暴力脱獄

●675 暴力脱獄 1967

 ルークは酒に酔いパーキングメーターを壊したことで逮捕され、2年の実刑となる。ルークが送られたのは屋外労働刑務所だった。厳しい環境での作業の中、新たな囚人は先輩である囚人たちにカモにされる状況だった。

 しかしルークは囚人たちのルールを無視し目をつけられる。囚人たちのボスであるドラッグに逆らったルークは、休日にドラッグとボクシングで戦うことに。体格に勝るドラッグはルークを圧倒するが、ルークは倒されても倒されても立ち上がり続ける。その後、囚人内でのポーカーでハッタリだけで見事に相手を負かし、ルークはドラッグから「クールハンド・ルーク」と呼ばれるようになる。

 その後ドラッグと仲良くなったルークは、ゆで卵50個を食べられると話し、囚人たちはそれを賭けにすることに。ルークの味方であるドラッグの手助けもあり、ルークはゆで卵50個を完食、囚人たちから尊敬を受ける立場となった。

 ルークの母親が面会に来る。出来の悪い自分のことを謝るルークを母親は許す。その後母親死亡の知らせが来る。ルークは悲しみ歌を唄う。刑務所の所長はルークの存在が大きくなったことを見抜き、理不尽にも母親が死亡を受けルークに逃亡の恐れがあると、ルークを懲罰房に入れてしまう。

 懲罰房から出されたルークは、すぐさま脱獄のためのトンネルを掘り始め脱獄に成功する。しかしあっさりと捕まってしまい、足枷の鎖を繋がれてしまう。それでもルークは野外作業中に2度目の脱獄を試み成功する。喜ぶ囚人仲間たち。しばらくしてドラッグの元に雑誌が送られて来るが、その雑誌にルークが美女を侍らせテイル写真が掲載されていたことで、ルークは囚人たち憧れの存在となる。

 しかしまたルークは捕まって刑務所に戻って来る。2度の脱獄をしたルークに所長や看守たちは容赦なかった。厳しい労働を終え休日を迎えるルークに、看守は穴掘りを命じる。しかしそれが終わった頃に今度は穴を元に戻すよう命じ、それを繰り返す。精魂尽き果てたルークは看守に詫びを入れ逆らわないことを誓う。そんなルークを見て囚人たちはルークへの尊敬をなくしていく。

 完全に看守の言いなりとなったルーク。野外作業でも看守の言われるままになっていた彼だったが、隙を見てトラックを奪い逃走する。それを見たドラッグはトラックに便乗、一緒に脱獄をすることに。トラックを捨て街へ逃げ込んだ二人だったが、ルークはドラッグと別れ別々に逃げることに。

 ルークは廃屋となった教会を見つけ神に語りかける。しかし神は相変わらず何も答えなかった。そこへドラッグがやってきて警察に取り囲まれている、一緒に刑務所へ戻ろうと話す。ルークは窓に近寄り警察に話しかけるが、待ち構えていた看守がルークをライフルで狙撃。ルークは重傷を負うが、刑務所内の病院へ送られ死亡してしまう。

 刑務所に戻ったドラッグはルークの最期を皆に話して聞かせる。

 

 子供の頃からタイトルだけは知っていたが、今回が初鑑賞。主演のポールニューマンの絶頂期だろうか、とにかくカッコ良い。

 冒頭のパーキングメーターをひたすらカッターで切り落としていくシーン。パトカーのライトに照らされても動じずに酒を飲もうとするニューマン。刑務所内囚人たちのルールにも争い、ボス的存在ドラッグに打ちのめされ続けても立ち向かっていく。そして3度の脱獄、ラストの教会。ニューマンの代表作とされる理由も納得。

 脇を固めるジョージケネディも懐かしい。この人ほど助演男優賞という賞が似合う俳優さんもいないのではないか。

 

 ニューマンはこの後も「明日に向って撃て!」などの傑作に出演し続けるが、ラストで死んでしまう役が多かったのかも。だからこそ逆に「スティング」のラストが輝くのかしら。