ティファニーで朝食を

●162 ティファニーで朝食を 1961

 ホリーは娼婦として生計を立てている女性。客の男に自室まで追ってこられるような生活をしていた。ホリーのアパートにポールが引っ越して来る。電話を借りにポールがホリーの部屋にやって来る。ポールはホリーが刑務所にいるサリートマトと面会することでお金を稼いでいることを知る。ホリーが刑務所へ行くのを送る際にポールを室内装飾家のフェーレンソン夫人が訪ねて来る。

 夜ホリーは客から逃げ家に戻って来るが、客が自室前まで追いかけてきた。ホリーは裏窓の階段から上階へ逃げ、ポールの部屋へ入る。ホリーは夫人がお金を置いていくのを目撃する。二人はお互いのことを会話する。ホリーはポールが弟のフレッドに似ているため、フレッドと呼ぶことにする。またポールが作家であること、しかしここ数年小説を書いていないことを知る。ホリーはポールのベッドで眠るが、うなされフレッドの名前を呼ぶ。そのことをポールが尋ねるとホリーは部屋を出ていく。

 ポールが外出先から戻るとホリーから今晩部屋に飲みに来てというメッセージとプレゼントが郵便受けにあった。プレゼントはインクリボンだった。

 夜ホリーの部屋を訪ねると大勢の客が来ていた。そこへホリーの友人のマグというモデルが男を二人連れてやって来る。一人は大金持ちのラスティー、もう一人はブラジルの富豪ホセだった。ホリーはラスティーに興味を示す。ホリーの部屋のパーティ騒ぎに怒った上階の住人が警察を呼ぶ。それに気づいたポールはホセとともに部屋から逃げ出す。

 ホリーがシンシン刑務所へ面会に行くのにポールも付き添って行く。

 ポールの部屋へ夫人が訪ねて来る。夫人は外に見知らぬ男がいることをポールに告げ、自分の夫が雇った探偵ではないかと話す。ポールは様子を見て来ると言い、外へ出て行く。ポールの後を男がつけて来る。公園でポールがベンチに座ると男は、隣に座った。男は菓子を食べながら、自分はホリーの夫で、ホリーの本名はルラメイ、ホリーは14歳で男の後妻となり弟のフレッドと一緒に家に来た、しかし突然家を出て行ったので、連れ戻すのを協力して欲しいと話す。ポールは菓子のおまけの指輪を手に入れ、男の話を了承する。ホリーの部屋を訪れ、男を引きあわせる。

 ホリーはポールの部屋を訪ね、男と一緒に戻らないと言い、一緒にバス停まで来て欲しいと話す。バス停でホリーは男に自分は戻らない、もうルラメイではない、と話す。男は一人で帰って行く。涙を流しながら見送ったホリーはポールにお酒に付き合って欲しいと話す。

 酔った二人は部屋へ帰る。そこでホリーはラスティーと結婚をするとポールに話す。弟フレッドが除隊した後の面倒を見るためにお金が必要だと。お酒が飲み足りないホリーはポールにお酒を持って来るように命令し、お金を払おうとする。女からお金をもらうのは慣れているはずだと言うとポールは怒って部屋を出て行く。

 翌朝ポールは久しぶりに書いた小説が売れたことを知る。ホリーに部屋に行くと新聞があり、ラスティーが結婚した記事が出ていた。二人は仲直りをし、一日初めてのことをしに行こうと出かける。ティファニーを訪れ、十ドルで買えるものを聞き、菓子のおまけの指輪にイニシャルを彫ってもらうことに。次に図書館へ行きポールの本にサインを、雑貨屋に行きお面を万引きする。二人は家に戻りキスをする。

 翌日ポールの部屋に夫人が訪ねて来る。ポールは夫人に別れを告げる。夫人は金を出し女と旅行に行くことを勧めるがポールは部屋を出て行く。

 ポールはホリーを探す。図書館で彼女が読書しているのを見つけ声を掛けるがホリーは冷たく対応する。理由を聞くとホリーはホセと結婚することになったと話す。ポールは話そうとするが、ホリーは化粧室へ逃げようとする。ポールは自分が他の男と同じならば、と小説の原稿料50ドルを渡す。

 ホリーがホセと部屋に戻って来る。部屋の前に電報が届いていた。それを読んだホリーは激しく狂乱する。ポールが気づいて彼女を落ち着かせる。彼はホセに理由を聞くと電報のことを聞く。電報は弟の事故死の知らせだった。

 しばらく後、ポールはホリーに呼ばれ部屋を訪れる。ホリーはブラジルへ行く準備をしており、最後に手料理をご馳走したいと話す。しかし料理は失敗し二人は外食をすることに。そして部屋に戻ると二人は警察に逮捕される。 サリートマトの麻薬事件の共犯としてだった。

 二人は容疑を否認するが、ホリーは新聞沙汰になる。先の釈放されたポールはホリーの部屋のパーティであった弁護士に相談する。彼はホリー釈放のために手を打っていた。釈放されたホリーをポールが迎える。二人はタクシーに乗り弁護士の用意したホテルに行こうとするが、ホリーはブラジルへ行くつもりだった。そこでポールはホセからの手紙を読む。ホセは面体を考えホリーに別れを告げていた。ホリーはそれでもブラジルに渡りまた金持ちを探そうとする。愛猫をタクシーから追い払い空港へ向かうように運転手に言う。それを聞いたポールはタクシーを止め降りる。去り際にティファニーで刻印してもらった指輪をホリーへ渡す。一人になったホリーは指輪を見つめ…

 

 これも昔見たことがあるが、改めて見て印象が変わった映画。自由気ままに生きる女性が変化することを描くことがテーマだと思うが、コメディシーンも多く、若い時に見た時にはなんだかなぁと思う映画だった。今回見て、14歳で自分の父親と間違えられるような(ポールのセリフ)男と結婚(しかも連れ子も)させられ娼婦となった女性が、家を飛び出し自由気ままに生きるのは十分理解できる。ただ残念なのは、オードリーが娼婦に見えなかったことか。年上男性をうまく騙して小遣いを稼いでいるようにしか見えないもの。

 ここ最近見てきた映画、昼下がりの情事パリの恋人などで随分年上の男性との共演ばかりだったオードリーが、やっとほぼ同年齢の男性と恋に落ちる役をやった、というのが売りだったのかな。でもwikiでは、この役は当初モンローがする予定だったとか。それも見てみたい気がするが、未だにCMその他で使用されるこの映画のオードリーの姿を見ると、やっぱり彼女がやるのが運命だったと思いたい。