ニューヨークの恋人

●674 ニューヨークの恋人 2001

 1876年NYブルックリン橋の完成式が行われていた。公爵レオポルドも見物に来ていたがそこで怪しい男を見かける。レオポルドはハンサムな男性だったが、両親を失い叔父に生活の面倒を見てもらっていた。叔父は家系を守るため、彼を資産家の娘と結婚させようとしていた。その夜、レオポルドは嫁探しのためパーティーに参加させられる。彼はそこで完成式で見た怪しい男を発見、逃げる男を追ってブルックリン橋まで行くがそこで男は橋から飛び降りようとする。男を助けようとしたレオポルドは一緒に橋から落ちてしまう。

 男はスチュワートで現代のNYで暮らしていたが、時空の裂け目を発見し過去へタイムスリップしていたのだった。橋から落ちることでその裂け目に入り、二人は現代のNYへ戻ってくる。

 広告代理店で働くケイトは仕事からアパートへ帰宅。上の階が騒がしいことに気づき窓の外の階段で上の階へ。そこは元カレのスチュワートの部屋だった。彼が見知らぬ男を部屋に連れ込んでいるのを目撃したケイトは、前から言っている電子手帳を早く返すようにスチュワートに話す。彼はケイトに自分は過去に行き公爵レオポルドと一緒に戻って来たと話すが、彼女はそんな話を信じなかった。

 翌朝目を覚ましたレオポルドにスチュワートは事情を説明しようとするが、愛犬が騒ぎ出したため、散歩に出ることにするが、レオポルドに時空の裂け目を説明した文書を読んでおくように話す。しかしエレベータが故障しており、スチュワートはエレベータ内へ落下してしまう。取り残された愛犬を見つけたケイトは、スチュワートの部屋に行き、そこにいたレオポルドに愛犬の散歩をさせるように命じる。

 レオポルドは犬に引きづられ街に出ていく。そしてブルックリン橋を見つけ、しっかりと橋が残っていることに感動する。家に戻ったレオポルドは、スチュワートが救急車で運ばれるのを目撃する。

 ケイトは会社で新しいマーガリンに関するCMの会議をしていた。彼女が提案したテストCMは評判が良くなく、新たに撮影し直すことに。一方、スチュワートの部屋で過ごしていたレオポルドに彼から電話が入り、部屋から出ないようにと言われる。電話を切ったレオポルドは部屋に少年が入り込んでいることに気づく。さらにケイトの弟チャーリーもやってくる。不思議な格好、言動をするレオポルドのことを気に入ったチャーリーは彼を夕食に招待する。

 ケイトは弟チャーリーとレオポルドとともに食事をする。そこでレオポルドは公爵としての振る舞いをし、スチュワートのタイムスリップに関する文章のことを話題にする。未だにレオポルドが過去からやって来たことを信じないケイトは怒ってしまう。翌朝レオポルドは一人でトースターを使おうとするがそれが元で大騒ぎとなり、ケイトが部屋へやってくる。レオポルドの言動を見たケイトは、CMに彼が使えると考え会社へ連れていき、テストをする。レオポルドは見事に演じきり採用が決まる。お祝いに上司がケイトを食事に誘う。

 帰り道、喜ぶケイトだったが、スリにカバンを盗まれてしまう。追いかけるケイト、それを見たレオポルドは馬車の馬に乗ってスリを追い詰める。その夜、ケイトは上司との食事に出かける。レオポルドはチャーリーに誘われクラブへ。チャーリーが狙う女性がいたがレオポルドの方がモテてしまう。店を出た二人、レオポルドはチャーリーに女性を口説く秘訣を教えるが、チャーリーからケイトのことが好きなのだろう、実際にケイトを口説くところを見せてくれと言われ、ケイトがいるレストランへ。そこでレオポルドは上司の嘘を暴いてしまう。恥をかかされた上司は怒って帰ってしまう。それを見たケイトもレオポルドに対し怒る。

 その夜、レオポルドはケイトへ謝罪の手紙を書き、屋上での夕食に誘う。ケイトはレオポルドに惹かれ始める。二人はデートをする。街中でレオポルドはある屋敷を見つけ中に入っていく。そしてここは自分が生まれた家だと話し、隠し扉をあけ、中から母の形見の指輪を見つける。

 レオポルドの新しいCM撮影が始まる。しかし実際に食品を食べた彼はその不味さに驚き撮影を拒否する。ケイトは怒りレオポルドと口論になる。ケイトの立場を理解したレオポルドは撮影を続けるが、帰り道タクシーの中でケイトはやっぱり二人は合わないと話す。

 入院していたスチュワートは精神科に入れられていた。そこで素直に経緯を看護婦に話しやっと信じてもらうことができ、病院から抜け出す。家に戻ったスチュワートは時空の裂け目についてレオポルドに話し、彼を過去へ返すことに。一方ケイトは上司から次のNY支社長に任命される。喜んだケイトはレオポルドに電話をするが、彼はすでに過去へ戻ってしまっていた。

 スチュワートは過去に行った時に撮った写真を現像する。チャーリーがそこにある人物が写っているのを発見する。

 ケイトは昇進披露パーティに参加するように言われる。会場はレオポルドが生家だと言った屋敷だった。スチュワートとチャーリーはその屋敷へ乗り込む。そして例の写真を見せる。そこにはケイトが写り込んでいた。ケイトはそれに気づき、昇進記念のスピーチを途中で終え会場を抜け出す。スチュワート、チャーリーとともにブルックリン橋へ向かう。途中写真の説明を聞かされる。彼女のこれから先の未来は過去にある、ということだった。

 ブルックリン橋から飛び降りたケイトは1876年の世界へ。レオポルドが嫁探しのパーティー真っ最中だった屋敷へ乗り込んだケイトは、彼から花嫁として名指しされワルツを踊るのだった。

 

 ラブコメの女王、メグライアンの定番とも言える一本だが、本作はちょっと趣向が凝らしてある。相手が約100年前の公爵。タイムスリップによって現代に連れてこられた彼との1週間の恋物語。で「例によって」お互いに惹かれ付き合い始めるが、ちょっとしたことでケンカ別れをしてしまうのだが、そこで相手は約束の時間がきて、過去の時代へ戻ってしまう。で元カレと弟の奮闘によって主人公も過去の時代へ行く、という展開。

 ラブコメは何本も観てきたが、タイムスリップとの組み合わせはなかなか斬新。ラスト近く、元カレと弟が以前撮ってきた写真の中に主人公がいることに気づくシーンは秀逸。よく考えれば色々とおかしいと思えることもあるのだが、そこはラブコメ。そんなことは気にしないでラストのハッピーエンドを楽しみましょう(笑

 

 残念なのは、メグライアンのコメディアンヌぶりはこの作品ぐらいまで、ということかな。