運び屋

●415 運び屋 2018

 2005年アールはデイリリーを育てる農家で、品評会で受賞をする。しかしその日は娘アイリスの結婚式の日であり、品評会を優先させたアールに家族は皆絶望する。アールはこれまでアイリスの卒業式などにも一度も出席したことがなかったのだった。

 12年後の2017年、ネット通販が普及したためアールの農場は破綻、家も差し押さえられてしまう。家を失ったアールは孫娘ジニーの家へ行き、彼女の結婚式前のブランチに参加しようとするが、そこへ来た元妻メアリーや娘のアイリスに拒絶され、ジニーの家から去ろうとする。そこへパーティーの出席者リコが街から街へ走るだけで金になる仕事を紹介すると連絡先を渡す。

 アールは紹介された場所へ行く。ブツを見ないこと、渡された携帯で連絡を取ることを条件に運び屋をすることになる。指定されたホテルに車を止め、1時間後に戻るとグローブボックスに車のキーと報酬が入っていた。その場で男からまた仕事がしたかったら連絡しなと言われるが、アールは一度きりの約束だと断る。しかし連絡先だけは受け取る。

 その頃麻薬取締局DEAでは麻薬取り締まりのために新しい捜査官ベイツが赴任、調査を開始する。彼は組織の末端にいるルイスという男を脅し捜査に協力させる。

 アールは受け取った報酬を孫娘ジニーの結婚式のパーティー代に使いパーティーに出席する。ジニーには感謝されるが、元妻メアリーはアールのことを許していなかった。

 アールは車を買い替え、2回目の運び屋をする。報酬で差し押さえられた家を買い戻す。行きつけだった退役軍人クラブへ行くと火事のため閉鎖されていた。そこで2万5000ドルあれば再建できると言われ、アールは3回目の運び屋をする。途中アールは初めて運んでいるブツが何かを確認、麻薬であることに気づく。その時パトロール中の警官に声をかけられるが、なんとかごまかし難を逃れる。

 その頃ベイツ捜査官はルイスから取引に使われているホテルの情報を得る。まさにアールがブツを届けているホテルだった。アールは報酬を退役軍人クラブの再建に使う。

 アールは運び屋の仕事を順調にこなし5回を数えていた。

 その頃組織のボス、ラトンは部下フリオを呼び出しアールに大きなブツを運ばせるよう指示する。フリオはアールに厳しく接し自分の命令を絶対に聞くように指示するが、アールはフリオを恐れなかった。ブツが大きいため、フリオはアールを尾行するが、その8回目の仕事でも、アールは途中パンクした車を手助けしたり、モテルに一泊したりする。さらに指示された場所とは違う場所へブツを届けようとし、慌てたフリオが相手を説得する。怒ったフリオはボス、ラトンに連絡するが、ラトンはアールが老人であるため仕事が上手くいっていると話し、アールを楽させてやれと話し、フリオは渋々納得する。

 ベイツ捜査官はルイスから運び屋のルートと黒い車である情報を仕入れる。

 9回目の仕事。アールは途中、白人しかいない店で食事をしフリオたちを誘う。店から出たところでフリオたちは警官に尋問される。しかしアールが自分の引越しの手伝いだと話し警官を納得させる。

 その頃ベイツ捜査官はブツの到着時間を知り、ハイウェイで怪しい黒い車を一斉に検問する。それでもアールは仕事を成功させる。

 アールは組織のボス、ラトンに招かれ彼の屋敷へ連れて行かれる。女をあてがわれ楽しんだアールだったが、フリオに組織を辞めるべきだとアドバイスするが、彼は聞く耳を持たなかった。

 ベイツ捜査官はブツのあるアジトを一斉捜索することに。

 アールは孫娘ジニーの美容学校の卒業式に出席、元妻メアリーと言葉を交わす。その時メアリーは体の不調を訴えアールは心配するが、すぐに治るとメアリーは話す。

 組織のボス、ラトンは部下グスタボに殺される。グスタボはラトンの甘いやり方に我慢できず、自分がボスとなることに。グスタボはフリオにアールの仕事をもっと厳しくさせるよう命じ、新しい監視役をつけることに。新しい監視役はアールを連れ出し、今後は時間厳守、命令の絶対服従を告げ、守れない場合は殺すと話し、それまでの監視役の死体を見せる。アールは命令を受け入れる。

 アールは次の仕事、12回目の仕事を請け負う。しかしベイツ捜査官も運び屋のルートや時間を入手していた。さらに運び屋がエイブ・モテルに泊まることも知りモテルへ。アールもそこに泊まっていたが、捜査官たちは別の男を怪しいと睨み逮捕する。翌朝、モテル脇のコーヒーショップでアールはベイツ捜査官と話をする。アールは仕事より家族を大切にしろとアドバイスをして別れる。

 車で走り出したアールの元へ孫娘ジニーから連絡が入る。元妻メアリーが危篤であると知らされすぐ来て欲しいと言われるが、アールは仕事があるため行けないと答えジニーはアールを非難する。アールは仕事を中断し、メアリーの家へ。最後の時間を過ごし、彼女を看取ることに。

 その頃組織では消えたアールを探していた。警察も彼を追っていたが、組織が彼が消えたことで焦っていることを知る。

 ベイツ捜査官はルイスから運び屋が120万ドルのブツとともに1週間以上姿を消していることを聞く。ベイツは運び屋を追っている組織の2人組を追うことに。

 メアリーが亡くなり葬式が行われる。アールは娘アイリスと和解する。アールがハイウェイを走っているのを組織の監視役が見つけ、アールを確保する。アールが元妻の葬式に出席していたことを知り、ボスであるグスタボに連絡する。ボスはアールを殺すように指示するが、監視役はもう一度走らせてはと提案、ボスも了承する。

 走り出したアールの車をベイツ捜査官が発見、確保する。ベイツはあんただったのかと呟く。アールの裁判が行われる。弁護士の発言中にアールは自ら有罪であると宣言する。娘アイリスに見送られ彼は刑に服する。

 

