国立署のお嬢様刑事宝生麗子と執事影山、麗子の上司である風祭警部の3人が事件を解決していく。
以下の6編からなる短編集。
アリバイをご所望でございますか
謎
唯一といえる容疑者には完璧なアリバイがあったが、容疑者のアリバイ証言では死亡推定時刻よりも前の時間帯の証言を詳しく話した
ポイント
被害者の生存アリバイ証言は本当か
殺しの際は帽子をお忘れなく
謎
被害者の女性の部屋から、帽子が全て盗まれていた
ポイント
犯人は帽子を何に使ったのか
殺意のパーティにようこそ
謎
被害者の証言「犯人はどこかで見たことがあるような知らない女性」
ポイント
犯人の胸にあった宝石の色。どこかで見た知らない女性とは
聖なる夜に密室はいかが
謎
被害者の家への道には第一発見者の足跡と被害者の自転車のタイヤの跡しかなかった
ポイント
被害者宅にあった様々なウィンタースポーツ用品の中にあるはずのモノがなかった
髪は殺人犯の命でございます
謎
長髪が綺麗だった被害者の髪の毛が切られ現場で焼かれていた
ポイント
顔立ちがよく似た女性たち。被害者の髪はいつ切られていたのか
完全な密室などございません
謎
画家である被害者が殺害されたアトリエは完全な密室だった
ポイント
右利きである画家はなぜフレスコ画を右側から描き始めたのか
先日シリーズ1作目を読み直し、面白かったので続編も読むことに。
読みやすさ、会話劇の楽しさは相変わらず。ミステリとしてのレベルも(笑 現場状況やトリックなどは、どこかで読んだことのあるものが多く、多少無理のある状況なども(「帽子」の防止全てが盗まれた理由や「聖なる夜」の自転車のタイヤ跡のトリック、「髪」の殺害以前の殺人トリックには流石に無理がないか?)。
さらにいえば、最終話の「完全な密室」の犯人。前作の第1話目も名前が明かされない犯人が出てきたが、この話でも同じ。しかも前作の第1話目と異なり、種明かしまでその存在も全く明かされていない。「ノックスの十戒」を持ち出すつもりはないが、さすがにこれはルール違反なのでは(笑
それでも少し感心したのは、「殺意のパーティにようこそ」か。『見たことがあるが知らない人』というのは、自分たちの日常でもありそうな話。それを見抜いた影山はスゴいと思うが、我々の日常でそんな他者の関係性に気づけるかどうか。
まぁでもこのシリーズで、トリックの出来不出来を云々言うのはヤボ。会話を楽しめれば良いのである。
前作同様、蛇足を一つ二つ。
ドラマでの櫻井翔が話す「『ウケる〜』でございます」は原作通りだったのね。これはドラマを思い出して笑わせてもらった。
もう一つ。5年前のブログにも書いたが、「殺意のパーティ」で影山が発する「詳しく説明していたら、日が暮れてしまいます」のセリフ。これは真相が明らかになった時にシビれるセリフである。
いろいろと文句も書いたが、次の作品も読まざるを得ないでしょう(笑
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