ある愛の詩

●694 ある愛の詩 1970

 スケートリンクの観客席にいる男性が亡くなった女性のことを思い出していた。

 

 オリバーは大学の図書館でジェニーと出会う。オリバーはアイスホッケーに夢中の御曹司、ジェニーは音楽好きな大学生だった。オリバーはジェニーに一目惚れをし、ジェニーに言い寄る。なかなか良い返事をしなかった彼女だったが、とうとう二人は付き合うことに。

 早速オリバーはジェニーを家に連れて行き両親に合わせる。しかしオリバーの家が想像以上の豪邸だったためジェニーは腰が引けてしまう。それでもオリバーは大丈夫だからと両親に合わせる。オリバーの両親と過ごした二人だったがもともとオリバーは父親が自分の行き方に介入してくるのを好んでいなかった。後日父親と会ったオリバーは別れるように言われ、親子の縁を切ることを決意。オリバーはジェニーの父に会う。宗教観の違いがあったが、ジェニーの父は二人のことを受け入れてくれたため、二人は結婚をすることに。

 オリバーが父との縁を切ったため、学費もままならず、オリバーは奨学金の申請をする。しかし富豪の息子であるオリバーは奨学金を受けることができなかった。父に反目するオリバーに意見するジェニーだったが、オリバーが折れることはなかった。

 それでもオリバーは優秀な成績で大学を卒業、NYの法律事務所で働くようになる。二人は子供を作ることを望むがなかなか赤ちゃんを授からなかったため、医者に行く。そこでジェニーが病気であること、余命が幾ばくもないことが判明、オリバーだけがその事実を告げられる。

 ジェニーの治療のため高額な治療費がかかることがわかり、オリバーは父親に理由をつけずに借金を申し込む。偽の理由を告げオリバーは金を借りる。二人はスケートリンクに行きオリバーがスケートをする姿をジェニーに見せる。ジェニーの病状が悪化、ついに彼女は亡くなってしまう。事情を知ったオリバーの父が病院にやってきて、オリバーにお悔やみを告げようとするが、オリバーは愛とは決して後悔しないこと、と話す。

 そしてスケートリンクに行き、冒頭のシーンへと戻る。

 

 タイトルもテーマ曲も名セリフも、どれも有名な名作の一本。随分と昔に観た記憶があるが今回久しぶりに鑑賞。ストーリーはほとんど覚えておらず新鮮に観ることができた。

 

 恋に落ちる若い二人。しかし女性が若くして亡くなってしまう、というラブストーリーの黄金パターン。ここ10年以上似たような話の邦画が多いが、全てはこの映画から始まったと言っても過言ではないのだろう。

 男性が一目惚れするが、当初女性は一歩引いた感じで接する。二人が付き合い始めるが、男性は父親に反目、父親も女性との付き合いに難色を示す。それに対し女性の父親は理解を示す。完全にベタなパターンだが、これが二人の幸せな時間と悲しいラストを盛り立てるのだから仕方ない(笑

 

 アリマッグローは本作と「ゲッタウェイ」しか観た記憶がないが、本作初登場シーンですぐにその顔がわかった。記憶に残る女優さん。ライアンオニールも同じ。本作と「ペーパームーン」ぐらいしか知らないが、記憶していたのは「ペーパームーン」の方か。父娘共演のこちら、久しく観ていないなぁ。久しぶりに放送してくれないかしら。

 

 初めて本作のwikiを見たが、あの名セリフの直訳を知ると、本作での翻訳の素晴らしさが際立つ。昔の翻訳はホントに職人仕事だったんだと思う。