 イーストウッドの現時点での最新作から2つ前の監督作品。出演となると1つ前で6年ぶりの出演作のようだ。

 イーストウッド晩年の出演作というと、「ミリオンダラー・ベイビー」や「グラン・トリノ」の印象が強く、どちらも物語後半に予想外の大きな展開が待っていたが、本作はこちらの思っていた通りの展開で、なんとなく安心して観ることができた感じ。

 自分が好きな趣味のような仕事だけで生きて来た男が、晩年に家族の大切さに気づく、という本当にありがちなテーマ。話もその通りに展開していく。家族との繋がりを保つためにヤバい仕事に手を出すため、警察沙汰になりそうなスリルと組織に狙われるスリルがストーリーを盛り上げるが、新しくなった監視役が元妻の葬式に出ていたと告白するアールに同情しボスにもう一度運び屋をさせて欲しいと願うシーンでアレレとなってしまった。これでは何のための前振りか。死体まで見せたのに(笑

 まぁ先に書いたようにイーストウッドは「家族愛」を描きたかったのだろうから、この辺りは仕方ないんだろう。逮捕後のベイツ捜査官との会話や、裁判後の娘との和解などが一番描きたかったんだろうからなぁ。

 

 途中ちょっとハラハラさせるシーンもあった。フリオたちが警官に声をかけられアールが見せたいものがあるとトランクを開けるシーン、見せたかったものはブツではなくポップコーンだったけど。ベイツ捜査官とコーヒーショップで話し店を去ろうとした時にベイツから声をかけられるシーンも。アールが水筒を忘れただけだったけど。

 これもきっとイーストウッドのジョークなんだろう(笑

 

刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #05 白い麻薬組織の黒い手

●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #05 白い麻薬組織の黒い手

 

あらすじ

 スタハチはコカイン取引の現場に仲間の刑事とともに踏み込み、300万ドルのコカインの押収に成功する。しかし組織のボスから100万ドル分の横領を疑われる。スタハチは真相を探り出す。

 

ストーリー

 

 張り込みをするスタハチ。スタハチは別の場所で張り込んでいた仲間の刑事3人と連携を取り、麻薬取引の現場を抑える。2人を逮捕、1人は仲間の刑事が射殺、1人は取り逃がす。スタハチは仲間とともにコカインを発見する。この件はスタハチの情報屋から仕入れたネタが元だった。

 ドビー主任の部屋。ドビー主任はコカインが300万ドル相当のものであること、逮捕した2人が黙秘していること、黒幕のストライカーの逮捕に全力を尽くせと話す。仲間の刑事が死んだ男のことを聞くと、主任はエドワードクラウンだと話し解散するが、スタハチだけは部屋に止める。主任は情報屋ことりからもっとネタを仕入れろと話すが、スタスキーは話が違うと抗議する。しかし主任はその情報屋は17歳の女性の暴行事件でペンシルバニアで手配中であること、ストライカー逮捕に協力すればペンシルバニアに話をつけても良いと話す。

 スタハチはヒョロ松の店へ。そこには情報屋ことりがいた。ことりはネタを売ったことで手が切れたスタハチを避けようとするが、スタハチはペンシルバニアの件を持ち出しストライカー逮捕に協力させることに。しかし場所が悪いとことりは明日改めて会うことを要求し席を立つ。

 スタハチはスタスキーの家の駐車場へ。そこで組織の人間に待ち伏せをされる。ストライカーもそこにおり、彼はスタハチが横取りしたコカインを金で買い取ると話し出す。事情がわからないスタハチが話を聞くと、ストライカーは400万ドルのコカインがあったはずが、押収されたのは300万ドル分であり、100万ドル分をスタハチが横取りしたと思っていた。48時間待つので100万ドル分のコカインを持って来いと話す。

 翌日スタハチはドビー主任から、内部調査部は、捜査に関わった5人、スタハチ、キャロウッツ、バーク、コーマンを疑っていると知らされる。それを聞いたハッチは、自分たち以外の3人はベテラン刑事であり家族もいる、彼らのキャリアに傷がつくのは致命的だと反論、スタスキーは(コカインを)横取りしたのはストライカーだから自分たちが取り戻すと話す。それを聞いた主任は二人を捜査から外すつもりだったが、スタハチにストライカーと同じ48時間の猶予を与える。最後にスタスキーはストライカーが喋った「俺たちに二の舞は踏むな」とは何のことだと主任に尋ねる。主任はエルモ・ジャクソンの名前を挙げ、彼が自分の相棒であり、ストライカーの捜査中に死体で発見されたと話す。

 スタハチはハッチの車でパトロール中に情報屋ことり、クランドールが動き出したとの連絡を受け現場へ向かおうとするが、車に幅寄せされ止められる。相手は麻薬捜査を一緒にした3人の刑事だった。彼らは100万ドルのコカインを奪ったのがスタハチだと思い文句を言いに来たのだった。スタハチは邪魔が入ったためクランドールと会うことを諦める。

 その頃ストライカーの部下ロジャースが昨日クランドールがスタハチに会っていたことを突き止めストライカーに報告、彼はクランドールを拉致して話を聞くことに。

 その頃クランドールは小屋で刑事二人と会っていた。クランドールは刑事から言われ横取りしたコカイン2袋を隠し場所から取り出し、自分の分け前の1袋を貰おうとするが、刑事は拳銃を出しクランドールを殺す。彼らはクランドールがストライカーに捕まれば自分たちのことをバラすことを恐れていた。

 その頃スタハチはクランドールとの待ち合わせ場所にいたが、彼は現れず、ハッチの車のことで言い争いをする。そこでハッチはまた犬を見る〜3回目。その時無線で現場へ急行するよう指示が来る。スタハチが駆けつけるとそこにはドビー主任がいて、クランドールの死体があった。殺され方からスタスキーはシンジケートのやり方、ストライカーの仕業だと話す。ハッチが小屋を怪しいと考え二人で中へ。そこで血痕とコカインを発見する。スタハチはストライカーの兵隊がクランドールの後をつけ、殺しを行いブツを取り返したと考える。クランドールを失ったことで捜査が難しくなった一方で、ストライカーがコカインを取り戻したことでストライカーも落ち着くと話す。

