めぞん一刻 移りゆく季節の中で

●558 めぞん一刻 移りゆく季節の中で 1988

 めぞん一刻のアニメを4つ+1の季節に分け再編集されたもの。

 春、登場人物たちの出会い。五代と響子、響子と三鷹、五代と七尾。五代はまだ浪人生。響子が一刻館の管理人としてやってくるところからスタート。

 夏、五代が大学生となり、教育実習生として高校へ赴任。そこで八神と出会う。

 秋、三鷹の響子に対する想いとその結末。三鷹の婚約者九条も登場。 

 冬、五代と朱美のラブホテル騒動から。五代が響子へ想いを打ち明け、二人が結ばれるまで。

 ふたたび春、五代と響子が結婚、その後日談。

 

 TVアニメの総集編。100話近くあったTVアニメを90分にまとめたもののため、「めぞん一刻」未見の方に向いていないだろう。原作をリアルタイムで観ていた自分には、非常に懐かしく思えたが。

 もともと非常に長い原作であり、TVアニメシリーズも現在では考えられないぐらい長期に渡ったもの。それを90分にまとめるのだから、無理があるのは仕方ない。どこをピックアップするのかということになるが、前半は五代と響子の恋のライバルの登場について触れ、後半は物語最終盤の五代と響子の恋の行方について丁寧に触れていた。

 ずっとコメディ色が強い面白いマンガで、二人が結ばれることは予想通りだが、恋のライバルたちの想いをどうやって終わらせるのか、というのがこの原作の焦点だったように思う。本作ではその中から、三鷹の響子に対する想いを丁寧にピックアアップしていたのでは。結局婚約者と添い遂げることになるのだが、その原因となった妊娠騒動が描かれていなかったのは残念。90分の枠に収まりきらなかったのだろうが。

 ただラスト、インストゥルメンタルで主題歌が流れたのは良かった。それに続いての斉藤由貴の歌声も。あぁ本当に懐かしい。

 「めぞん一刻」が終わってもう35年も経ったのかと思う。非常に長い原作、アニメだったので、もう一度…とはなかなか思わないが、チャンスがあれば再読、最視聴しても良いかなぁ。