ゲット・アウト

●935 ゲット・アウト 2017

 ある黒人男性が夜の街を歩いている。道に迷った彼はスマホで地図を見ながら歩いていたが、車が近づいてくるのに気づく。トラブルに巻き込まれれないようにその場から去ろうとするが、車から降りてきた人間に拉致されてしまう。

 黒人男性クリスの家へ恋人で白人女性のローズがやってくる。ローズはクリスの飼い犬シドと遊ぶ。クリスはローズの実家へ行くための荷造りをしていた。両親に恋人が黒人だと話していないのかと確認するクリスに、ローズは両親は差別主義者ではないからと答える。2人は車で出かける。クリスは友人ロッドに電話をする。その時、車が野生動物を跳ねてしまう。クリスは正体を確かめに林へ。そこには跳ねられたシカがいた。警察に連絡し対応するが、警官は助手席に乗っていたクリスの証明書の提示を求めてくれる。ローズはそれは必要ないと反論する。

 2人は実家に到着。父ディーンと母ミッシー、弟で医学生のジェレミーが出迎える。父はクリスを連れ家の中を案内する。使用人として黒人男性の管理人とメイドの黒人女性がいることについて父親は、両親の介護のために雇ったが、その後解雇できなかったと話す。

 父親はクリスがタバコを我慢していることに気づき、母親の催眠術で治してもらうよう勧めるが、クリスは断る。父親は15年吸っていたが、催眠術で止められたと話す。その後話題は明日の親睦会のことに。ローズの祖母が始めたもので、今も続いているとのことだった。

 5人での夕食。ジェレミーは姉が若い頃付き合っていた男性の話をする。その後クリスが総合格闘技に向いていそうだと話す。部屋に戻り2人きりになルト、ローズは家族の対応に不満を漏らすが、クリスは気にしていないと答える。

 夜中、寝つけないクリスは家の外へ。管理人ののウォルターが庭から自分に向かって走ってくる。メイドのジョージナが窓を見ている姿を目撃。クリスは家に戻ると、部屋にいた母親ミッシーに呼び止められ、話をすることに。自分の母親が亡くなった時にことを聞かれそれに答えると、いつの間にかミッシーの催眠術にかかってしまう。目がさめると自分のベッドにいた。

 翌日クリスは庭でカメラ撮影をする。管理人ウォルターから、ローズは素敵だと話しかけられる。部屋に戻ったクリスはローズに母親に催眠術にかけられたこと、タバコを吸うと吐き気がすること、ウォルターと話したことを話す。

 家に車が何台もやってくる。親睦会のメンバーで、パーティが始まる。クリスは客たちを紹介されるが、その中には若い黒人男性ローガンがいた。クリスは親しみを持って話そうとするが、彼が白人のような振る舞いをするため戸惑う。クリスは盲目の画廊オーナーハドソンと出会う。クリスは自分の部屋へ戻る。すると客たちは彼の動きを見ていた。

 クリスは友人ロッドに電話をし状況を伝える。彼は愛犬シドの面倒を見ていた。電話を切ったクリスの元にジョージナがやってきて、スマホの充電ケーブルを勝手に抜いたことを謝る。クリスも白人だらけで神経質になっていたと答えると、ジョージナから笑顔が消え涙を流し始める。しかし彼女は皆よくしてくれると話し去って行く。

 クリスはパーティに戻り、ローガンと話をする。彼が話している時にスマホで写真撮影をした時フラッシュが光り、突然ローガンがクリスに出て行け(ゲットアウト )と怒り始める。その後母の説得もあり、ローガンは落ち着き、クリスに謝罪する。父はパーティをやり直そう、花火とビンゴを始めると言うが、、クリストローズは散歩に出かける。

 2人きりになったクリスは、ローガンがおかしくなったのは発作ではないこと、母親に頭の中に入り込まれたことを話し、帰ると言い出す。そして自分の母親が死んだときの真実を語り出す。ローズは一緒に帰ろうと話す。その頃父親は客たちとオークションを始めていた。モノはどうやらクリス本人であり、盲目のハドソンが競り落としていた。

 2人は家に戻る。客たちも帰り始めていた。クリスは友人ロッドにローガンの写真を送る。しかしローガンと名乗った男性はアンドレという彼らの友人だった。彼が30歳以上年上の女性と一緒だったのだ。それに気づいたクリスは荷造りを始め、ローズにすぐに家を出ようと話す。クリスは部屋にあった箱の中に、ローズが様々な黒人男性と親しげに写った写真を見つける。クリスはローズに車の鍵を出すように言いながら玄関へ。しかしそこには両親や弟が待っていた。ローズに鍵を催促するが、彼女は鍵は渡せないと話す。弟が寄ってきたので反撃しようとするクリスだったが、母親が鳴らしたスプーンの男で気絶してしまう。