 その頃ストライカーの部下がクランドールが殺されたことをボスに報告する。ストライカーはスタハチの仕業だと考え、二人がコカインを返すつもりがないと判断、部下にクランドールの家を見張り、スタハチを殺すように指示する。

 署に戻ったスタハチは刑事たちとともに拳銃の弾痕検査をするように指示される。黒人とコーマンは非番でマス釣りをしに行くと言って去って行く。スタハチはドビー主任からクランドールの家の住所を聞き捜査しに行く。

 クランドールの家の向かいのビルの屋上で組織の殺し屋が待っていた。クランドールの家を家捜ししたスタハチは建物から出て来る。殺し屋がライフルの照準を合わせた時、ハッチはまた犬を見かけしゃがみこむ。その時ライフルが発砲され殺し屋の狙いは外れる。二人は殺し屋を見つけ、向かいのビルに駆け込むが殺し屋は車で逃走する。

 スタハチはヒョロ松の店へ行き、自分たちを狙った犯人を尋ねる。ヒョロ松はストライカーだと答える。そんなはずはねぇとスタスキーは言うが、ハッチはきっとコカインを取り戻していないんだと気づく。さらにクランドールを殺したのもストライカーでないことも。そして殺したのは警官だと気づく。

 ストライカーの部下が殺し屋がミスったことをボスに報告、自分でスタハチを殺すと話す。

 その頃コーマンと黒人はコカインの処分についてモメていた。コーマンはコカイン取引の倉庫で拾った拳銃を持っていた。その頃スタハチはドビー主任から拳銃の弾道検査の結果を聞いていた。クランドールが撃たれた弾道とコカイン取引の際コーマンに撃たれて死んだ男クラウンが持っていた銃の弾道が一致していた。主任は刑事の誰かが、コカイン取引の現場で銃をくすねてクランドールを撃ったんだと話す。3人は真相に気づく。その時ヒョロ松から電話が入る。スタスキーが出ると、ヒョロ松は「スタさんに替わってくれ」と話す。スタスキーが「俺だバカ」と話してもヒョロ松は「だからスタさんに替わってくれよ」と答える。異変に気付くスタスキー。ヒョロ松は伝えたいことがあるから店に来てくれと話す。ヒョロ松はストライカーの部下に銃で脅されていたのだった。

 スタハチは急いでヒョロ松の店へ。2階へ上がると慎重にドアの外から声をかける。しびれを切らしたストライカーの部下が飛び出して来たところで銃撃戦となり、部下を捕まえる。スタハチは部下の一人に対し容疑を並び立て、ストライカーのこと、エルモジャクソン刑事のことを聞き出す。

 スタハチはストライカーの事務所へ乗り込む。ドビー主任も来て、殺人容疑で彼を逮捕する。それでもストライカーはコカインの行方を気にする。スタスキーは俺たちじゃねぇよと答え部屋を出て行く。主任がどこへ行くんだと声をかけると二人はマスを釣りに行くと答える。

 スタハチはコーマンたちの別荘へ。コーマンたちにクラウンの銃はどこへやったと尋ねる。それを聞いたコーマンたちはスタハチを脅すが、ハッチはマス釣りはまだ解禁になっていない、スタスキーはそれでよく刑事が勤まるもんだぜと言い放つ。コーマンたちが銃を抜こうとして乱闘になる。スタスキーは逃げようとした黒人を捕まえ、ハッチはコーマンを撃ち殺す。コカインのありかを聞き出し、スタスキーは主任に連絡を入れる。

 ヒョロ松の店でスタハチとドビー主任が食事をする。そこへヒョロ松がやって来て、店の2階の修理代は誰が払ってくれるのかと主任に聞く。それを聞いたスタハチは逃げ出そうとするが、そこで店内にいた例の犬を見つけ、呼び寄せる。それを見てヒョロ松が文句を言うが…

 

今回の登場人物など

コカイン取引の現場に現れた犯人たち

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スタハチとともにコカイン押収した刑事たち

左 コーマン(犯人を射殺) 右 キャロウィッツ

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左 バーク 右 コーマン

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スタハチの情報屋ことり=クランドール

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コカインを押収された組織のボス ストライカ

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ストライカーの部下

左 フレディ 右 ロジャース(ライフルでスタハチを狙う殺し屋)

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ハッチが見る犬

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今回の捜査

コカイン取引見張りのための家

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2階のハッチに食い物を投げるスタさん それを受け取るハッチ

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コカイン押収の現場、スタハチが二人ともサングラスをかけている

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コカイン横領を疑われ、仲間の刑事に文句を言われる

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今回の犯行現場

クランドールがコーマン刑事とバーグ刑事に脅され殺される

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今回の狙撃

左 スタハチをライフルで狙撃するロジャース 右 危うく逃れるハッチ

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左 狙撃に気づき車の影に逃げ込むスタハチ 右 屋上に出るスタハチ

(右 画面右の道路で向こうへ逃走するのがロジャースが乗った車)

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今回のスタハチの会話

 ドビー主任から促されクランドールからストライカーのことをさらに聞き出そうとするスタハチ。クランドールに会う直前にお互いの役割を決めようとするが…

 

ハ「どっちで行く?」

ス「たまにはお前悪役やれよ。飽きたぜ」

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 もう一つ。今回珍しくハッチの車で捜査に出る(ストライカーに目をつけられたためだと思われる)が、スタさんがハッチの車に対し文句を言う。

 

ス「ポンコツよりひでぇなぁ、この車は。いつ直すんだよ。ギシギシ言ってら。表に響くな」

ハ「小さなもんさ」

ス「耳くそが詰まってるんじゃないか」

ハ「そんなに嫌なら後ろから走って来いよ」

 

さらに、スタさんがハッチの車の窓開け用のレバーを壊してしまう。

レバーを壊したスタさんがハッチに

ス「俺の叔父貴の中古車屋へ行ってみな。見るだけでいいんだからよ。(中略)エンジンだってな、お前、改造してバッチリパワーアップして…」

ハ「お前のみたいに下品なバケモノに乗れってのかい」

ス「おい、下品ななんだと」

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今回のヒョロ松

 ストライカーの部下フレディーはスタハチをおびき寄せるためにヒョロ松を脅す。ヒョロ松の店の2階に到着したスタハチはフレディーたちと会話をする。

 

