ゲッタウェイ

●662 ゲッタウェイ 1972

 刑務所4年目ドクは仮釈放申請をするが通らず。面会に来た妻キャロルにベイノンに働いてもいいと伝えさせる。するとあっさり仮釈放されることに。久しぶりに妻との時間を過ごすが、ドクは4年の間に妻キャロルが何をしていたかを疑う。

 出所したドクはベイノンと会う。早速銀行強盗をするように持ちかけられ、仕事仲間もルディとフランクを指名される。その銀行は小さな銀行だが50万ドルが集まっていると言われる。ドクはキャロルを含めた4人で強盗の計画をする。

 そして当日、電気配線を切り銀行を停電させたドクたちは銀行を襲う。さらに町中に仕掛けた爆薬で現場付近を混乱させるが、銀行内部にいたフランクが守衛を撃ち殺してしまう。二手に別れて逃亡する4人。フランクとともに逃げていたルディは途中でヘタを打ったフランクを射殺し、ドクたちと合流する。その場でドクたちも殺そうとするが一瞬早くドクがルディを撃つ。

 ドクはベイノンの家へ向かう。途中ラジオが銀行強盗が発生し75万ドルが盗まれたというニュースが流れる。ベイノンと会ったドクは強盗の真相を聞かされる。銀行の理事である弟が25万ドルを使い込んでおり、ドクはその尻拭いをさせられたのだった。二人が話しいる最中にキャロルが入って来て、銃をドクに向ける。しかしキャロルが撃ったのはベイノンだった。

 キャロルはドクが刑務所にいる時にベイノンと合うように指示され、彼と寝ていたのだった。それを知ったドクは激怒。その頃、ルディは防弾チョッキを着ていたため息を吹き返し医師夫婦の家を襲い治療をさせる。さらにベイノンの弟が兄の死を確認、強盗犯たちを追うことに。

 ドクとキャロルはエルパソへ向かうために駅へ。しかしコインロッカーに50万ドルが入ったカバンを入れる際に、キャロルは詐欺師に騙されカバンを盗まれてしまう。それを知ったドクは詐欺師を追い列車へ。列車の中で詐欺師を見つけたドクは無事カバンを取り戻すが、駅で待っていたキャロルと別れると言い出す。

 ルディは医師夫婦を脅しながらエルパソへ向かう。ベイノンの弟たちはドクたちが向かっているエルパソのホテルへ。列車での詐欺師が警察に捕まり、ドクが銀行強盗犯だと発覚してしまう。

 ドクはエルパソの街で車やショットガンを入手するが、既にドクの顔がニュースで流れておりドクは警官を撃って逃げる。その後バーガーショップでも店員にドクの顔がバレ通報されてしまい、警察に追われるハメに。ドクとキャロルはゴミ収集車に乗ることで難を逃れる。ゴミ集積場まで来た二人は仲直りをし一緒に逃亡することに。

 ホテルにルディが到着。オーナーを脅しドクが来たら知らせるよに言う。そこへドクとキャロルがやってくる。オーナーの不自然な態度に気づいたドクは逃げようとするが、そこにベイノンの弟たちもやって来て銃撃戦となる。ドクは皆を倒し、キャロルとともにホテルから逃げる。偶然その場にいた老人の運転するトラックに乗り込んだ二人だったが、老人は二人が警察から逃げているのを知り、逃亡を手助けし検問も突破、ドクは老人から3万ドルでトラックを買い、キャロルと二人でメキシコへ向かう。

 

 久しぶりにマックィーンの映画を観た。もちろん大昔に観たはずの一本だが、彼の現代モノというと「ブリット」や「ハンター」のイメージが強く印象に残っており、本作冒頭で刑務所にいるマックィーンに違和感があった(笑

 

 要はストーリーを完全に忘れていたわけだが、その分存分に楽しませてもらった。前半、仮出所、銀行強盗、追跡、詐欺師など次々と場面転換する面白さはスゴい。短いカットを連続させることで、緊張感はあるし、刑務所の中にいる際の孤独感もよくわかる。また銀行強盗直前の行動も説明なしで進むため、強盗直後にその行動理由がわかってなるほど、と思わせる。

 後半はマックィーンとマッグローの逃亡劇となるが、ニュースで顔が割れてしまったマックィーンがショットガンを使って逃亡し続けるシーンのカッコ良いこと。そしてラストのホテルでの銃撃戦。前半で殺したはずのルディが生きていたことが影響しているのか、確実に相手を殺すマックィーンの残酷さがスローモーションとなる映像でより明らかになる。

 

 ニューシネマっぽいストーリーで悲劇的な結末が予想されるが、突然登場した人の良い老人によって、主人公二人が無事メキシコに去っていくラストも良い。

 あぁ久しぶりに昔の傑作を観たなぁという一本。