●805 戦うパンチョ・ビラ 1968
メキシコ革命で活躍したパンチョビラ、彼は愛国者であり暴君だった。
セスナが川ぞいにいる軍隊の元へ着陸する。操縦していたのはアメリカ人のアーノルド。彼は軍を率いてパンチョビラと戦うラミレス大尉に10丁の銃を売却する。セスナの車輪が故障したため修理の手伝いを大尉に申し込むが、大尉はすぐにビラを追うためチュパデロの町へ行くように、ただし町はビラに好意的だから町からはすぐに出るようにとアーノルドに話す。
アーノルドは町でルイスという鍛冶屋に車輪を直してもらうことに。しかし修理は明日になると言われ、ルイスの家に泊まることに。彼は家の娘フィナと惹かれ合う。翌日車輪が修理されるが、ルイスは友人になったのだからと金を受け取らなかった。アーノルドは代わりにラバを差し出す。そこへラミレス率いる軍がやってくる。ルイスは狙いは自分だと話し家族に隠れるように言う。案の定ルイスは捕まり、フィナは大尉に乱暴されてしまう。ルイスや他の男たちが処刑されることに。その様子を町の外からビラ率いる革命軍が見守っていた。彼らは処刑が始まると町を襲う。しかしルイスは処刑されてしまい、革命軍はルイスの死体を丁重に扱う。
ビラは軍が持っていた銃の出所を探ろうとアーノルドに話しかける。彼が軍に売ったことは明白で、アーノルドは軍の捕虜たちとともに監禁される。ビラの部下フィエロは捕虜たちに逃げられたら生かしてやると言いつつ、逃げるチャンスを与えながら彼らを少しずつ射殺する。アーノルドの番になるが、ビラが射殺しようとするフィエロを止める。セスナがあれば軍の動向を探れると考えたのだった。しかしアーノルドは協力するのに捕虜たち全員を逃すと言う条件をつける。しかし逃げるのを許されたのは1人だけだった。
革命軍が町を制圧する。中には娘たちに手を出そうとする男もいた。アーノルドはビラにお前たちが町を救うのを遅らせたからフィナが乱暴されたと話す。ビラは神父を探させフィナと結婚をすることに。
アーノルドはセスナを飛ばすことに。ビラはフィエロに同乗するように言うが、フィエロは断る。ビラはアーノルドに操縦を教えろと話し強引にセスナを飛ばす。アーノルドはビラたちに協力することに。
アーノルドとフィエロが乗ったセスナは軍が列車で移動しているのを偵察する。ビラはセスナを低空飛行させダイナマイトで列車を攻撃するようアーノルドに命じる。アーノルドは大金をもらうことを条件にするが、革命軍には金がないと断られる。
革命軍は列車の行く先のトンネルを爆破し、セスナで攻撃を開始する。それに乗じて革命軍が列車を襲い、列車を制圧する。ビラはパラルの町へ向かうことに。町には列車に乗っていた軍からのニセ電報を打つことに。その頃パラルの駅では軍が待ち構えていた。そこへ列車が到着。しかし中に乗っていたのは革命軍で、あっという間にパラル駅を制圧する。革命軍は町で宴を開く。酒場にいたエミリータという女性に惚れたビラは彼女と結婚をすることに。それを見たフィナは悲しむ。
ウエルタ将軍がパラルが制圧されたとの情報を得て、パラルへやってくる。将軍は大統領命令だとパラルの町を引き渡すようにビラに告げる。ビラは大統領に会いに行く。ビラは将軍のことを信用しておらず、大統領に直訴するが大統領はビラに将軍に従うことを約束させる。
ビラは将軍の傘下に入る。将軍はコネホスにいる軍を攻める作戦を立て、ビラの軍を先頭に据える。コネホスの町は川向こうにあり、橋が一本かかっているだけだった。ビラの革命軍は川を渡り突撃するが、軍の砲撃などで退却を余儀なくされる。そこへアール喉が乗ったセスナがやってきてダイナマイト攻撃を軍に仕掛ける。それに乗じてビラの革命軍も再突撃する。セスナは撃たれコネホスの町へ不時着する。軍は町まで撤退するが、革命軍は町も制圧する。
将軍が町へやってきてビラを逮捕する。フィエロは大統領にことの次第を告げる電報を打つ。アーノルドも将軍に会いにいくが、彼もセスナの窃盗罪で逮捕されてしまう。同じ牢に入れられたビラとアーノルド。アーノルドはビラの部下たちに牢を襲わせ脱獄すべきだと話すが、ビラは自分が罰せられる理由がないから大丈夫だと答える。翌朝ビラの処刑が行われることに。ビラは最後まで処刑の理由を聞こうとするが将軍は聞く耳を持たなかった。いよいよ処刑となったとき、将軍は大統領からの電報を読み上げ、処刑を中止、メキシコシティで裁判を受けることに。
アーノルドは護送中に兵士たちに話しかけ、フィナのいる町に寄ってもらうことに。そこでビラが隠し持っていた資金を調達しエルパソへ帰る。アーノルドはメキシコの大統領が暗殺され、ウエルタがその後釜についたことを知る。アーノルドはレストランで女性と食事をしていたが、そこへビラたちがやってくる。彼らはアーノルドが持ち去った資金で再度革命軍を組織してウエルタたちと戦うと話すが、アーノルドは断る。ビラは大人しく去って行く。そして町で馬を手に入れメキシコへ向かう。その時アーノルドが乗ったセスナが彼らの上空を飛び、ビラたちは歓喜の声をあげる。
1年4ヶ月後、ビラは5万の軍勢でメキシコシティに凱旋した。
パンチョビラという実在の人物を描いた作品。メキシコ革命について何も知らないからか、本作のストーリーは途中までわかりずらい展開。
もう1人の主人公?アーノルドがラミレス大尉に銃を売却→そのラミレス大尉の軍をビラが襲撃、制圧→アーノルドはビラの一派に加わる→ビラが軍の列車を強襲、パラル駅も制圧→ビラが毛嫌いするウエルタ将軍がパラルを乗っ取りに来る→ビラは大統領に直訴→しかし大統領はビラにウエルタの指揮下に入ることを約束させる→コネホスの町を攻めるのにビラが先頭に立たされる→苦戦するが、アーノルドの協力で制圧→ウエルタがなぜかビラを逮捕、処刑しようとする→大統領からの指示で処刑が延期、裁判に。
大統領は軍としてウエルタを将軍に据える一方で、ビラの義勇兵たちにも理解を示し、ビラも大統領を信用していたが、そのウエルタが大統領を暗殺してしまう、という展開。
史実なのでこの展開は仕方ないのかもしれないが、最終的にビラは革命を成功させるのにそこは描かれていない。しかも、他の登場人物たちのサブエピソードなど、「とっ散らかっている感」が否めない。ブロンソン演じるフィエロはやたらと軍兵を射殺しまくるし、アーノルドと恋仲のはずのフィナはビラと結婚させられるし、そのビラが他の女と結婚すると落ち込むし。うーん、何が描きたかったのかよくわからない。
ラストは、もう革命は終わったと告げたアーノルドが、ビラたちにまた協力を示すことで、いかにもな西部劇のエンディングとなっているが、これだけじゃなぁ。
頭髪と髭のあるユルブリンナー、ミッチャム、ブロンソン、となかなかの俳優陣なのになんかイマイチな気がする。1960年代後半の西部劇はやっぱりこんなものなのか。