコードたちと揉めるが、キッドは一味の一人を撃って逃げていく。マッコードは保安官に盗まれた銀貨を使っていたキッドのことを知らせる。

 翌日ランドラッシュが始まる。キンケイドたちは土地を目指すが、そこにはマッコードたちが先に待っていた。不正を訴えるキンケイドに、裁判をすれば時間がかかるため、土地を引き渡す代わりに、新たな街での酒場と賭博場の権利が欲しいとマッコードは話し、キンケイドは受け入れる。その頃、街にいたキッドは保安官に捕まりそうになるが、機転を利かせ逃げてしまう。

 街が完成する。しかしマッコードが街を牛耳っているため、殺人や犯罪が増える。キンケイドはマッコードを街から追い出そうと選挙に立候補する。その頃キッドは現地住民の家に隠れ住んでいた。住民が持って来た新聞でキンケイドが対立候補殺害の疑いで逮捕されたことを知り、街へ。

 キッドはジェーンから事情を聞く。一方マッコードたちは、ハードウィック判事ではキンケイドを有罪にできないため、判事を嘘の情報で街から追い出し、その間に裁判を行いキンケイドを有罪にしようとする。ジェーンはそれが嘘であることを見抜き、父を呼び戻そうとするが、そこへキッドが現れ、代わりに判事を迎えにいく。しかし裁判には間に合わず、キンケイドは有罪となってしまう。それを聞いたキッドは牢屋に行きキンケイドを助け出そうとするが、法の遵守を第一に考えるキンケイドはキッドの話を聞かなかった。キッドがキンケイドを脱獄させようとしているのを知ったマッコードは、部下を使って住民を煽り、キンケイドを絞首刑にしてしまう。

 事情を知ったキッドは判事のもとへ戻り、絞首刑の実行犯である4人の名前を聞き出し、彼らを一人ずつ殺していく。最後の一人は生きたまま街に連れて帰り、絞首刑にしたのはマッコードの指示だったと証言させ、マッコードの店に向かう。

 保安官になっていたネッドがマッコードを逮捕しようとするが、撃たれてしまう。そこへ駆けつけたキッドはマッコードと争いになるが、ネッドがマッコードを撃ち倒す。

 街を去り新しい街へ行こうとするキッドだったが、ジェーンに呼び止められ、二人は父ハードウィックの元、結婚を宣言することに。

 

 戦前の映画はこのブログを始めて10本以上観ているが、どれも印象深かった。これもその一本になりそう。

 この映画の紹介文として、「無実の罪で殺された父の復讐に燃える〜」とあるが、この部分は映画のラスト20分ほど。80分強の映画の60分はそれまでの過程が描かれる。

 先住民から奪い取った?オクラホマのランドラッシュ、先住民への補償金の強奪から悪漢マッコードたちと主人公キッドの関係が始まる。一方で、新しい街つくりが描かれそこが悪漢たちに支配され、正義感あふれるキンケイドとマッコードの対立図式が描かれる。そこへ主人公キッドが戻って来て一波乱。で、最後の復讐劇へと繋がる。

 短めの尺の映画だが、内容は以上のように充実している。冒頭のダンスシーンでのキッド、ジェーン、ネッドのシーンがよくわからないまま過ぎるが、途中、キッドがキンケイドの息子(ネッドの弟)だと判明し、復讐劇とともに、家族関係や三角関係がクローズアップされてくる。当時のものとしてはよくできた脚本だと思う。

 ハンフリーボガートが悪役で登場。ボガートとしては見慣れない西部劇、変なパーマの髪型、などちょっと面白い(笑 ギャグニーの名前は昔から聞き覚えがあったが、映画を観たのはこれが初めて。どこで知ったんだろう?