たくましき男たち

●627 たくましき男たち 1955

  1866年南北戦争で敗れたベンとクリントのアリソン兄弟は金鉱探しにモンタナにやってくる。二人は街の銀行から大金をおろしたスタークを狙い金を奪おうとするが、スタークは牛をテキサスで安く買い求めそれをモンタナに連れてきて売却することで儲ける話を二人にし、一緒に牛の輸送をし儲けを山分けにしないかと持ちかける。二人はそれを受け入れる。

 3人は吹雪の中テキサスを目指す。途中食料を失った3人は偶然であった集団に食料を提供してもらう。その集団の中には女性ネラがいた。3人は集団に別れを告げ先に進むが、先住民たちが白人を襲った跡を目撃、ベンはクリントとスタークを先に行かせ、エラのいる集団に先住民たちのことを知らせに戻る。ベンが集団の板場所に戻るとまさに先住民たちに襲われているところだった。ベンはエラを救出、クリントたちを追う。吹雪の中、ベンとエラは山小屋へ避難。二人は愛し合うようになりお互いの夢を語り合う。ベンはエラと一緒にテキサスで暮らすことを夢見ていたが、エラは大金持ちと出会い都会へ出ることを夢見ていた。吹雪が止み山小屋へ騎兵隊がきて二人はテキサスへ行くことに。

 町に着いた二人はクリントとスタークに合流。エラを見たスタークは彼女に一目惚れ、レディとして扱うようになる。しかしエラはそれを見ても何も言わないベンに対し怒る。

 スタークは牛を手に入れ牛飼いたちとともにモンタナを目指す。エラも同行すると言い出し、ベンは反対するがスタークは受け入れる。州境で税金と称し金を取る集団に狙われるが、ベンは金も払わず強行突破する。旅は続く。エラはスタークと仲が良いところをベンに見せつける。クリントは酒癖が悪くエラにちょっかいを出すが返り討ちにあう。

 旅を続ける彼らは騎兵隊と出会う。騎兵隊によればこの先は先住民たちの住処であり危険だとのこと。しかしベンは危険を承知で先へ進むことを決断する。野営をする彼らだったが、酒に酔ったクリントがエラとスタークの仲をやっかみ、二人を殺そうとする。ベンがクリントを戒めると彼は一人集団から逃げ出してしまう。先に進むベンたち、そこへクリントが戻ってきて謝罪し、斥候役を買って出る。

 ベンたちはクリントが残した目印を元に進むが、ある場所でクリントが先住民たちに殺されているのを目撃、ベンが斥候として先住民たちの様子を探る。それでもベンは先に進むことを決断、スタークやエラも同調する。ベンは牛たちを暴走させ先住民たちの中を突き進む。

 無事モンタナに到着したが、スタークは当初自分を襲おうとしたベンを町の自警団に引き渡そうとする。しかしベンはそれに気づいており仲間たちの助けでその場を切り抜ける。スタークから最低限の金だけ受け取ったベンは牛飼いたちと町を去ろうとするが、馬車の中にはエラが待っていたのだった。

 

 このブログを始めてクラークゲーブルの作品を観るのは3本目となる。

 ストーリーとしては牛の輸送がメイン。4000頭の牛を2000km離れた土地に運ぶというスケールの大きい話。実際に大量の牛や馬が荒野を移動し、川を渡るシーンは圧巻。ラストの先住民との戦いでの牛の暴走シーンもスゴい。先住民の数も半端なく、撮影現場は壮大だったであろうことが容易に想像できる。

 

 ゲーブルとヒロインの恋物語もいかにも西部劇らしい展開。お互いの夢が異なり、仲違いし、ヒロインには魅力的な別の男性も登場。三角関係が定番の西部劇ならでは。

 そしてラストもイカしている。多くの困難を乗り越え大金を手にしたと思ったところで、まさかの裏切り。それをも見事にクリアした主人公だったが、ヒロインとの別れで落ち込んでいるところで、まさかのヒロイン登場で幕を閉じる。

 

 西部劇の黄金期らしい一作。と思ったら、監督がウォルシュ監督であることを知り、納得。この人の作品はどこかで一捻りあって面白いんだよなぁ。

 

たくましき男たち [VHS]

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