ポセイドン・アドベンチャー

●279 ポセイドン・アドベンチャー 1972

 ニューヨークからアテネに向かうポセイドン号が沈没、その乗客の物語。

 嵐に見舞われたポセンドン号だが、なんとか乗り切る。その乗客のエピソードが描かれる。刑事と娼婦の夫婦、孫に会いに行く老夫婦、破天荒な牧師、金の代わりに歌うことで乗船したバンド、両親に会いに行く幼い姉弟の兄弟、雑貨商を営み独り者の男。

 ホールではニューイヤーパーティが行われていたが、船には海底地震の影響での高波が迫っていた。新年を迎えた後、船は高波に襲われ転覆してしまう。

 ホールにいた牧師は自分たちで脱出先を見つけようと提案するが、乗務員に反対され、10人の仲間たちと船底(船は反転している)に向かう。

 ホールから調理室、換気口から換気塔のはしごを登って上へ。はしごの途中で乗務員が転落してしまう。はしごの先では他の乗客たちが船首へ向かうのに出会うが、牧師は船尾へ向かうのが正解だと判断する。刑事に反対されるが、牧師は船尾方向にある機関室へのルートを探してくると言い残し1人先行する。

 牧師はルートを見つけてくるが、途中先に行くために水の中を潜水しなければいけない箇所があることが判明。牧師が先に行くが、なかなか戻らなかった。老夫婦の夫人が元潜水の選手であることを明かし、牧師の様子を見に行く。牧師は水中で板に挟まれていた。夫人は牧師を助け、2人は先の空間にたどり着くが、夫人は発作で亡くなってしまう。

 皆は機関室へ向かうが、船内で爆発が発生、その際の振動で刑事の妻である娼婦が落下して死亡してしまう。機関室の扉までたどり着くが、蒸気が吹き出し扉に近づけなかった。牧師は蒸気バルブに飛びつき、バルブを締めることで蒸気の吹き出しを止めるが、閉め終わったのち落下して死んでしまう。残された6人は機関室にたどり着く。そこで棒で叩くことで音を発生させ、外へ存在を知らせる。外からも反応があり、船底の板が切断され、6人は助かる。

 

 大規模パニック映画の先達。しかも大傑作。子供の頃に見た後、今回まで見ていなかったと思うが、ラストのジーン・ハックマンの見せ場や「モーニング・アフター」などははっきりと覚えていた。

 今はCGで何でもできるが、この船がひっくり返ってしまったホールのシーンの恐怖や迫力は出せないだろう。先へ進む10人をどんどんと海水が襲ってくる恐怖も。

 その時その時で正解は異なるだろうが、ハックマン演じる牧師の「助けを待たずに自分たちで助かるんだ」という強い意思は、この映画で強く印象に残る。

 しかし2時間があっという間だった。本当の傑作。