ブラック・ライダー

●557 ブラック・ライダー 1972

 南北戦争が終わり、奴隷は解放された。黒人たちは西部を目指し移動する。その手助けをする仲介役は彼らに土地の手配や旅の手助けをした。一方、農園主たちなどは奴隷がいなくなり困っていた。そのため白人たちは結社を作り、黒人を元の居場所へ戻るよう工作をしていた。

 仲介役のバックが手助けをした黒人一家が、結社の一人であるディシェイ一味に襲われ、何人かが殺され、持ち物には火を放たれた。それでもバックは黒人たちに協力し彼らを西部へ導いていた。

 バックが家に戻るとディシェイたちが待ち構えていたが、妻ルースの機転でバックはディシェイたちから逃げる。バックは牧師ラザフォードと出会う。彼の馬を自分の馬と交換しバックは去って行く。バックの馬に乗ったラザフォードは街へ。そこでディシェイたちに目をつけられる。バックの馬に乗っている理由を説明すると、ディシェイはラザフォードにバックを見つけたら500ドルを出すと話す。

 ラザフォードは黒人たちの馬車隊に遭遇、そこでバックと再会する。バックは隊が先住民たちの住処を通るため、彼らと交渉しに行くが、ラザフォードもついてくる。交渉が成立し隊に戻るが、隊はディシェイたちに襲われ、金1400ドルや食料が奪われていた。このままでは西部に行っても、冬も越せないため、バックはディシェイ一味を追うことに。

 ラザフォードの情報から、バックとラザフォードは一味のいるコッパースプリングスへの街へ。ディシェイ一味が娼館にいるところを襲い、ディシェイを倒すが、彼は奪った金を使い果たしていた。ディシェイを殺したことで彼らは保安官に追われることに。家に戻り妻ルースとともに逃げることに。

 隊へ返す金がないバックに、ラザフォードは銀行強盗を提案する。ルースを含め3人は銀行を襲い金を手にするが、保安官やディシェイの仲間たちに追われてしまう。バックは先住民たちに協力を求めるが、彼らは白人とは戦わないと宣言。3人は隊に合流しようとするが、保安官たちに見つかり絶体絶命のピンチとなる。しかし先住民たちが立ちはだかり、保安官たちの追跡を邪魔する。

 ディシェイの仲間たちは保安官を殺害し、隊を襲おうとする。バックとラザフォードは囮となり、ディシェイの仲間たちをおびき出す。山中での戦いとなるが、多数であるディシェイ一味にバックもラザフォードも負傷してしまう。しかし先住民たちが一味を銃撃し、一味は逃げて行く。

 バックとラザフォード、ルースも含めた隊は希望の土地へたどり着く。3人は新たな旅に向かう。

 

 シドニーポワチエの名前に惹かれて観た一本。しかも初監督作品らしい。

 このブログを始めて西部劇は100本観てきたが、奴隷の解放後に焦点を当てた作品は初めて。政治的な解放宣言がされた後も、こんな状況があったことは知らなかった。単に差別が続いただけではなく、暴力や殺人による脅しで、奴隷の身へと戻らせようとする勢力があったとは驚き。

 そのような状況を映画化したポワチエはさすが。