プロフェッショナル

●560 プロフェッショナル 1966

 富豪のグラントが妻マリアを山賊に誘拐され、身代金を用意し妻の奪還を図る。選ばれたのは、3人のプロフェッショナルたち。リーダーのリコ、馬に詳しいハンス、追跡のジェイク。リコは誘拐犯であるラザと革命軍で一緒に戦った仲だった。事情を聞いたリコはもう一人ダイナマイトのプロが必要だと言って、ビルを推薦する。ビルは刑務所にいたが、金を払って釈放することに。ビルもラザと戦った仲間だったが、ラザが誘拐犯だと聞いて驚く。

 4人はラザのアジトを探しにメキシコへ渡る。岩山や砂漠を進む行程の中、4人はラザの一味と思われる山賊に遭遇しながら、先へ進む。政府軍の列車が通るのを見守るが、一味が列車を襲う。4人はアジトを突き止める。そこでグラントから聞いていた、マリアのためなら味方になってくれるという羊飼いと出会う。彼の助けも借りつつ、4人はアジトを襲撃することに。

 夜、アジトを急襲する4人。ダイナマイトと弓の組み合わせでアジト内を大混乱に陥れ、そのすきにマリアを救出しようとするが、リコが見たのはアジトの首領ラザとマリアが愛し合う姿だった。仕方なく4人はマリアを拉致しアジトから脱出する。

 一味の追っ手が5人に迫るが、行きの行程でダイナマイトを仕込んだ峡谷に追っ手を誘い込み爆破。追っ手を遠ざけることに成功する。野営をしている際にマリアから真実を聞かされる。マリアはラザと恋人同士だったが、親の命令でグラントと結婚したのだった。5人は砂漠で砂嵐に襲われ、追っ手に追いつかれてしまう。

 追っ手を食い止めるために、ビルが一人残り、4人は先にマリアを国境へ。ビルは追っ手と対決、一人ずつ倒し最後にラザとの勝負となる。ラザはビルと昔話や革命の意味について話をする。最後の対決、ラザについていた女を殺し、ラザもビルも負傷する。

 マリアを連れた一行は国境へ。グラントたちもそこへやってくる。リコはビルのことは諦めていたが、そこへビルがラザを連れて戻ってくる。リコはビルに理由を問う。グラントが4人を歓迎し、ラザを殺そうとする。しかしリコはそれを妨害、マリアを誘拐したのはグラントであり、自分たちの仕事は誘拐犯からマリアを元の家へ返すことだと話し、負傷したラザとマリアをメキシコへ返す。

 

 タイトルや映画の紹介文から、各分野のプロが集まってその特技を生かし誘拐犯と対決する、というストーリーだと思って観始めた。序盤、その通りにストーリーが進み、半分が経過したところで、いよいよ誘拐犯のアジトへ突入することに。

 まだ映画の半分の時間が残っているのに?どれだけ戦いのシーンがるんだよ、と思って観ていたが、アジトからの救出はあっさりと終わる。ただ、誘拐されていたはずの女性は誘拐犯とデキている、らしい。ここから意外な方向へ話が進む。

 後半は誘拐されていた「はず」の女性と連れての逃亡劇。敵は追っ手、灼熱の砂漠、逃げようとする女性。そして実は誘拐されたと思っていた女性は、自らかつての恋人である誘拐犯の元へ逃げていたことが判明する。

 そしてラスト。無事依頼主の元へ女性を届けることができたのだが、そこで4人が取った行動は…というストーリー。

 意外なオチと1900年代を舞台とした西部劇という、ちょっと変わった組み合わせ。1960年代半ばの作品にしては、なかなかシャレている。ただちょっと人間関係の描き方(ラザ、リコ、ビルの革命軍仲間〜敵側の女性も含む、あとはマリアのために命をかけるといった羊飼いも)が雑でよくわからなかったかも。ここを丁寧に描いていれば、もっと傑作になっただろうに。