●715 ナイル殺人事件 1978
2022年製作のリメイク版を見たばかりなので、オリジナルである本作を鑑賞。基本的なストーリーは同じなのであらすじは省略して、リメイク版との違いを。
・リメイク版冒頭のポアロの軍隊時代のシーンは当然なし
・ジャッキーとサイモンがリネットと出会うシーンにポアロは存在せず。ポアロが事件関係者と出会うのはリネットたちの新婚旅行先であるエジプト。
・ポアロの相棒となるのはレイス大佐。リメイク版のブークの立場?
・リメイク版では、リネットの結婚パーティの参加者が船に乗ることになるが、オリジナルである本作では、彼らは偶然船に乗り合わせることになっただけ。船に乗る前のホテルから同行している。
ストーリー上の違いは、上記の通り。2時間20分の映画だが、1時間が経過したところで、ジャッキーがサイモンを誤射事件が発生。その後、40分かけてポアロの取り調べが行われ、10分弱で第2、第3の事件が発生。残りの30分でポアロが謎解きをする、という時間配分での展開。
ポアロが容疑者たちを取り調べ、彼らに犯行のチャンスがあったことを画面上で示すのはリメイク版と同じだが、オリジナルである本作の方が、その描き方が実に丁寧だった。40分も時間を使っているからだろう。
第1の犯行に使われた、スカーフとマニキュアの紛失もキチンと描かれているが、初見であれば気にせず見過ごしてしまうような描き方。特にマニキュアの紛失の方は、理由を知っていても、あの描き方ではなんだかよくわからないと思う(笑
リメイク版での感想で、ポアロの謎解きシーンがあっさりし過ぎだと書いた。本作では30分弱が使われている。リメイク版の謎解きシーンの時間を計ってみたら実質約15分程度。子供の頃に見た記憶だったが、間違いではなかったようだ(笑
これもリメイク版での感想で、物語前半部分にあたる、サイモンとリネットとの出会いやジャッキーがしつこく新婚二人の前に現れるシーンが丁寧に描かれている、と書いたが、本作でもこれは丁寧に描かれていた。というか、本作の前半部分はほとんど記憶になかった。前半で記憶に残っていたのは、神殿?でジャッキーが突然新婚二人の前に登場するシーン。
ジャッキー役のミアファローの表情が記憶に残っている。前半の狂気に満ちた表情、後半始めの誤射してしまった後の取り乱した表情、そしてラスト、ポアロに真相を見抜かれた後の表情。彼女の出演した作品はこの1本しか観たことがないが、未だにその表情は忘れられない。
出演している他の俳優のことで。金持ちの婦人の付き添い看護婦?役はハリーポッターの先生だし、女性作家はジェシカおばさんな訳で。当時は豪華俳優陣と言われてもピンとこなかったが、この歳になるとこの映画もなかなかスゴい人たちが出ていたことがわかる。この映画のwikiを見ていたら、あの有名なバッグのバーキンの由来になった女性まで出演しているらしいし。そう言えば、船に皆が乗っているところで、この俳優陣が横一列に並ぶシーンがあったけど、そういうことなんだろうなぁ。
最後にミステリーとして。改めてポアロが第1の事件で引っかかった部分に感心した。現場にジャッキーを示すJの血文字を残しながら、一番容疑をかけやすいはずの彼女の拳銃を隠した、という矛盾。ポアロさすがだ(笑
しかしさらに考えると、どうしてサイモンはあの拳銃を川へ投げ捨てたのだろう?銃弾を補充して2発しか撃っていないように細工したのだから、捨てる必要はなかったのでは?消音に利用したスカーフやマニキュアのついたハンカチは捨てる必要があったと思うが。そのための重しに拳銃を使った?いやいや、本作では重しに灰皿も一緒に入っていたからなぁ。と思ってネットで調べたら、yahoo知恵袋に同じ質問をした人がいた(笑 そうか、あのままだと拳銃がサロンで発見され、その拳銃でリネットが殺されたことがバレちゃいけないのか。納得。
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