部下「スタスキー、ハッチ、いいから入れよ」

ハ「出て来い。話は外で聞こう」

部下「ダチを殺したくないんなら、入ってきな」

ス「(手ぶりでハッチに部屋へ入れと指示する)」

ハ「冗談じゃねぇや」

ス「ダチだと。ハギーが?どうとでも好きにしてくれよ」

ハ「用があるなら、そっちから出て来い」

 

左 ヒョロ松との会話でコカイン横領したのが刑事だと気づくスタハチ

右 ストライカーの部下フレディーに脅されて電話するヒョロ松

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今回のドビー主任

自分の相棒エルモ・ジャクソンがストライカーに殺されたことを話す主任

「ワシはあいつとお前たちみたいな相棒だった。ストライカーの捜査中にあいつが死体で発見された」

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最後にスタハチはストライカーを逮捕する。手錠をかけようとしたハッチだったが、ドビー主任に声を掛け、主任が手錠をかける。

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今回のラスト

 事件を解決、ヒョロ松の店で主任やヒョロ松と話したスタハチは、店の中でハッチが何度も見かけた犬を見つけて声を掛ける。店の中に犬がいることに文句を言うヒョロ松だったが…

 

ハ「オレのワン公だ。おいで。よく来たな。俺の命の恩人だぜ」

ヒ「店の中へワン公なんて連れ込んでなんだよ。ここは食い物屋なんだぜ。役所にどやされるぜ」

ハ「ワンちゃん?そんなもんどこにいる?(スタさんに)お前見えるか」

ス「ワン公見えねぇなぁ」

ヒ「またまた、ここにいるじゃねぇのよ」

ス「何もいねぇよ。お前また頭ボケたんじゃないか」

ハ「最近は酒が切れるとこうなんだ」

ス「全く、歳はとりたかねぇや」

ハ「なのに若作りしてさ」

ス「あぁみっともねぇ」

ヒ「負けたよ」

ス「よっ、愛してるぜ」

ハ「命の恩人だ」

 

 

今回のまとめ

 前回の第4話がハッチがシャブ漬けになる話で、今回がコカイン押収の話。繋がりがあるように思えるが、全く関係ない。今回のメインは仲間の刑事がコカインを横領してしまうという警察内部の犯罪。

 冒頭のコカイン取引の現場を抑える場面で、珍しく仲間の刑事が3人もいると思ったら、この展開のためだった。話がちょっとわかりづらかったのは、仲間の刑事はスタハチ以外に3人いたが、どうやらコカイン横領をしたのはそのうちの2人、コーマンとバークだったというところ。もう一人は無関係だったらしいが、それについては最後までわからない。

 

 今回のもう一つのポイントはハッチが偶然見かける犬。都合4回登場する。1回目はヒョロ松の店の前で。2回目はクランドールと話した後。3回目は狙撃の時で、この時初めてスタさんも犬を目撃する。4回目はラストのヒョロ松の店で。

 

 今回も吹き替えから。ラスト、ストライカーを逮捕する際、ハッチが手錠をかける役目をドビー主任に任せるが、その時にハッチが主任に声を掛ける際に言ったのが、「親父さん」だった。相変わらず、ドビー主任の呼び名は数が多い。もちろん「親父さん」もよく似合っている。

 

 これは吹き替えの問題なのかどうかわからないが、ゲストキャラの名前がよくわからなかった。

 一人目は、ストライカーの部下〜ヒョロ松を脅しスタハチを呼び寄せる男。ドラマ中彼の名前が呼ばれることはなかったと思う。最後の字幕で Freddie Jim Bohan とあり、俳優名で検索をかけ画像からフレディだと判明。

 もう一人はコカインを横領する刑事の片割れ。一人は劇中でコーマンと呼ばれるが、もう一人の黒人刑事の名前が呼ばれない。これも最後の字幕で Burke Paul Benjamin とあったので検索で判明。

 

 今回は警察内部の犯罪だったが、スタハチが組織からも狙われ、仲間からも疑われで大忙しで、組織内犯罪にありがちな暗いイメージにはならなかった。

 ひょっとして、ハッチの車をめぐるスタハチの面白会話もそれを狙ったものだったのか。不思議な犬が登場したのもそれ狙いなんだろうか?

 

 今回改めて気づいたが、スタスキー&ハッチは、残酷なシーンを画面に登場させない。今回で言えば、クランドールが悪徳刑事2人に殺されるが、脅されるシーンで終わる。3話でも女性の暴行殺人が起こるが、襲われるシーン直前で画面は切り替わる。スタハチ2人の活躍がメインであるためだろうが、なかなか細かい気遣いだと感じる。

 

 

 

 

 

 

本能寺の変 431年目の真実 明智憲三郎

本能寺の変 431年目の真実 明智憲三郎

 明智光秀の末裔を名乗る著者による、本能寺の変の真相に迫った話題作。

 戦国武将に関する本を何冊か読んでいる途中で、この本を原作としたマンガを読む機会があったため、原作を読んでみようと思ったので。

 

 とにかく参考資料の数が膨大。とっかかりの事例が、光秀の辞世の句。一般的に知られている句と本当の句の違いを資料から証明し、それがなぜかを解き明かして行く。そこで秀吉の書かせた本が根本にある、と述べ、なぜ秀吉が間違った情報を後世に伝えたかを書いている。ここで「あぁなるほど」と思わせる。

 続いて光秀謀反の動機を探る。そこでは土岐氏再興、長宗我部の危機、信長の大いなる野望と改革が描かれる。そして最後に本能寺の変の真相として、信長、光秀、家康、秀吉のそれぞれの企てが明かされる。

 

 辞世の句あたりでは、なるほどと思わせるが、謀反の動機や各人の企てのあたりまでくると、資料が膨大になり、詳細な説明が省かれ、著者の推論が唯一の答えのように書かれ、それに基づいてさらに論が進められて行く。

 著者の推論が圧倒的に誤りであるとは思わないが、後半の論理の展開は強引さは否めないかなぁ。むしろ推論がこれまでの論とは異なることが多いため、そんな考え方もあるのかと思わされるところは、読み物としてはとても面白かった。

