●759 オータム・イン・ニューヨーク 2000
公園でリンとデートしていたウィルはいきなり別れを告げる。付き合って数週間だとリンは話すがウィルの気持ちは変わらなかった。彼はプレイボーイを自認しており、次々と付き合う女性を乗り換える男性だった。
ウィルは高級レストランのシェフをしていた。店に来ていた老婦人ドリーの紹介で彼女の孫のシャーロットと出会う。シャーロットの母親はウィルがかつて付き合っていた女性ケイティーだった。
ドリーからシャーロットが帽子のデザイナーだと聞いたウィルは彼女に帽子を発注する。数日後シャーロットはウィルの要望に答え帽子を届けるが、パーティに参加する女性にドタキャンされたと話し、シャーロットにその代役を依頼、彼女はウィルとともにパーティに参加する。
パーティの場でリサという女性がウィルとともに来たシャーロットに声をかける。ウィルが近づいてくるとリサは去っていくが、ウィルはシャーロットからリサの名前を聞いて動揺する。
ウィルとシャーロットは親密となり一夜をともにする。翌日ウィルは自分は女性と長い付き合いはできない男だと告白し別れようと告げる。シャーロットもそれに同意、自分は病気で長くは生きられないからと答える。
ウィルは友人ジョンに相談、彼はウィルにシャーロットと真剣に付き合うことを勧める。ウィルはシャーロットの家へ。ドリーからケイティーが事故死したことを聞かされ、孫娘とは付き合わないで欲しいと言われる。しかし2人はデートをし、ウィルの店の皆と会食をする。ウィルは帽子の一件は嘘だったと告白する。シャーロットはウィルの家へ行くが、そこで発作が起きてしまう。
ウィルは彼女を病院へ連れて行く。そこで主治医から彼女の余命が1年だが、彼女は手術を拒否していると聞かされる。家に帰ったウィルはリサからの手紙を受け取り、彼女勤めている美術館に行き彼女の姿を確認する。
ウィルはシャーロットともに友人ジョンの家のパーティに参加する。そこで再会したリンとsexをしてしまう。帰り道、シャーロットはウィルを問い詰めるとウィルはその事を白状する。シャーロットは激怒し別れを告げる。泣きながら帰って来たシャーロットにドリーは母親もウィルと付き合っていたが、彼は母親の友人を妊娠させたという話をする。それを聞いたシャーロットはその事を黙っていたドリーに激怒する。
ウィルが家に帰るとリンが訪ねて来ていた。彼女は妊娠した事を告げ、父親であるウィルが自分のことを探し続けているという空想をしていたと話す。
ウィルはシャーロットに会いに行き謝罪し愛させて欲しいと頼み、彼女も受け入れる。2人はクリスマスに向けデートを重ねる。しかしスケート場で彼女は倒れてしまう。病院へ行ったウィルは主治医から病気が進行しており、数週間の命だと言われる。彼女の手術は難しいためそれをする医師がいないと言われたため、シャーロットの手術をしてくれる医師を探すがなかなか見つからなかった。ウィルはリサに会いに行き弱音を吐く。それを聞いたリサは手術をしてくれる医師を探す手伝いをすると話す。
リサから医師が見つかったと聞いたウィルはシャーロットには内緒でその医師に会いに行く。しかしシャーロットはそのことを知ってしまいウィルを問い詰める。ウィルはシャーロットにまだ生きていて欲しいと話し、彼女も手術を受けることに同意する。クリスマスの飾り付けをしていた2人、ウィルの飾り付けが完成したその時、シャーロットは倒れてしまう。ウィルは医師に連絡、緊急手術が行われる。病院にはドリーやリサ、ウィルの友人たちが集まってくる。しかし手術は失敗、シャーロットは亡くなってしまう。
家に戻ったウィル。シャーロットが用意したクリスマスプレゼントを開けると、いつか彼女が彼から預かった腕時計がそこには入っていた。ウィルはリサとその子供とともに公園のボートに乗っていた。
リチャードギア主演のラブストーリーということで、そっち系の話を想像しながら観ていたが、予想とは違う話でちょっとビックリ(笑 さらにストーリーがいろいろとスベっている感もあり、二度ビックリ。
話はオジさんと若い女性の恋物語ということで、前半「プリティウーマン」の逆パターンの大人のおとぎ話かと思ったが、後半は難病に苦しむヒロインものになってしまった。同様の話で日本で大ヒットしたセカチューが本作の翌年に発刊されたのは偶然とは思えないがどうだろう。
それにしてもストーリーのスベっている感はヒドい。上記したように前半は、プレイボーイを自認するオジさんが、若くて純粋な女性に出会うことで、愛に真剣になって行く展開かと思ったが、この部分が弱い。ヒロインの病気が発覚してしまい、主人公は嫌でもヒロインに対し真剣にならざるを得ないためだ。
他にもある。リサという謎めいた女性が序盤に登場するが、後半彼女が主人公の娘だと発覚する。しかもどうやら彼女はヒロインの母親の友人の娘らしい。ドリーやリサ本人の話でそれがわかるのだが、この設定も活かされていないように思える。そのリサはまるで、ヒロインの病気を手術する医師を探す手伝いのためだけに登場したように思えてしまう。
さらにダメ出しするならば、冒頭で別れを告げられるリンも同じ。主人公とヒロインがケンカ別れをする原因を作る女性がパーティに現れるのだが、これがリンである必要があったのだろうか。冒頭ではこの女性以外にも主人公は様々な女性に声をかけており、どんな女性でも良かっただろうに、ここで再度彼女を登場させた理由は何なのだろう?
「プリティウーマン」の10年後に作られた本作。リチャードギアも年を取り、大人のおとぎ話はもう終わった、というメッセージなのだろうか。そう言えば2000年代に入り、さらに高齢の主人公たちの恋物語が増えたような気がするけれど。