追跡

●547 追跡 1947

 1900年ニューメキシコ若い女性ソーが廃墟にやって来る。待っていたのはジェブ。彼に食べ物や飲み物を届けにきたソーは北へ逃げるように言うが彼は聞かず、昔話を始める。

 ジェブはその廃墟に暮らしていたが、ある日父は亡くなり、ソーの母メドラがジェブを家に連れ帰り、兄妹アダムとソーと共に暮らし始める。7年間は何事もなかったが、ある時ジェブが乗っていた子馬が撃たれる事件が発生、ジェブはアダムを疑うがメドラはそうではない、猟師がいたと話し、街へ出かける。

 街でメドラはグラントと会う。グラントはメドラの夫であった弟をランドに殺されており、ランドの息子であるジェブを殺すつもりでいた。しかしメドラはジェブを愛しており育てて行くつもりだと話す。グラントはジェブが大人になるまで待つと話す。家に帰ったメドラは3人で力を合わせて生きて行くようにと話す。

 青年になったジェブは街でスペインとの戦争のため兵を募集していることを知る。そして検事に家から一人兵を出すように言われる。家に帰ったジェブはアダムをコイントスをして兵に行くのがどちらかを決め、結果ジェブとなる。ジェブはすぐに入隊するため家を出ようとするが、その際ソーは自分の想いをジェブに伝え、彼も答える。

 戦争で怪我をしたジェブが街へ戻って来る。英雄扱いをされ勲章を受ける。町中が歓迎する中、アダムは酒場にいた。そこへ検事=グラントがやってきて、ジェブの家のことを調べるように話す。家に戻ったジェブはソーとともに家を出て独立しようとするが、ソーは反対だった。ジェブは例の廃墟へ行く。そしてそこで自分が幼い頃暮らしていたことを思い出す。家に帰ってメドラに廃墟のことを聞くが、彼女は何も答えなかった。アダムとジェブが口論となる。どちらかが家を出て行くことにし、コイントスをするがまたもジェブが負けてしまう。二人は殴り合いの喧嘩となり、ジェブは家を出て行くが、明日ソーを迎えに来る、邪魔したら殺すとアダムに言い残して行く。

 町の酒場で賭けポーカーに買ったジェブは大金を手にする。酒場の主人ディングルに共同経営者にならないかと誘われるが、断って街を出て行く。山中に差し掛かった時、ジェブは遠くから狙われる。応戦し相手を撃ち倒したジェブはそれがアダムだと知り、アダムの遺体を街に連れて戻る。

 ジェブは裁判にかけられるが無罪となる。しかしメドラやソーはジェブを許さなかった。ジェブはディングルの申し出を受け入れ、酒場の共同経営者となる。ジェブはソーと会えなくなってしまったが、ある時プレンティスがパーティを開き、それにソー、メドラ、ジェブが出席する。久しぶりに会ったソーをジェブはダンスに誘う。メンツを潰されたプレンティスをグラントがけしかけ、ジェブを殺すように話す。プレンティスはジェブを撃ち殺そうとするが、逆にジェブが彼を撃ってしまう。

 ジェブはソーに会いに家へ行く。意外にもソーはジェブを受け入れるが、ソーはジェブを殺すつもりだった。やがて二人は結婚する。その夜、ソーは拳銃を用意していたが、ジェブはソーにお茶を入れトレイに拳銃を置いて彼女に渡す。ソーはジェブを撃とうするが撃てなかった。ソーはジェブをやはり愛していたのだった。その頃グラントは仲間を集めジェブを殺そうと企んでいた。

 家を囲まれたことに気づいたジェブは、ソーに廃墟で待つように言って家から逃げ出す。廃墟についたジェブとソー。冒頭の場面に戻る。廃墟にグラントたちがやってきたため、ソーを助けるためにジェブはグラントたちに捕まる。絞首刑にされそうになるが、そこに現れたメドラがグラントを撃ち殺す。30年前、メドラはジェブの父と不倫関係になり、ジェブの父がメドラの夫を殺していた。それを恨みに思ったグラントは、ジェブの家族を皆殺しにしていた、というのが真相だった。

 

 なんだか不思議な西部劇だった。というか、これは西部劇でなくても成立する話のような気がするが。

 冒頭から謎めいている。家に隠れていた少年が女性メドラによって連れて行かれ、その家で他の子供たちと一緒に育てられるが、なぜかこの少年の命を狙うグラントという男性。グラントの弟であり、メドラの夫であった男性が、ジェブの父に殺されたということが途中で判明するが、それで子供の命を狙う?でなぜか、メドラの説得でグラントはジェブが大人になるまで待つ、とか言い出すし。

 大人になったジェブのこともグラントは執拗に追い続ける。義兄であるアダムへのけしかけ、プレンティスへのけしかけ。そしてラスト。

 ストーリーとしては面白かったが、結局何がテーマだったのだろうと思う。

 

 蛇足。劇中メドラと3人の子供がオルゴールで「ロンドンデリーの歌」を聴きながら歌う。この曲が、トヨタが震災の後のCMで使った例の曲でありビックリ。震災の鎮魂歌としてよく合っていたと思っていたが、こんな古い曲だったのね。