 

 タイトルのつけ方が上手かった、と思わせる一冊。

 

フィールド・オブ・ドリームス

●414 フィールド・オブ・ドリームス 1989

 レイ・キンセラは36歳。アイオワで妻と子供と暮らし、妻の提案でトウモロコシ農場を営んでいた。ある日彼は「造れば彼がやってくる」という声を聞く。妻や知り合いにもそのことを話すが、皆彼のことを変な目で見始める。しかし彼はその声を何度も聞くことに。言葉の意味がわからなかったが、彼は農場に野球場とシューレスジョーの幻影を見て妻に野球場を作る計画、父親は夢を何も実現できずにいたこと、父のようにはなりたくないことを話す。妻も計画に賛同する。

 レイは農場を潰し野球場を作り始めるのを見て近所の人々は呆れる。野球場は完成するが、何も起こらずに月日が経つ。

 農場を潰したことでキンセラ家の家計は苦しくなってくる。そのことで夫婦喧嘩をしている時に娘が野球場に人がいると話す。外へ出て見るとそこにはシューレス・ジョーがいた。レイは彼と野球をする。ジョーは野球界を追放されて以来初めて野球をしたと話し、仲間8人を連れてくると約束してトウモロコシ畑に消えて行く。

 翌日妻の家族が農場を潰したことで家計が苦しくなったレイ達を心配してやってきて、農場を売れと話すがレイは断る。外ではジョーが仲間を連れてやってきていた。妻の家族は帰る際に野球場を見にくるが、彼らには選手達の姿が見えていなかった。

 そこでレイは「彼の痛みを癒せ」という声を聞く。彼はまたも意味がわからずにいた。妻が娘の学校で開かれるPTAの集会に参加しレイも付いて行く。そこではテレンス・マンの本が有害図書としての扱いを受けており、妻は反対意見を述べる。レイはそこで「彼の痛み」の彼とはテレンス・マンであると考え、彼のことを調べ始める。妻は家計状況も鑑み反対するが、夫婦で同じ夢も見ていたことを知り賛成する。そしてレイは彼に会いにボストンへ行くことに。

 なんとかマンに会えたレイだったが、彼は自分の過去の著書のことで苦しんでいた。レイはマンを野球場へ誘う。そこでレイは「最後までやれ」という声を聞き、スコアボードに「アーチボルト・ムーンライト・グラハム ミネソタ州チザム 1922年」という選手のデータが表示されるのを見る。レイとマンは野球場を後にする。レイはマンを送ろうと考えるが、マンも声を聞き、スコアボードの表示を見ていた。二人は一緒にミネソタ州のチザムへ行き、グラハムを探し始める。

 地元紙の事務所やグラハムの知り合いから、グラハムがもう死んだこと、晩年は地域の人々に愛される医者として活躍していたことを知る。二人はモテルに泊まる。そこで新聞にマンの父親がマンのことを探している記事を見つけ、マンは電話をすることに。レイは街へ散歩に出かける。レイはそこが1972年の街であることに気づく。そして歩いているグラハムを見つけ声をかけ、彼の診療所へ行き話を聞く。グラハムはメジャーの選手となったが、1試合しか出場せず打席には立てなかったことを悔やんでいると話す。レイは彼を自分の球場へ誘うが、グラハムは今の生活が大事だと断る。

 レイはモテルに帰り事情を説明、なんのためにここに来たのかと話すが、マンは「1イニングが人生を変えた実例を見に」来たと説明する。グラハムがヒットを打っていたら、野球を続けここにはいなかったと話す。マンは例の妻から連絡があったことを告げる。レイが家に電話すると弟が農場を売らないとここに住めなくなると言われたと告げる。レイは家に帰ろうとするが、マンが一緒についてくる。

 二人はレイのいえへ。途中ヒッチハイクする若者を乗せる。彼は野球をやりたがっており、名前はアーチー・グラアムだと名乗る。

 レイ達が家に帰ると野球場にはジョーが多くの仲間を連れて来ており、試合をするところだった。グラハムもジョーに言われ試合に加わる。そして打席に立ち、犠牲フライで1打点をあげる。

 翌日野球場で試合が行われる中、妻の弟がやって来て農場を売るように催促、レイは断る。二人は口論となるが娘がみんなが野球を見に来て入場料を払うから大丈夫だと話す。弟とレイはさらに口論をし、その際娘が観客席から落下し気絶してしまう。救急車を呼ぼうとする妻をレイは止める、若きグラハムが老いた姿に戻り観客席へやって来て娘を診察、娘は意識を取り戻す。それと同時に弟にも選手達の姿が見え始め、彼は農場は絶対に売るなと前言を撤回する。グラハムは老いた姿のままトウモロコシ畑に去って行く。

 ジョーが今日はここまでだと話し選手達と去って行く。その時ジョーはマンに声をかける。自分も一緒にと望むレイだったが、招かれたのはマンだけだった。マンは向こうの世界のことを書くと話しトウモロコシ畑に去って行く。

 最後にジョーも去って行くが、その時グラウンドに一人の選手が。それはレイの父親だった。二人は言葉を交わしキャッチボールを始める。

 

 随分と昔に見た記憶があり、コスナーが天啓を受け野球場を作ってシューレスジョーが来る話だったなぁ、と思い出していたら、それは冒頭の20分で終わってしまった(笑

 ここからは完全にファンタジーの世界なのだが、テレンス・マンに会いに行く下りが現実の世界に引き戻してくれる。自分の過去の著書のことを悔やんでおり、人との接触を拒んでいるマンがあまりにリアル。しかし野球場でレイと同じ声を聞きレイの探索に加わり、またファンタジーの世界へ入って行く。

 グラハムのエピソードが現実とファンタジーのバランスを上手く取っている。老人グラハムは、メジャーリーグでの夢と現実を語り、さらに医者としての人生を大切にしている。レイの誘いも断り、映画としての展開がどうなるのかと思っていたら、若者グラハムが登場、ジョー達とプレーを一緒にする。老人グラハムはバート・ランカスターなのね。このブログでは「アパッチ」ぐらいしかまだ見ていないけど、子供の頃から名前だけはよく知っている俳優さんだ。

