2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

舞踏会の手帖

●174 舞踏会の手帖 1937 クリスティーヌは若くして未亡人となる。子供もなく友人もいない彼女は孤独を感じる。夫の遺品を整理している際、自分が16歳で初めて舞踏会に行った時に一緒に踊り愛を囁いてくれた男の名前が書いてある手帖を見つける。夫の秘書から…

隣の女 男どき女どき 向田邦子全集 第三巻

●隣の女 男どき女どき 向田邦子全集 第三巻 短編集。エピソードの組み合わせが意外である前半とエピソードそのものがあまりにドラマである後半。読み終えた後に何かが心で引っかかる。今回はそれを解説の諸田玲子さんが一言で言い表してくれていた。うしろめ…

鬼平犯科帳 第4シリーズ #15 女密偵・女賊

●第4シリーズ #15 女密偵・女賊 おまさが口合い人佐沼の久七と定期のつなぎをつける。口合い人とは盗賊同士を引きあわせる仕事だった。久七はおまさの父、鶴(たづがね)の忠助の仲間だった盗賊だったが、鬼平の密偵として働いていた。 久七から押切の駒太郎…

ギターを持った渡り鳥

●173 ギターを持った渡り鳥 1959 函館の酒場で外国人にからまれていた流しを助けた滝は店のママの紹介で秋津と出会う。自分の配下で働かないか打診されるが滝は断る。翌日滝は海で由紀と出会う。彼女は父親に滝を引き合わせるが、父親は秋津だった。由紀は秋…

カウボーイ&エイリアン

●172 カウボーイ&エイリアン 2011 男が西部の砂漠で目覚めるが、記憶を失っていた。腹に傷、左腕に見知らぬ腕輪、側には女性の写真が落ちていた。彼は街に向かう。牧師に腹の傷を手当てしてもらう。 街では街の実力者ダラーハイド大佐の息子パーシーが酒場…

将棋エッセイコレクション 後藤元気

●将棋エッセイコレクション 後藤元気 41編のエッセイ集。観戦記者や棋士が書いたエッセイばかり。古いものが多いが、中原加藤の将棋盤の位置での揉め事やタイトル戦の前夜祭の風景が記者の目で語られていたり、「あの」桐谷さんが対局日誌で有名な河口さんの…

鬼平犯科帳 第4シリーズ #13 老盗の夢

●第4シリーズ #13 老盗の夢 蓑火の喜之助は楽隠居をし京都にいたが、妻の墓参りをし寺にお金を納めたのち江戸へ向け旅立つ。 粂八は店の客に呼ばれる。呼んだのは喜之助だった。仕事の話をする二人だったが、粂八を探しに岡っ引きが来て、粂八は店の外へ出る…

鬼平犯科帳 第4シリーズ #12 埋蔵金千両

●第4シリーズ #12 埋蔵金千両 太田万右衛門は下女として雇い入れた下女おていに手をつけてしまった。おていの親元にも挨拶に行き50両を渡す。だがその1年が過ぎ万右衛門は重い病となる。万右衛門は床におていを呼び告白をする。5年前まで黄金の万五郎という…

海外特派員

●171 海外特派員 1940 ジョーンズは新聞社に勤める型破りな記者。社長の目に止まりヨーロッパに特派員として派遣される。ヴァン・メアというオランダの重鎮でベルギーとの条約調印者からネタを取ってこいとの命令だった。 ヨーロッパについてすぐに世界平和…

鬼平犯科帳 第4シリーズ #11 掻掘のおけい

●第4シリーズ #11 掻掘(かいぼり)のおけい 紙問屋伊勢屋の主人の妻おけいは引き込み役となり、盗賊を迎え入れる。翌日盗賊改方の調べが入るが、主人夫婦や店の者は皆盗賊に縛られていたため、盗賊の手がかりは掴めなかった。そして伊勢屋も看板をおろし、…

巴里の屋根の下

●170 巴里の屋根の下 1930 街中で合唱をする住民。中央にリーダーがいる。歌に夢中になる女性のカバンから財布を盗むスリがいる。リーダーは一人目は黙認するが、美人のカバンから盗もうとしているのを見て邪魔をする。しかしスリは美人からもお金を盗む。リ…

鬼平犯科帳 第4シリーズ #10 密偵

●第4シリーズ #10 密偵(いぬ) 青坊主の弥市は盗賊改方の調べを受けていたが、中々白状しなかった。鬼平は竹釘の拷問を指示し、荒金の仙右衛門の盗人宿を聞き出し、踏み込む。しかし一人縄ぬけの源七を取り逃がす。 三年後、弥市は飯屋を営み、妻も子もある…

ミネソタ無頼

●169 ミネソタ無頼 1964 囚人が作業をしている採掘場でクレイはケンカをし医者に見てもらう。医者の見立てではクレイの眼は失明してもおかしくない状態だった。クレイは医者を人質に脱獄し、ニューメキシコへ向かう。途中医者に銃を返し解放する。 山で男た…

バルカン超特急

●168 バルカン超特急 1938 列車が不通となりホテルを取ろうとする客でフロントが混雑する。その中には、元々の滞在客であるアイリスをはじめとする女性3人組やクリケット好きのイギリス人2人組、不倫をしている弁護士カップルなどがいた。アイリスは来週結婚…

鬼平犯科帳 第4シリーズ #09 霧の七郎

●第4シリーズ #09 霧の七郎 中国地方で仕事をする大盗賊霧の七郎一味は江戸に潜入し、鬼平に討ち取られた兄小川屋梅吉の仇を取ろうと狙っていた。 鬼平宅では久栄に用人松浦与助が辰蔵の女遊びがひどく、その金は巣鴨の仙右衛門から出ていると報告するが、久…

