ブロンコ・ビリー

●580 ブロンコ・ビリー 1980

 ブロンコビリーは旅回りのワイルドウエストショーを公演する一団。先住民とカウボーイのショーを子供達に見せる。しかし売り上げも少なく団員たちに給料を支払えない状態。団員たちの不満もたまりビリーに窮状を訴えるが、ビリーはいつか牧場を買いみんなで暮らす夢を持っていた。

 新しい街に着いたビリーは役所に許可証をもらいに行く。そこにいたのは、結婚申請をするリリーとアーリントンだった。リリーは父の遺産を手に入れるために30歳までに結婚をするという条件を果たすため、仕方なくアーリントンと結婚したのだった。新婚旅行に出かけるつもりのリリーたちだったが、車の故障により街のモーテルに泊まることに。

 翌日銀行にいたビリーは銀行強盗に出くわすが、得意の早撃ちで強盗たちを退治、一躍ニュースで取り上げられる。その頃リリーはアーリントンに逃げられ、車も金もない状態で困っていた。義母に電話するための電話代もなく、そこにいたビリーに声をかけ電話をするが、義母と連絡を取れなかった。ビリーはリリーを連れて次の街へ。

 その頃リリーの義母は娘が行方不明になったと弁護士から連絡を受ける。弁護士は娘リリーはアーリントンに殺されたこととし、遺産を受け取ろうと提案、アーリントンには出所後にお金が入ると説得する。

 リリーはビリーのショーに助手として参加、ショーは成功するがビリーに言われた通りにしなかったことでビリーは怒る。リリーは一団から去ろうとするが、街にあった新聞で自分が殺されたこととなっているのを知り、一団について行くことに。

 ビリーたちは次の街へ。そこで団員の夫婦に子供が出来たことを知り皆で街へ繰り出す。店で飲んでいたが、ケンカを始めてしまい大騒ぎに。騒ぎが収まり皆は戻るが、若者レナードが一人店に残る。翌日レナードが警察に逮捕されたと連絡を受け、ビリーは警察に向かう。そこでレナードが軍からの脱走兵だったと知らされる。ビリーは署長に金を払うことでレナードを釈放してもらう。その日の夜のショーにレナードが間に合い一安心したが、客の少年がつけた花火で火事を起こしてしまい、テントが燃えてしまう。

 ビリーは定期的にショーを行なっている精神病院へ行き、テントを縫ってもらうことに。テント完成まで病院で厄介になることにするが、その病院にはアーリントンがおり、リリーを見た彼が事情を全て告白する。マスコミがリリーを追いかけ集まってくる。リリーは実家に戻り、ビリーたちはショーを再開することになるが、リリーが去りビリーは落ち込んでいた。ショーが始まりビリーの番になるが、助手として現れたのはリリーだった。

 

 ショーを見せながらアメリカを旅回りしている一団の話。リーダーのイーストウッドが団員たちの揉め事などをクリアしながら、女性と恋に落ちる。恋もトラブルも予想ができる範囲内で収まる展開がわかりやすいストーリー。

 意外だったのは見終わった後に読んだwikiの記述。イーストウッド自身が「自分のキャリアの中で最も魅力的な作品の一つ」としている点。ストーリーも展開も単純なものであったので意外に思えるが、言われてみると主人公ビリーは、現代でありながらカウボーイに憧れ都会には住まないと決意している点や一団の多人種である仲間たちを大切にしている点、不幸な生い立ちであるヒロインと最初は反発しながら最後は愛し合う点など、西部劇で名を馳せたイーストウッドらしい物語なのかもしれない。

 全く関係ないが、タイトルと同名のファミレスチェーン店があるが、あの店名はこの映画を意識しているのかしら?しかしブロンコが荒馬という意味だとは知らなかった。あぁだからテリーファンクはテキサスブロンコなのか。