刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #18 プロレス連続殺人事件

●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #18 プロレス連続殺人事件

 

あらすじ

 スタハチはプロレスを見に行く。そこで警察OBのマックから3日前の事故について情報があると聞き、翌日会いに行くが、彼は事故死していた。関係者に話を聞くうちに、マックは殺されたのではと疑いを持つ。捜査を続けていくとプロレス会場にまつわる陰謀が明らかになってくる。

 

ストーリー

 スタハチが万引き犯を車で追跡、派手なカーチェイスの後、犯人の車は事故ってしまい、犯人は店に逃げ込む。しかしスタハチが追い詰め逮捕。

 スタハチはオマハタイガーが出場しているプロレスを見に行く。プロレス後、リングに上がり二人は会話する。スタスキーはプロレスは芸術だと語るが、ハッチは偽物だと答える。そこへマックがやってくる。彼はドビー主任のことも知る警察のOB。今はプロレス会場の売店で働いていた。そこへオマハタイガーがマネージャのタフトとともにやって来て紹介してもらう。マックはタフトを毛嫌いしていた。タフトが若いプロレスラーを食い物にしていると思っているためだ。

 マックはその後3日前カーニエリという男がトラックごと崖から落ちた事件について情報があるので、翌朝10時に女性オーナーのボブスの事務所に来てくれと話す。

 翌朝スタハチは会社へ。そこで女子プロレスラーに事務所に案内してもらおうとするが、彼女から今朝マックが階段から落ちて死んだことを聞かされる。スタハチはマックの遺体を確認、耳の後ろにアザがあった。スタハチは社長のヘレンに会いに行き、マックに社長に会うように言われていたと話すが、ヘレンは何も知らなかった。カーニエリという名前も知らないとのこと。ヘレンと一緒にいた営業部長のカールも同じだった。彼らの話ではマックを最後に見たのは自分たちが帰る23時、いつもマックは23時半に店を閉めるとのことだった。その後スタハチはタイガーとタフトと会うが、2人がマックと仲が悪かったということしか掴めなかったが、タイガーとハッチがいつかプロレスで勝負するということになる。ハッチはマックは誰かに殺されて階段から落とされたのではと推理する。

 警察署に戻ったスタハチ、カーニエリの住所(クリーニング屋)と、マックの死因が脳震盪だということを知らされる。もしカーニエリにもアザがあれば連続殺人となるとスタスキーは考える。

 スタハチは会社の練習場へ行き、女子プロレスラーのテリブルと会い、マックの人間関係について尋ねる。マックはやはりタイガーとタフトと仲が悪く口論になっていたらしい。

 その頃女社長のヘレンはフェルトンという男と会っていた。彼はマックの代わりに売店を引き継ぐことになった。そこへスタハチが来る。フェルトンはその場を去るが、スタハチがマックの死因が殺人と疑っていることを知り、二人を消す算段をし始める。

 スタハチは再び練習場へ。タフトとタイガーが揉めている。ハッチはスタスキーにケシかけられ、タイガーとレスリングをすることに。レスリングをしながらタイガーから情報を得ようとするが、タイガーは何も話したくないと答える。二人はタイガーが何かを隠していると考える。スタスキーは電話で、カーニエリにも耳の後ろにアザがあったことを聞く。

 スタハチは、カーニエリのクリーニング店へ。そこで彼の妻から、商売上で揉め事があったと聞き、相手はベラドンかベラゴンというので調べて欲しいとドビー主任に連絡する。カーニエリが博打好きだったことから、二人はヒョロ松を頼ることに。そんなスタハチを男たちが見張っており、ボスに連絡、二人を消せと指示される。

 スタハチはヒョロ松に会いに、倉庫街の気密倉庫へ。それをフェルトンの部下がつけて来て、倉庫に鍵をかけてしまう。ヒョロ松は倉庫の中でネズミレースを開催、その胴元になっていた。ハッチはヒョロ松にカーニエリのことを調べるように頼む。スタハチは倉庫から出ようとするがドアに鍵がかかっていて出られない。ハッチは倉庫の大きさを調べ残りの空気量を計算しようとするが、その間にスタスキーはその辺にあったものを台車に乗せ、ドアをぶち破る。一安心していると爆弾が爆発する。

 倉庫を出たスタハチに、タフトがオリンピックアリーナで待っていると連絡が入る。アリーナではプロレスの試合が行われていた。スタハチはタフトを探すが、彼はシャワールームで殺されていた。

 3人殺されたことを受け、スタハチは、社長ヘレン、営業部長カール、レスラータイガーを集め話をするが、ヘレンは何も知らないと話す。ハッチはタイガーにタフトと揉めていた理由を聞く。タイガーはタフトにこの会社を辞め外に出て稼ごうと誘われたが、社長に恩があるので断ったと答える。