夕陽の用心棒

●167 夕陽の用心棒 1965 クリスマスが近づいた日、保安官ベンの元にエンジェル・フェイス通称リンゴが釈放されたとの知らせが入る。正当防衛との判決だった。弟フィルをリンゴに殺されたベンソン兄弟がリンゴを探しているとの話を聞いたベンはリンゴのいそう…

あ・うん 向田邦子全集 第二巻

●あ・うん 向田邦子全集 第二巻 全集の第二巻。人物の設定がスゴい。門倉と水田、水田の妻たみ。どうしてこんな設定を考えつくのか。爆笑太田さんの言葉で「全てを持っているが一つだけ持っていない門倉と何も持っていないようで一つだけ持っている水田」と…

鬼平犯科帳 第4シリーズ #08 鬼坊主の女

●第4シリーズ #08 鬼坊主の女 伊勢で捕えられ江戸に送られて来た鬼坊主清吉とその両腕と言われた左官の政次郎、入墨の吉五郎の3名。3人を道中で見守っていたのは、鬼坊主の昔の女お栄と手下の六太郎だった。3人は取り調べにも口を割らなかった。 鬼平は夜道…

椿三十郎

●166 椿三十郎 1962 古い社で若侍9人が密談をしていた。一人が意見書をお上に出したいのだが、城代家老には断られ、大目付に意見を聞いてもらえたと話すと皆喜ぶ。しかしその社の中を寝ぐらにしていた浪人が現れ、彼らの話を否定する。怒る若者たちだったが…

用心棒

●165 用心棒 1961 宿場町に浪人桑畑三十郎がやってくる。番太から用心棒の誘いを受けるが、飯屋に入る。そこの主人から町の様子を聞く。ヤクザの跡目争いで勢力が二分されており、片方は清兵衛一家、もう片方は丑寅一家だった。清兵衛は名主と、丑寅は造り酒…

シャレード

●164 シャレード 1963 列車から一人の男が放り出される。彼は殺されていた… レジーナは友人のシルビーとその息子ジャンと共に旅行に来ていた。レジーナはシルビーに夫と離婚するつもりだと話す。そこへピーターと名乗る男性が現れ、レジーナに声をかける。二…

男はつらいよ お帰り寅さん

●163 男はつらいよ お帰り寅さん 2019 満男は結婚し娘が一人いる父となっていた。しかし妻は6年前に死去。くるまやで妻の七回忌を行うことに。 満男はサラリーマンを辞め、作家になっていた。出版社からサイン会をするように依頼され、満男は渋々了承する。…

鬼平犯科帳 第4シリーズ #07 むかしなじみ

●第4シリーズ #07 むかしなじみ 彦十は腹を壊し寝込んでいた。寝床でうなされ「おりん」と叫ぶのを看病していたおまさが聞く。おまさは鬼平におりんの事を聞く。おりんは彦十が昔一緒に暮らした女だったが、他の男に貰ってもらっていた。 彦十は少し良くなり…

ティファニーで朝食を

●162 ティファニーで朝食を 1961 ホリーは娼婦として生計を立てている女性。客の男に自室まで追ってこられるような生活をしていた。ホリーのアパートにポールが引っ越して来る。電話を借りにポールがホリーの部屋にやって来る。ポールはホリーが刑務所にいる…

グラン・ブルー

●161 グラン・ブルー 1988 ギリシャ1965。島育ちのジャックは海に潜るのが得意な少年。年上のエンゾも潜りが得意でジャックを敵対視していた。ある日ジャックは潜水夫の父親と海に出るが、父は事故で亡くなってしまう。 シチリア1988。難破船の遺留品回収作…

秋の花 北村薫

●秋の花 北村薫 私シリーズの第3作でシリーズ初の長編。例によってこの作品の良さは解説で十分書かれているのでちょっとだけ。登場人物たちがしっかりと年齢を重ね、成長していっている。そんな中の一人、「私」が近所の昔からの知り合いの女子高生が火曜学…

真昼の決闘

●160 真昼の決闘 1952 ガンマン3人が揃い街へ向かう。その頃街の判事裁判所では保安官ケインと妻エイミーの結婚式が行われていた。ガンマンはベン、ピアス、コルピーの3人だった。街の人々は騒つく。3人は駅へ向かい、12時到着の列車を待つ。 式を終えたケイ…

昼下がりの情事

●159 昼下がりの情事 1957 パリで探偵をするシャヴァスはX氏の依頼で奥さんの浮気調査をしていた。浮気相手は富豪フラナガン。シャヴァスが家兼事務所でXに調査報告をすると、Xは相手のフラナガンを射殺すると息巻き出て行く。それを聞いていたシャヴァスの…

ラ・ラ・ランド

●158 ラ・ラ・ランド 2016 冬 女優を目指しているミアは映画スタジオのカフェでバイトをしながらオーディションを受けているが落ちてばかり。彼女は仲間とシェアハウスに住んでいたが、ある日仲間にパーティへ誘われる。パーティの帰り車を駐車禁止で持って…

思い出トランプ 向田邦子全集 第一巻

●思い出トランプ 向田邦子全集 第一巻 これまでも向田邦子は読んだことはあったが、昨年末の阿修羅のごとく再放送をきっかけに読んだ。13編の短編集。著者の考えで、短編集にまとめられた時に、発表順ではなく、トランプに合わせシャッフルした、とあるが、…