 ロッドは警察にクリスのことを話に行くが、相手にしてもらえなかった。家に帰ったロッドはクリスに電話。出たのはローズで、2日前に帰ったと言われてしまう。話しがおかしいと思ったロッドは催眠術のことなどを言うが、ローズは自分とヤリたいのだろうと話し出したため、ロッドは電話を切る。

 部屋でソファに拘束された状態のクリスが目覚める。目の前にあったTVから映像が流れ、盲目のハドソンが、全ての事情を話し出す。彼は催眠術でクリスを眠らせ、体を乗っ取る手術を行う予定だった。ハドソンは黒人に対する憧れを持っていること、しかし自分の望みは目であることを告げる。

 父親がハドソンの頭部手術を始める。弟はクリスの部屋にきて彼を連れて行こうとするが、ソファのワタで耳を塞いでいたクリスは弟に反撃、殴り倒す。そして父親を剥製のシカで刺し殺す。2Fへ上がったクリスは母親と対面、ティーカップで催眠術をかけようとしたため、カップを投げ割り、母親を殺す。弟もやってくるが、蹴り倒す。その頃、ローズは部屋で一人PCで新たな黒人男性を物色していた。

 クリスは車に乗り、911へ連絡。その時ジョージナを跳ねてしまう。クリスは彼女を助手席に入れ、出て行く。しかしジョージナが目を覚まし、クリスに襲いかかり、車は木に衝突してしまう。ジョージナはローズの祖母が体を乗っ取っていた。そこへローズがライフルを持ってやってきて、クリスを撃とうとする。さらに管理人ウォルターもやってきて、クリスを襲う。ウォルターはローズの祖父が体を乗っ取っていた。クリスはスマホのフラッシュでウォルターを攻撃、彼は正気を取り戻し、ローズを撃ち、自分も自殺してしまう。

 クリスはローズの元へ歩み寄る。ローズはごめんなさい、愛していると話すが、クリスはローズの首を絞める。そこへパトカーがやってくる。ローズはパトカーに助けを求める。しかしパトカーから出てきたのはロッドだった。クリスは彼の運転するパトカーに乗り込む。ロッドはクリスに行くなって言ったろとはなす。クリスはよく見つけたなと話すが、ロッドは俺はTSAだ、それが任務だと答える。ローズが見つめる中、パトカーは現場を去って行く。

 

 

 ホラーというジャンル分けをされているようだが、これまでのそれとは少し異なる怖さというか。ラストで明かされる真実が、それまでの不気味な伏線を見事に回収しているのが素晴らしい。

 

 ストーリーは、恋人の実家に初めて訪れる黒人男性の話。恋人から両親は差別主義者ではないと聞かされていたが、実際に訪れてみると実家の黒人使用人や両親に不気味さを感じ始める。中でも突然母親の催眠術にかかり、床に沈んでいく様はまさにホラー。しかしここは翌朝ベッドで目覚めることで事なきを得たように思えたが…。翌日は親睦会という名で多数の客人を相手にする主人公。白人たちの会話はまだ普通に思えたが、唯一の黒人客の態度ににじみ出る不気味さ。そしてスマホのフラッシュに反応し突然怒り出す黒人客。黒人使用人の不思議な対応。主人公はついに変えることを決意し、恋人とともに実家を去ろうとするが…。

 

 終盤、全てが明らかとなり、最後は主人公の逃亡劇。ここでそれまでの不気味さの伏線回収となる。仲間だと思って助けた黒人女性使用人が、突然主人公を襲うことで、全てが明らかになるのもスゴい。

 冒頭ストーリーとは無関係に見えた黒人男性が襲われたシーン。これは彼らの友人アンドレが襲われたことを示していたし、黒人管理人が夜中に突然主人公に向かって走ってきたのは、恋人の祖父が五輪選手だったという事実とマッチする。全てがわかるとなるほど、と思わせるのが憎い演出。

 

 ラスト、主人公が恋人を殺そうとしたところへパトカーがきて、恋人が突然助けを求め始めたところでは、まだ怖さを見せるかと思ったが、パトカーから友人が出てきて観客としてはやっと安心できる。この友人が最後に美味しいところを全部持って行った感がスゴいが、日本人にとってはTSAの意味合いがよくわからなかったのが残念なところか(笑

 それにしても、全く新しいホラーを感じさせる一本だった。