 バランスという意味では、レイの農場を売るように促す弟のエピソードも良い。農家が農場を潰してやっていけるわけないもんなぁ。しかも弟には選手達が見えていないという設定も良く、最後に弟にも選手達が見えたシーンはレイの妻と同様、笑いが起きる。

 全体を俯瞰して見れば、「大人のおとぎ話」になってしまいそうな話だが、アメリカ人にとっての野球がどれだけ精神的に大切であるかが根底にあるので、ギリギリ名作になっている。コスナーが出演する映画はいつでも良いテーマを持っている。

 途中のセリフも良い。妻がジョーを見たレイに「コーヒーを入れておくわ」と話すシーン、娘を治療しトウモロコシ畑に去って行く老人グラハムにジョーが「ナイスプレー」と声をかけるシーン。センスの良さがわかる。

 

 今年(2021年)夏、映画製作から20年以上が経っているが、MLBであの野球場の脇に本物の野球場を作り、本物のMLBの試合が行われたようだ。さすがアメリカ、といったところか。

 

スペース 加納朋子

●スペース 加納朋子

 加納朋子の駒子シリーズの第3作。2章立ての長編。

 1章では、前作終わりのクリスマスから1週間ほど経った大晦日、駒子は瀬尾さんと意外なところで会い、手紙を読んで欲しいと頼む。その手紙とは10数通ある一方通行の手紙だった。そこに書かれた手紙の謎を瀬尾さんが鮮やかに見抜く。

 2章では、前章で書かれた手紙の書き手目線で、手紙に書かれた時期の生活が描かれる。手紙で書かれた内容はもちろん、手紙には書かれなかった内容、気持ちも時系列で描かれて行く。1章で読んだ手紙の内容を別角度で改めて見直すことになるが、そこには意外な謎が隠されていた…。

 

 前作「魔法飛行」から11年後に書かれた第3作。前作があまりに傑作だったため、期待して読んだのだが、これは期待はずれと言わざるを得ない。2章立ての1章目は、手紙が主となる。駒子が瀬名さんに読んで欲しいと言った後に記載される手紙のため、当然駒子の書いたものと思い読み始めるが…。あちらこちらに駒子ではないと思われる記載があり、どうやらこれは駒子ではない人間が書いた手紙だと気づく。そして瀬名さんによる謎解きへ。あーなるほど、と思える内容。

 2章目は駒子ではない主人公目線で話が進んで行く。そして意外な再会があり、1章目のラストで瀬名さんが説いた謎解きの真実が描かれる。さらにラストではシリーズに関わる大きな謎が明かされる。2章目のための前振りとしての1章目、といった感じ。そこで2つの謎が明かされるのだが、どちらもそこに必然性はなく、読者を驚かせるためにだけ作られた謎のように感じてしまい、驚きはあったが、あまりに都合の良すぎる展開だと思ってしまった。

 うーん、期待していただけに残念。

 

クリムゾン・タイド

●413 クリムゾン・タイド 1995

 ロシアでラドチェンコが反乱を起こしミサイル基地を制圧、日米への核攻撃を示唆する。海軍のハンターに召集がかかり、潜水艦アラバマの副長に任命される。艦長はベテランのラムジー

 食事での会話や火災時にラムジーが訓練を開始したことなどでハンターとラムジーは意見が異なり、ハンターは意見するがラムジーは指揮系統を重視し部下の前での意見するなと命令する。

 出航して6日目、艦にEAMが届く。内容はロシアの反乱軍に核ミサイルの発射コードが漏洩したとのことだった。

 12日目、ロシアのものと思われる潜水艦を発見、同時にEAMでミサイルの発射命令が届き、艦内に緊張が走る。敵艦との戦いと同時に発射準備を進めるが、さらにEAMが届く。しかし潜行していたためEAMの受信は途中で途切れてしまう。敵艦の攻撃を何とかかわしたがm最後のEAMのメッセージが完全でないことから、ハンターはラムジーのミサイル発射指示を承諾しなかった。ミサイル発射には艦長と副長二人の同意が必要なため二人は口論となるが、ハンターは規定に従いラムジー艦長を解任、監禁することに。

 ハンターはEAMの受信を最優先するが、敵艦がまた現れ戦闘となる。敵の魚雷を回避し撃沈することに成功。しかし敵艦が最後に放った魚雷でアラバマは動力源故障、浸水などの大損害を受ける。復旧作業をしていた作業員が死亡する事故も発生するが、沈没寸前に復旧し難を逃れる。

 そんな中、ラムジー艦長に同意する乗組員が監禁されている艦長と対面、ラムジーは少数で武器を携帯し発令所を制圧することに。ハンターたちは監禁されてしまう。ラムジーはミサイル発射の準備に。ハンターが鍵を預けていた乗組員がハンターたちを見張っている乗組員を倒しハンターたちは救出され発令所へ。

 ハンターは途中ミサイル発射の操作者であるウェップスを説得しつつ発令所へ。ミサイル発射の準備が整い、ラムジーは発射指示をするがウェップスは指示に従わなかった。そのためラムジーたちはウェップスの元へ。その隙にハンターたちは発令所を制圧し、発射のロックを解除する。ラムジーはウェップスを脅し発射操作をしようとするが、ロックが解除されていることに気づき発令所へ。そこでラムジーとハンターは再度口論となるが、そこへ無線が復旧しそうだと連絡が入り、それを待つことに。

 無線が復旧、EAMが受信される。内容はミサイル発射命令の中止だった。ラムジーはハンターにあとを任せ部屋へ戻る。

 本部に戻った二人は査問会に呼ばれる。本部は二人の行動についてどちらも正しくどちらも間違っていたと話し、今後についてラムジーは艦長を退役、次期艦長はラムジーの推薦も受け、ハンターと決まる。

 

 戦争勃発直前状況下での潜水艦内を描いた作品。当然のことながら「眼下の敵」が思い起こされるが、劇中で乗組員たちが「眼下の敵」のことを話しているのには笑ってしまった。

 「眼下の敵」では敵対する国の駆逐艦と潜水艦の戦いであり、それぞれの艦長の頭脳戦と描いたものだったが、艦長二人は実は戦争そのものを嫌っているという設定があった。本作でも敵国の潜水艦との戦いも描かれるが、メインは艦長と副長との対立であり、その思想の違いが原因となる。

