大いなる西部

 ●003(再) 大いなる西部 1958

 男が駅馬車で小さな街へやってくる。男はマッケイ、東部から婚約者であるパトリシアに会いに来た。彼女は友人であるジュリーの家にいた。パトリシアは早速マッケイを家に連れて行こうとするが、途中ヘネシー家のバックたちに待ち伏せされ、マッケイは彼らにいたぶられる。

 バックのヘネシー家とパトリシアのテリル家は、ジュリーが持つビッグマディ牧場の水源を巡って対立していた。マッケイを襲ったバックはジュリーの家に行き、彼女を口説こうとするが、相手にされなかった。

 テリル家に到着したマッケイ。牧童頭のリーチから荒れ馬に乗るように言われるが、彼は拒む。翌日マッケイが襲われたことを聞いたテリル家の主人でありパトリシアの父であるヘンリー少佐は、ヘネシー家へ。マッケイは少佐に自分は気にしていないと言うが、父親はそれを許さず、パトリシアも父の言う通りにすべきだと話す。ヘネシー家にバックがいなかったため、街へ出て彼を探す。バックは少佐たちが来たことに気づき寸前に逃げ出すが、彼の仲間達は少佐たちによって制裁を受ける。その頃マッケイは荒れ馬を乗りこなすために奮闘していた。

 その夜、マッケイのお披露目のパーティが行われる。ジュリーも呼ばれるが、彼女は少佐にビッグマディは売らないと話す。そこへヘネシー家の長であるルーファスが乗り込んで来て、ヘンリー少佐を罵倒する。

 翌日ルーファスは息子バックを呼び寄せ、ジュリーとのことを問いただす。彼はジュリーは自分に夢中だと嘘をつく。それを聞いたルーファスはビッグマディが手に入れられると安堵する。

 その頃、マッケイは1人地図とコンパスを頼りに山へ向かう。夜になりマッケイが帰らないことから、少佐やパトリシアはマッケイを探してくるようリーチに命じる。リーチはパトリシアに強引にキスをするが、それを拒まれマッケイを探しに行く。マッケイは野宿をし翌日ある廃墟へ。そこはジュリーの祖父の家だった。マッケイは彼女にビッグマディ牧場を見せてもらうことに。そこでマッケイは牧場を自分に売って欲しい、自分ならば水源を皆に解放し争いをなくすと話す。それを聞いたジュリーは彼に牧場を売ることに。

 マッケイを探していたリーチたち。夜になり野営をしようとしてところへマッケイが現れる。彼らはマッケイを連れて家へ帰る。家では少佐やパトリシアが待っていたが、リーチはマッケイに食ってかかる。しかし彼はリーチのいうことを相手にしなかった。それを見たパトリシアはマッケイが臆病であることに激怒する。それを聞いたマッケイは明日家を出て行くと話す。そして早朝、リーチの元を訪れ、別れの挨拶だと話し、2人は殴り合いの喧嘩をする。そしてマッケイは出て行く。

 リーチはヘネシー家の牛たちが水源に来るのを待ち伏せし、牛たちを追い払う。バックは家に帰りそのことを報告。ルーファスは激怒し、バックにジュリーを家に連れて来るように命じる。その頃ジュリーはパトリシアを訪ねる。マッケイが家を出て行ったと聞いた彼女はパトリシアにマッケイに牧場を売ったこと、荒れ馬を乗りこなしたことを話す。

 街にいたマッケイの元へパトリシアがやって来る。彼女はマッケイが父のために牧場を買ったと思っていたが、マッケイはそうではないと答える。パトリシアは怒って帰ってしまう。

 ジュリーがヘネシー家へ連れてこられる。ルーファスはジュリーがバックを相手にしていないことを知り、牧場を売るようジュリーに話す。彼女は牧場はすでにマッケイに売った、彼は皆に水を分けると話していると言うが、ルーファスはそれを信用せず、ジュリーを家に監禁する。その夜、バックが彼女を襲おうとするが、それに気づいたルーファスが彼を追い出す。

 ジュリーが拉致されたことを知った少佐は皆でヘネシー家へ向かう。しかし途中の谷で彼らに待ち伏せをされていることにリーチが気づく。そこへマッケイがやって来る。彼は丸腰でヘネシー家へ乗り込み、ジュリーを救い出そうとする。彼女はマッケイの命が欲しければ自分でここに来たと言えと言われ、その通りにする。皆で言い合いになるが、ジュリーの気持ちを見抜いたルーファスは、マッケイとバックに紳士としての決闘をさせる。

 その頃、少佐は皆で谷に突入しようとするが、大勢の犠牲者が出るとリーチは反対する。それを聞いた少佐は1人で谷へ乗り込むことに。仕方なく皆は少佐について行く。

 バックとマッケイの決闘が行われる。しかしバックはルールを破りしかもマッケイを撃ち損じる。マッケイはバックを撃たなかった。バックは隙を見て仲間の銃を奪いマッケイを撃とうとするが、それを見たルーファスは息子であるバックを撃ち殺す。

 マッケイはジュリーを連れて帰ることに。その頃少佐たちはヘネシー家の罠にはまり、銃撃戦となっていた。ルーファスがマッケイの元へやって来て、お前の言った通りこれは2人の争いだと言い、皆に撃つのを辞めるように指示、少佐との1対1の対決をする。2人は相打ちとなってしまう。マッケイはジュリーとともに帰って行く。

 

 

 5年前にこのブログを始めた当初に観た「大いなる西部」。久しぶりにNHKBSで放送されており、内容を確認しようと思ったところ、自分のブログではあらすじがほぼわからず(笑 そのため、あらすじを追加した修正版を書くことに。

 

 内容は、東部から婚約者と結婚するためにやって来たグレゴリーペックが、婚約者の家と対立する家の紛争に巻き込まれるが、ペック本人は争いを好まず、その無駄な争いを避けようと努力しようとするが…という話。

 ペックは最初から対立する相手に嫌がらせを受けるが動じない。さらに婚約者の家の牧童頭からも侮辱されるが相手にしない。そんな態度に婚約者の女性が愛想を尽かす。その態度を見てペックも婚約者とはやっていけないと悟る。しかしペックには別に気になる女性が現れていた…という感じ。

 

 5年前に本作を観て以来、100本を超える西部劇を見て来たので、牛飼いにとって水の確保がいかに大切な問題かは理解できたつもり。その水源のある牧場を持つ女性と主人公は最終的に結ばれるのだが、そこを最初から描かなかったのが本作の見どころか。また人が簡単に殺されてしまう西部劇において、本作の主人公がラストに取った行動は1950年代後半とは言え、西部劇では珍しいものだったのではないだろうか。

 

 5年前のブログにも書いたが、ペックが主人公だが、ヘネシー家の父親がラストで全てを持って行ってしまっているのが印象的。有名なテーマ曲も含め、西部劇の傑作の一つと言って良い作品。