 ヘレンはカールと事務所で仕事をしていた。そこへヒョロ松から電話があり、ちょうどスタハチが事務所に来て電話に出る。その電話をカールが別の部屋で盗み聞きする。ヒョロ松の電話の内容はカーニエリの友人が来ているのですぐ来て欲しいというものだった。スタハチはすぐに出かける。カールはフェルトンにスタハチの動向を電話で知らせるが、それをヘレンが聞いていて、カールを問い詰める。しかしカールは答えずヘレンに家に帰るように命じる。ヘレンは、父から引き継いだ時の借金やタイガーを売り出すため借りた資金が、今回の殺人に関係しているのではとさらに問うがカールは答えなかった。

 スタハチはヒョロ松のネズミレース場へ。そこでカーニエリの親友という男と会い話を聞く。カーニエリはアリーナのクリーニングの入札の時に安い値を出したが、それでも他の会社に取られたことで、訴えると言っていたとのことだった。ハッチはアリーナの仕事の乗っ取りが殺人の動機だと勘づく。

 スタハチはアリーナへ。そこではカールたちが二人を待ち構えていた。彼らはスタハチを射殺しようとする。銃声を聞き、事務所にいたヘレンとタイガーも会場へ。取り囲まれるスタハチだったが、タイガーの助成で形成を挽回、最後はリング場で犯人たちを取り押さえる。

 事件が解決、タイガーはオマハへ帰ることに。スタハチは社長ヘレンと食事に行こうとするが、そこへテリブルがやってくる。さらにミイラ男まで現れて…。

 

今回の登場人物

冒頭のカーチェイスで捕まった犯人(本筋とは全く関係なし)

警察OBで、今はプロレス会場の売店を経営しているマック

プロレスラー、オマハタイガーとそのマネージャ、タフト

女子プロレスラー、テリブル

 

プロレス会社の女社長ヘレンと営業部長カール

テリブルの恋人、ミイラ男

 

プロレス会場の売店の新たな経営者、フェルトン

 

フェルトンからスタハチを消すように指示される部下

スタハチを倉庫に閉じ込めようとする2人組

 

カーニエリの親友



今回の捜査

冒頭のカーチェイス

車が乗り上げ、逃走する犯人 なぜか飛び出した後にカツラが落ちる(笑

 

 

店に逃げ込みカウンターを飛び越える犯人 スカート、ヒールを履いているのがわかる

マックの耳の後ろにあったアザ

 

カーニエリの店〜クリーニング店

スタハチの動向を探り、電話連絡を入れる男

ヒョロ松のネズミレースが行われていた倉庫〜気密室あり

スタハチをつけてきた犯人の車 奥の黒い車

プロレスが行われているオリンピックアリーナ

 

シャワー室で死体で発見されたタフト

 

事務所で仕事をする、女社長ヘレンと営業部長カール

カールはスタさんの電話を盗み聞きする

アリーナでの銃撃戦

 

オマハタイガーが助けに入る


今回のプロレス その1 ハッチは学生時代レスリングのチャンピオンだった!

 スタさんがプロレスは芸術だと言うのをハッチは偽物だと断言。そして見せたいものがあると言い、スタさんを呼びつけると…

 

 

 ハッチはスタさんを華麗に投げ飛ばし、足に関節技を決める。ハッチは学生時代3年間レスリングのチャンピオンだったのだ!

 

今回のプロレス その2 やはりスタさんはお笑い担当

 スタさんは小人プロレスラーがフルネルソンをしているのを見て笑う。それを見たテリブルがスタさんにフルネルソンハーフネルソンをかける

 

 

 

今回のプロレス その3 やはりスタさんには女難の相

 2回目に情報を聞きに行った時、テリブルがスタさんを見つけ喜んで近づいてくる。

 衣装の仮縫いの最中、スタさんを見つけ、駆けていくテリブル

テ:はーい、かわゆい。アンタ2、3日可愛がっちゃおうかな

ス:俺負けるよ。マントねえもの

テ:その代わり、たくましいもの持ってるじゃない

 

それを見ていたミイラ男が覆面をとって、スタさんを睨みつける。ミイラ男はテリブルの彼氏だった。

 



今回のプロレス その4 スタさんの逆襲〜ハッチvsオマハタイガー

 再び練習場。タイガーがオーバーヘッドプレスをしている。スタハチが声をかけるが、タフトに呼ばれ、二人は待たされる。その時、スタさんがハッチに話しかける。

 

ス:一発やってみなよ

ハ:お前がやれば?