 ラストの査問会の判事が述べたように、どちらの言い分も正しく、間違っていると思える。つまりこの時点での軍法が間違っていたということで、映画のラストでは現在はミサイル発射の決定権は大統領のみに委ねられている、というメッセージが流れる。そうだよなぁ、一軍人にそこを委ねられても…というのが正直な思い。

 映画としては、「眼下の敵」のような過去の傑作がありながら、設定や対立軸を変えることで新たな「潜水艦モノ」を作り上げた本作は素晴らしい。しかも「対岸の火事」として描くのではなく、現在の世界情勢から見れば決して「対岸の火事」ではないと思わせた設定も見事。冒頭とラストで流れるのが、フランスのTVニュースというのもそれを意味するのだろう。

 

刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #04 地獄のトリップからの脱出

●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #04 地獄のトリップからの脱出

 

あらすじ

 スタスキーは組織のボス、フォレストの女ジェニーと付き合っていた。フォレストはジェニーを奪還すべくハッチを拉致、ジェニーのことを聞き出すためにハッチをシャブ漬けにして情報を聞き出し、ジェニーを連れていく。ハッチは殺されそうになるが、なんとか逃げ出しスタスキーが確保する。シャブ中毒から抜け出すためにハッチは地獄の苦しみを味わう。

 

ストーリー

 夜、スタハチは容疑者を捕まえ警察へ戻る。スタスキーに事務仕事を任せ、ハッチは電話をする。相手は若い女性、約束をしていたが捜査で電話もできずにいた。相手の女性は怯えており自分のことをスタスキーにも話さないようにハッチに頼み、ハッチのその通りにしていた。その電話をドビー主任に聞かれていて、ハッチはスタスキーに仕事を任せ女性の元へ。

 ハッチは自宅に戻り拳銃を外し着替えをしている最中に悪漢に襲われる。彼らは密かにハッチを連れ出しアジトに運ぶ。その頃ハッチの電話の相手の女性はハッチを待っていた。ハッチの家へ電話するが、誰も出なかった。

 捕まったハッチは組織に捕まり拷問を受けていた。組織は電話の相手、ジェニーの居所を知りたがっていた。ハッチはスタスキーの名を語ったりしてとぼけるが、拷問を受け続ける。ジェニーは組織のボス、フォレストの女で、彼はジェニーを奪い返そうとしていた。部下たちはたかが女一人のこと、相手が刑事であることから、この仕事にあまり乗り気のでやり方に反対するが、フォレストはハッチをヘロイン中毒にしろと命じる。ハッチはヘロインを打たれてしまう。

 翌日警察でドビー主任がスタスキーにハッチの無断欠勤を咎めるが、スタスキーもハッチの居場所を知らなかった。その頃アジトではハッチがヘロインを打ち続けられていたが、ジェニーの居場所は吐かずにいた。スタスキーはヒョロ松の店へ行き、ハッチの行方を聞く。するとヒョロ松の店でハッチの女ジェニーが働いていたが、ある時ジェニーの様子がおかしくなり、ハッチが勝手に勤めを辞めさせたことがわかる。

 スタスキーは行方のわからないハッチの家へ。そこで脱ぎ捨てた服やホルスターが残されていたことを発見する。スタスキーはハッチのことをドビー主任に報告、主任は最初相手にしないが、スタスキーの真剣な態度にハッチのことを捜査するように全署員に指令を出す。1310

 その頃ハッチは完全にヘロイン中毒になっており、ジェニーのことをバラしてしまう。スタスキーは街にいた酔っ払いの情報屋ミッキーから情報を得ようとするが、彼は何も知らないと答える。1514 

 ジェニーの家へボスが。ジェニーはなぜわかったかと聞くとボスはハッチに教えてもらえと答え、ジェニーをシャブ漬けのハッチに会わせる。ジェニーはハッチを返してあげてと頼み、ボスの言うことを聞くと告げる。ボスはジェニーを連れて行き、残った部下たちはハッチを車に乗せて海へ。彼らは海へハッチを投げ捨てるつもりだったが、ハッチは車内で暴れ出し車から脱出、偶然パトカーが通りかかり追っ手を巻くことに成功、指示を受けていたパトカーがハッチを確保、知らせを聞いたスタスキーはハッチの元へ駆けつけ、事情を察したスタスキーは現場にいた警官を黙らせヒョロ松の家へハッチを連れていく。

 ヒョロ松の店の2階へハッチを連れ込み、ヒョロ松の助けも借りて、ハッチに禁断症状と戦わせる。

 ジェニーはボスに囲われていたが絶望していた。ボスは部下にハッチを殺すことを命令する。

 スタスキーはシャブを忘れさせるためにゲームなどをするが、ハッチのシャブ要求は止まらない。ヒョロ松が、ハッチのことを嗅ぎ回っている男たちのことを知らせにくる。スタスキーはハッチをなだめるが、ハッチの暴走は止まらず、手当たり次第ものをぶち壊す。2910それでもスタスキーは冷静にハッチから話を聞き出す。3009

 組織の部下たちがレストランで会う。ハッチを逃して慌てる部下たちだったが、ハッチはシャブ漬けのため警察に言えないはずだと考える。彼らは情報屋のミッキーを使ってハッチをさらった奴を知っていると噂を流すことにする。

 スタスキーはヒョロ松の店の2階でハッチを見守っていたが、ハッチが寝ている間にドビー主任に連絡を取り、ハッチのことを嗅ぎ回っている奴らの車のナンバーを調べてもらい、モンクという名と住所が判明する。ハッチにシャワーを浴びさせ、ハッチのことをヒョロ松に頼み、スタスキーはモンクの元へ。入れ替わりにドビー主任から電話が入り、ミッキーからハッチのネタをつかんだと言ってきたとスタスキーに伝えてくれとヒョロ松へ伝言する。

