アパッチ砦

●498 アパッチ砦 1948

 サースデイ中佐が娘フィラデルフィアとアパッチ砦に指揮官として赴任してくる。彼はこの異動を左遷だと受け止めていた。旅の途中、中佐は同じくアパッチ砦に赴任されるオローク少尉と一緒になる。フィラデルフィアとオロークは恋に落ちる。中佐は手柄を上げ中央へ戻る気であり、砦の下士官たちにも厳しく接する。

 ある日、オロークがフィラデルフィアと馬で遠出し、電線が切れている現場で修理係たちが死んでいるのを発見、砦に戻る。中佐はすぐにオロークたち少数に電線修理と遺体回収を命じる。そして自らは小隊を率い彼らの後を追う。オロークたちは先住民たちに待ち伏せされていたが、中佐たちの応援で撃退する。

 中佐は政府から派遣されたミーチャムの元へ。彼は先住民相手に非合法な商売をしており、それに反発した先住民たちが怒って襲撃をかけていたことが判明する。ヨーク大尉は先住民の指導者であるコチーズとの話し合いを提案、自ら通訳を連れコチーズの元へ行く。そして話し合いによる解決を取り付けて戻ってくるが、中佐は先住民たちを撃退すると宣言する。

 隊を率い先住民たちの元へ駆けつけたが、先住民たちは隊の4倍の兵力を持っていた。ヨーク大尉は中佐に話し合いをすべきだと進言するが、中佐は拒否。先住民たちに居留地へ戻らなければ攻撃すると宣告する。そして両者は戦いことに。圧倒的な兵力の前に隊は壊滅、最後まで指揮をとった中佐は戦死してしまう。ヨーク大尉は先住民たちに降伏する。

 オローク少尉はフィラデルフィアと結婚、ヨーク大尉が指揮官となる。

 

 一本前に観た映画がヒドかったので、「確実な」ジョンウェインの西部劇を観ることに。「騎兵隊三部作」(他の2本は「黄色いリボン」「リオ・グランデの砦」)の第1作と言われるものなので安心して観たが、残念ながらスカッとする、という感じにはいかなった。

 とにかくサースデイ中佐が頑固すぎる(笑 部下たちの進言は聞き入れず、娘の恋は許さない。態度こそ紳士的だが、左遷され手柄をあげるのみに頭が行ってしまっている。ここまではよくある「ダメな上司」パターンかと思ったが、ラストで新たに指揮官となったジョンウェインが中佐を褒め称えるのが、よく分からない。これが騎兵隊魂なのだろうか。ジョンウェインのセリフ、「彼は隊の名誉を守った」というのもよく分からない。だって全滅でしょ?何かを守るために自ら犠牲になった、というならわかるけれど。これが現代日本にいるの自分と西部開拓時代のアメリカ人の考え方の違いなのだろう。

 ヘンリーフォンダとジョンウェインの共演も自分にとってはちょっと驚き。しかもフォンダの方が上官でウェインが部下、という関係なのね。ビックリ。

 「黄色いリボン」も自分的にはちょっと評価が低い作品だったが、本作も同様。三部作のラスト「リオ・グランデの砦」はどうなんだろう。早速観てみたいと思うが。