ボルサリーノ

●562 ボルサリーノ 1970

 シフレディが出所してくる。出迎えに来た仲間とともに女ローラを探しに店へ行くが、すでにローラは他の男と他の店へ移っていた。シフレディはその店へ行きローラを連れ出そうとするが、それをローラの新しい男カペラが止める。二人は殴り合いになるが、その後なぜか意気投合する。

 シフレディが出所したばかりと知ったカペラは仕事に誘う。競馬馬の強奪や偽ボクシング試合などを組むが、二人は儲けることができない。ボクシングの試合の後、弁護士リナルディと知り合い、彼の家へ誘われる。そこでリナルディの妹エスカルケル夫人を紹介される。夫人に会いに行くが、途中カペラはプレゼントとして花束を送るために寄った花屋でジネットという若い女性と知り合う。夫人から依頼で、彼女の夫の魚市場の独占に手に貸すことに。ライバル店に腐った魚を置くなどの嫌がらせで独占に成功、二人は大金持ちになる。

 二人はお祝いに海岸へ。シフレディは街のボスの一人であるポリを倒すことをカペラに提案するが、カペラは拒否する。海岸でジネットと再会したカペラは彼女をデートに誘うが、ジネットはポリの情婦だった。カペラとジネットはポリにボコられてしまう。カペラはシフレディの提案に乗ることに。二人は仲間とともにポリの精肉工場に忍び込み吊るされた肉を焼くが、待ち伏せをされてしまう。二人は田舎へ逃げ込むことに。

 復讐を誓う二人はポリを殺害する。ポリの後を引き継ぐ形で街の実力者となる。もう一人の街のボスであるマレロ、そして彼の弁護士であるリナルディと敵対することに。そのリナルディが市長選に出馬することになり、シフレディは面白くない。それを見たカペラはリナルディには手を出すなと忠告するが、リナルディが選挙中に暗殺されてしまう。カペラはシフレディの元へ行く。彼は何もしていないと話すが、カペラとの仲に亀裂が入ってしまう。カペラはリナルディの殺害が、自分たちを陥れるためにやった犯人を見つけ出し殺す。しかしマレロは2人の店を襲う。2人はマレロの賭博場へ行き、シフレディがマレロを殺害する。

 2人は街のボスとなり、シフレディは豪邸を建てパーティをするが、その夜カペラは街を出て行くと宣言。止めようとするシフレディに、二人がこのままいたらどちらかが死ぬことになると話すカペラ。最後にいつものコイントスでどちらが出て行くかを決めるが、シフレディはそれがカペラのイカサマであることを見抜いていた。家から出て行くカペラだったが、何者かに射殺されてしまう。

 

 豪華スターの共演映画、ドロンとベルモンドの共演というだけで良いのでは(笑

 1930年代のフランスが舞台であり、主演の二人がとにかくカッコ良い。ストーリーはチンピラのような二人が街のボスと戦い、のし上がっていくというもの。殺人も多く描かれるが、軽快な音楽のせいかニューシネマのような暗さはあまり感じられない。2人は途中何人も殺すことになるが、警察に捕まる気配もないし。

 ただラストはいかにもフランス映画っぽい終わり方。めちゃくちゃやった二人が無事にボスとして君臨したのではさすがにマズかったのか。

 アランドロンのカッコ良さは今更言うまでもないが、ベルモンドも別のカッコ良さを魅せてくれる。モンキーパンチは否定していたらしいが、ルパン三世のモデルはベルモンドだと言われていた。見た目はカッコ良くないが、おちゃめで、女好きで、それでいて粋なところもあって。この映画のベルモンドはまさにルパンのようだ。