荒野のストレンジャー

●115 荒野のストレンジャー 1973

 ラーゴの街に一人の流れ者がやって来る。住民は奇異の目で彼を見る。

 彼は酒場で絡んできた3人組を床屋で撃ち殺し、言い寄ってきた女カリーを犯す。

 彼は宿に部屋を取り休み、男がリンチされている夢を見る。彼は床屋へ戻り風呂に入る。そこで保安官に撃ち殺した3人の名前を聞かされる。そこへ女カリーが入ってきて彼を撃ち殺そうとするが、保安官が止める。

 街では皆が集まって相談をしていた。今日ブリッジズとカーリン兄弟が釈放され、街に仕返しに来る。撃たれた3人はラーゴ採掘会社が用心棒として雇ったガンマンだった。代わりに流れ者を雇う案が出る。

 保安官が流れ者に依頼する。ブリッジズとカーリン兄弟も昔は用心棒だったが、乱暴を働き、金塊を盗んだ容疑で刑務所に送ったのだった。保安官は前職者が鞭で撃たれ殺されたのでお仕着せで保安官になったと話す。鞭で打ったのはどこかのよそ者だと。

 流れ者は依頼を断るが、保安官は何でも言うことを聞く、町長はこの街のものは全てタダだと話す。彼は店にあったものを先住民の客に与え、自分も店のものをもらっていき、酒場で皆に酒をおごり、町長と保安官の役職を小人に与える。

 彼は街の男たちに3人組を待ち伏せする指示を与え、訓練をする。大工に大きなテーブルを作るためにホテルの納屋を解体する。さらにホテルの客も追い出す。

 3人組が釈放され街へ向かう。街では待ち伏せの訓練が続いていた。住民の中に流れ者のやり方に反対するものが出て来る。以前ダンカンという男を保安官として雇ったが、3人組が鞭で撃ち殺した、街の住民は黙ってそれを見ていたのだった。

 流れ者はカリーを夕食に誘いベッドを共にする。そこへ住民がやって来るが、流れ者は逃げ出しており、部屋を爆破し襲ってきた男たちを撃ち殺す。彼はやる気が失せそうだと話し、追加のボーナスを要求する。ホテルの一部が爆破したので、彼の寝る場所がなくなり、彼はホテルの女主人と共に一夜を過ごす。翌朝彼女はダンカンの件を彼にする。

 彼は町中を赤ペンキで塗るように指示する。ホテルの主人が戻り、女主人とダンカンの件で話をする。主人はダンカンが鉱山が国有財産でそれをダンカンが通報しようとしていたので、殺したのはやむを得ないと話すが、女主人は承知しない。

 ホテルを襲った後逃げたモーガンは3人組に助けを求めるが、ブリッジズは金庫の番号を教えろと話し断られると彼を殺す。そこへ流れ者がやって来て一人の耳を撃ち、ダイナマイトを投下し街へ戻る。街は真っ赤に塗られていた。住民は準備をする。

 3人組が街へやって来る合図が鳴る。流れ者は馬に乗り街をゆっくりと去っていく。そして3人組がやって来る。住民たちの反撃はならず、何人かは撃たれる。住民は酒場に集められ、3人組は怒る。その時流れ者が現れる…

 

 イーストウッドの西部劇ということで見たが、何だか不思議な映画。セリフの通りに理解すれば、彼は前に殺された保安官ということになるが、それじゃ幽霊ってことになってしまう。街を赤く塗る理由もわからない。街の名前の看板にHELLと書くのは、住民が前の保安官を殺させたことを暗示するのか。

 痛快な娯楽作品のつもりで見たが、何だか考えさせられる映画。ってイーストウッドが監督してるのか。うーん。