明日なき追撃

●564 明日なき追撃 1975

 連邦保安官ナイチンゲールは、列車強盗犯のストロホーンを追っていた。一味のアジトを見つけ、襲撃するが寸前でストロホーンだけを逃してしまう。ナイチンゲールは5人の部下とともにチームを組み、ストロホーンを追い続ける。

 逃げたストロホーンはテソタの街へ。そこで裏切り者を射殺、それを知り彼を逮捕しようとした保安官も射殺し、街から去って行く。その2時間後、専用列車でナイチンゲールのチームが街に到着。話を聞き早速ストロホーンを追いかける。

 ストロホーンは昔の仲間の元へ。そこで仲間が集めておいたゴロツキたちに、追ってくるナイチンゲールたちを待ち伏せさせるが、あっさりと全滅してしまう。ストロホーンは仲間とともに逃げるが、ナイチンゲールに捕まってしまう。

 ナイチンゲールはテソタの街へストロホーンを連れ帰還、街の住民に大歓迎される。ナイチンゲールは悪党ストロホーンを捕まえたことで、自身が立候補している上院議員選挙に勝つことは間違いない状態となる。彼の部下たちは、ナイチンゲールが議員となった後の自分たちの処遇を心配していた。

 翌日ストロホーンを乗せ列車で街を去るが、護送途中にストロホーンは監視役を捉え見事に列車から脱走する。ナイチンゲールたちはストロホーンを追うために列車から離れるが、その隙にストロホーンは列車を乗っ取り逃げる。馬で列車に追いついたナイチンゲールだったが、逆に彼に捕まってしまう。

 ストロホーンは列車でテソタの街へ戻る。そこで人質としたナイチンゲールとともにホテルに籠城する。ナイチンゲールの部下たちが街に到着。ストロホーンは、人質がいる事を良いことに、部下たちにナイチンゲールの追跡で失った4万ドルを街から集めてくるように命じる。部下たちは街の住民から違法に金を集めるが3万ドルにしかならなかった。その金を見たストロホーンは、それをナイチンゲールの部下たちで分けるように指示し金を与えてしまう。部下たちはその金が多額であったため、ナイチンゲールを助ける事を辞める。さらに抵抗しようとした街の住民を射殺。それを見たストロホーンはホテルから出て、その部下たちの元へ歩み寄る。部下たちはストロホーンとともに街を去ろうとする。監禁から逃れたナイチンゲールは部下たちに戻るように叫ぶが、誰も耳を貸さなかった。

 

 これまた非常に変わった西部劇。大悪党である強盗犯を、保安官がチームを組んで捕まえる話だと思って見始めたが、最初の30分であっさりと逮捕に成功。その後の展開はどうなるのかと思って観ていたが、その保安官が議員選挙に出る話に展開。確かにこの保安官、逮捕に絡む行程をずっとお付きのカメラマンに撮影させていて、その写真をバラまいていた。

 じゃあ後半は保安官の出世の話?と思っていたが、犯人護送中に逃亡を許し、さらに保安官が逆に拉致されてしまう。それなのに、犯人は元いた街のホテルへその保安官を連れて行き、籠城するという不思議な展開。

 と思ったら、保安官の部下たちが金に目が眩んで、なんと犯人側についてしまう。まぁここから保安官の活躍が…と思っていたら、そこでTHE END。正直、なんだこりゃ、と思ってしまった(笑

 ネットでこの映画の解説を読むと、主人公の保安官がその職務〜正義を守るために悪を捕らえる〜を全うするためではなく、自身が選挙に打って出るための行動だった、それに愛想を尽かした部下たちに見放され、街の住民にも見放される、という事らしい。

 解説を読んである程度納得できたが、それならば、部下たちの不満や不安をもう少し丁寧に描いても良かったのでは?確かに列車内でそんな会話があったが、あのワンシーンだけで、ラスト、部下たちが犯人側についてしまうのは、いきなり感がスゴ過ぎ。

 カークダグラスの主演製作監督作品だけど、この人歳行ってからはあまり良い作品に恵まれなかったのか。