ス:だって俺はど素人だもん

ハ:だってオマエ、言い出しっぺだぜ

ス:騙されたと思ってやってみなよ、勝てるかもしんないぜ、あ?物は試しだよ。

ハ:やってみっか。

ス:いい男!

ハッチはスタジャンを脱ぎ、準備をする

 

いざハッチがリングイン。回転して相手の足を取ることに成功する。

 

 


今回のヒョロ松

 ヒョロ松はなぜか、ネズミレースの胴元。

 

 

 ヒョロ松の副業は見るたびに変わっているが気のせいか(笑 違法賭博なのだろうが、金額が少ないせいか、スタさんまで馬券(ネズミ券?)を買う始末。買った馬券が当たるが、それは情報料としてヒョロ松に取られてしまうオチ。

 

今回のオープニングに使われるシーン

 ヒョロ松のネズミレースが行われた倉庫に閉じ込められてしまうスタハチ。ストーリーに書いた通り、ハッチは気密室であるため、空気の残量を計算し始めるが、スタさんは、その辺にあった廃品を台車に乗せ、

 

一気にドアを蹴破る作戦を実行。無事脱出となる。

  

 

しかし、その直後、カール?の部下による爆破でスタさんが吹き飛ばされる。

 

ここであげた8枚の写真のうち何枚か、何シリーズかわからないが、スタハチのオープニングに使用されたシーンである。見覚えがある方も多いのでは?


今回のオチ

 事件が解決、スタハチが社長ヘレンと食事に行こうとしたところへ、テリブルが現れる。(ドアのところにいるのが、テリブル)

一緒に食事にとスタさんが誘いテリブルも喜ぶが、

 

テ:でも行けないの

ス:なんで?

テ:アンタとデートしたいってミイラに言ったらさ、

  彼ったら私と結婚するか、それとも…

ス:それとも、何?

テ:アンタを殺すって言うの

 

そこへ現れたミイラ男、なぜかスタさんを抱きしめ、抱え上げ、頰にキスをし、「友達」と話す。

 

それがロシアの古い習慣だとテリブルに教えられたスタさん、仕方なくミイラ男の頰にキスをすることに。キスをしたところで、ハッチに「両方だ」と言われ、仕方なくもう一方の頰にもキスをする。

 

 

今回のまとめ

 第1シリーズ18話目となるが、観ていて初めてストーリーの雑さが目立った話かも。

 まず冒頭のカーチェイス。スタハチでカーチェイスは珍しくないが、本編とは全く無関係なのは初めてだろう。犯人がオカマである必然性もないし。本編のプロレスの話やラストのオチなどとも無関係なのはどうなの?

 事件はプロレス会社?に関わる連続殺人事件。1人目は話に出てくるのみ。2人目、3人目は登場人物が殺され、会社にまつわる話だと次第に判明してくるのだが、キーポイントは耳の後ろのアザのはず。しかしそれは結局有効打にならず、どうなの?

 ハッチが学生時代レスリングチャンピオンだったというエピソードは新鮮だったし、1975年当時のアメリカのプロレスが舞台なのは興味深いが、これらの設定がほとんど活かされていない。ハッチのエピソードは、オマハタイガーから情報を得るために少し役だったのかもしれないけど。いつものスタさん絡みのオチに使われただけなのは、どうなの?

 まぁ16話のピアニストの話でも、全く関係のないトビーがクローズアップされてたのと同じか。

 何れにしても、話がとっ散らかっている印象は拭えなかったなぁ。

 

 それでも、どのシリーズのものかは不明だが、後にオープニングに使われる気密室での爆破シーンは見れたし、当時のアメリカプロレスが、小人、男性、女性、入り乱れての興行だったのがわかったのは良かったかも。

 

 蛇足。前作でも書いたが、吹き替えと原語の違いについて。女社長は、劇中「ヘレン」と呼ばれており、字幕でも同じだった。しかしエンドロールの役名では「Ellen」となっている。当時「エレン」という名前は一般的ではなかったのかしら?確かにヘレンの方が聞き覚えのある名前だけど。

 

今回の驚き!

 女子レスラーのテリブルにスタさんが振り回されるシーンが何度かあったが、一番面白かったのは、やはりミイラ男との絡み。ラストのスタさんとのキスシーンでは顔がよく見えないので、初登場シーンを再掲。

 

 この方、なんとリチャード・キール。「007」で有名になる直前なのね。スタハチは意外な大物が出ていることがある(第15話のラスト参照)ので驚き。

 ちなみに原語での役名は「Mummy」。あぁそう言えば、ドラクエでもミイラ男はマミィだったね(笑