 シャワーを浴びたハッチがスタスキーの行方を聞き、ヒョロ松からドビー主任からミッキーが会いたがっていると連絡が入ったことを知らせる。それを聞いたハッチはヒョロ松にタクシーを呼ぶように頼む。ミッキーは組織の男と酒場にいた。男はモンクに連絡をする。ハッチは酒場にタクシーで乗り付けミッキーと会う。スタスキーはドビー主任から聞いた住所へ行き見張る。男が車で出かけるのを見て跡をつけようとするが、他の車に邪魔され男を見失ってしまう。その時ドビー主任からミッキーの件で連絡が入り、スタスキーは急いでミッキーの元へ。ミッキーと話していたハッチは気を失いかけ、組織の男に拉致されそうになるが、逃げ出す。そこへスタスキーが来て男を車で引き飛ばし、モンクと銃撃戦となり倒し、ハッチを助ける。

 屋敷から出かけようとするフォレストとジェニー。フォレストはジェニーがしけたツラをしているのを怒る。そこへスタハチが来てフォレストを逮捕する。フォレストはジェニーに過去をハッチに教えてやれと負け惜しみを言うがスタスキーに連行される。

 ハッチはジェニーにここにいろ、迎えに来ると話すが、彼女は障害が多すぎると話し、ハッチは別れるならキレイに別れようと話す。

 

 

今回の登場人物など

ハッチの恋人であり、ボスの元愛人ジェニー(右はボスに捕まった後)

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組織のボス、フォレスト

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フォレストの部下 モンク(左)とその部下(右)

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情報屋ミッキー(右は組織に頼まれハッチと会った時)

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今回のハッチの家

 ハッチが組織に拉致されるために、ハッチの家が登場する。

ハッチの家の外観(左)と室内のベッド(右)

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帰宅後、ホルスターを外すハッチ(左)と殴られ気絶するハッチ(右)

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スタスキーがハッチの家を訪ねる ハッチとジェニーの写真

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今回のハッチ拉致、シャブ漬けシーン

拉致され、シャブを打たれる

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ヒョロ松の家でシャブ漬けから抜け出そうとするが

シャブをスタさんに要求、家の中で暴れるハッチとなだめるスタさん

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やっと落ち着いたハッチとそれを見守るスタさんとヒョロ松

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今回のドビー主任

スタさんからの電話でハッチが復活したと聞き、喜ぶドビー主任

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今回の現場でのスタハチ

まだ回復していない体で逃げたハッチとそれを見て笑うスタさん

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壁の上から助けられたハッチと支えるスタさん

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今回の別れのシーン

ラスト、ジェニーとの別れを決めるハッチ

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今回のスタスキー

 ドラマ冒頭、容疑者を連れ署に戻ったスタさんはチョコを買うために自販機へ。ハッチは仕事をスタさんに頼み、部屋へ入ろうとする。小銭がないスタさんはハッチへ声をかける。

 

ハ「おいスタさん頼むぜ、俺は電話するから」

ス「10セントくんな」

ハ「なんだよ」

ス「チョコレート食いてえけど足りねえの。小銭がありゃお前も食えるぞ。(ハッチからコインをトスされ受け取る)チョコってのはよ、元気が出るんだ」

 

小銭を受け取ったスタさんだったが、それを使わずに自販機を蹴飛ばしチョコをゲットする(笑 自販機を蹴飛ばすシーン、右にいるのは手錠をかけられた容疑者

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 このチョコにこだわるスタさんの行動は、導入部の軽いギャグのように見えるが、シャブ漬けになり弱り切っているハッチに、チョコを渡そうとするシーンがあり、ほろっとさせる〜冒頭の「チョコってのはよ、元気が出るんだ」の意味がここに。さらにラストシーンでもチョコはキーワードになる。

 

今回のスタハチの会話

 シャブ漬け状態からやっと抜け出したハッチ。顔を見てそれがわかったスタさんが声をかける。ヒョロ松もその会話に参加。

 

ス「良かったな」

ハ「安楽死したかったよ」

ス「フフフ。絞め殺そうとおもったんだけどよ、ヒョロ松がウンって言わねえの」

ヒ「そうだよ。なぁシャワーでも浴びたら。アンタんち行って着替え持ってきたぜ」

 

今回のお笑いシーン

 ジェーンとの別れを告げ、スタさんの元へ歩み寄る元気のないハッチ。そんなハッチへスタさんが声をかける。

 

ス「大丈夫か」

ハ「あぁ」

ス「(少し間を置いて)チョコ食うか」

ハ「(笑い出す〜エンディング)」

 

写真は思わず笑い出すハッチ

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 ハッチのシャブ漬けや悲しい別れを見た後、ドラマをあくまでも楽しく終わらせる見事なラスト。

 

 

今回のまとめ

 これまた刑事物の定番、刑事が組織に捕まってシャブ漬けになってしまうストーリー。確か「あぶない刑事」でも舘ひろしがシャブ漬けにされる話があったように記憶している。これらのオリジナルは「フレンチ・コネクション2」。この映画の公開が1975年で、スタハチのこの第1シリーズも1975年放送。随分と素早いパクリである(笑

 

 今回も吹き替えから2つほど。

 冒頭、報告書を書くスタさんの元へドビー主任がやってきて、ハッチの報告書のミス〜時間の記入漏れを指摘する。それにスタさんは「ハッチはおつむが悪いんだ」と答える。「おつむが悪い」は、言葉の誤用だと思われるが、そのまま使われているのがうれしい(『頭が悪い』もしくは『おつむが弱い』が正解)。

 もう一つ。ヒョロ松がシャブ漬けから立ち直ったハッチと会話するシーンで、ドビー主任から連絡があったことを告げる際に、「クマさんから〜」と話す。「チョーさん」とか「クマさん」とか、ドビー主任はどのあだ名も似合う(笑

 

 情報屋ミッキーを演じた俳優はGene Conforti、とても特徴的な表情をしていて記憶に残る。ネットでも少し情報が得られる。

 

 ハッチのシャブ漬けをスタさんやヒョロ松、ドビー主任が心配したり、復活して安心したり、というシーンが多く、4人の仲が良く分かるエピソード。

 ハッチの家が出てくる珍しさもあり、ハッチが女性と別れるというちょっと悲しさもありだが、スタさんが最後に笑いで締めるのもスタハチらしくて良かった。