ケープ・フィアー

●570 ケープ・フィアー 1991

 少女が回想を語る。ある夏の出来事について。

 男が刑務所から出所してくる。弁護士ボーデンは順調に仕事をしており、妻と娘と平和に暮らしていた。映画を観にいった一家は、目の前の席の男が葉巻を吸い大笑いしていることを不愉快に思い席を移動する。カフェに行った一家は、自分たちの代金を男が支払っていると聞かされる。

 その男マックスがボーデンの前に現れる。彼はボーデンに14年前に弁護してもらったが、有罪となり刑務所に入ったことを不服に思っていた。ボーデンは強姦の罪で捕まったマックスを有罪にするため、有効な資料を破棄していたのだった。

 ボーデンの家の犬が毒殺される。マックスの仕業だと考えたボーデンは対抗措置を取ろうとするが、その間にボーデンの浮気相手で同僚のローリーがマックスに襲われ大ケガをする。ボーデンはローリーにマックスを訴えるように言うが、裁判に詳しいローリーは二次被害に合うことを恐れ訴えない。

 ボーデンは私立探偵を雇いマックスの動きを調査する。マックスはボーデンの娘ダニエルに電話連絡をし、学校の授業の講師のふりをしてダニエルに接触。彼女の信頼を得る。それを知ったボーデンは私立探偵の勧めで、マックスを3人組の男たちに襲わせる。しかしマックスは3人組を返り討ちにする。3人組に襲わせる前にマックスに脅しの警告をしていたボーデンは、その時の会話を録音されており、逆に訴えられてしまう。

 探偵はボーデンが訴えに応えるために家を留守にすることを逆に罠を仕掛けるチャンスだと捉え、ボーデンの家でマックスを待ち構える。しかしマックスは探偵と家のメイドを殺す。それに気づいたボーデンは妻と娘を連れ、ケープフィアーへ逃げる。船を借り逃げるが、マックスはボーデンの車の下に隠れ尾行をしていた。船にも乗り込み、一家を襲うマックス。しかし娘ダニエルの機転でマックスに重傷を負わせる。それでも復讐に燃えるマックス。嵐が船を襲う中、マックスと一家の死闘が続くが、ボーデンはなんとかマックスを川へ落とし倒すことに成功する。

 

 これまた全く知らなかった一本。デニーロ演じるマックスの狂気と怖さが存分に感じられたホラー映画。復讐相手の弁護士の前に現れたデニーロの知的な部分が前面に出てくる前半、しかし3人組に襲われたあたりから、デニーロの狂気の部分が発揮される。

 デニーロの演技に魅了される一本だが、これもリメイク。オリジナルの主役だったグレゴリーペックとロバートミッチャムが脇役で出演しているのも見逃せない。さらに言えば、娘とデニーロの接触シーンや、ボーデンが過去にも浮気をしておりそれを妻になじられるシーンがあるのも、展開を予想させないエピソードとなっているのも面白い。

 しかしストーリーは本当に怖さを感じさせるものだった。弁護士に非があったとは言え、ここまで復讐に燃える人間がいるとは…と思わせる一本だった。