レイジング・ブル

●120 レイジング・ブル 1980

 実在のプロボクサー、ジェイク・ラモッタの話。

 1964年ニューヨーク、ジェイク・ラモッタの夕べが行われようとしていた。

 1941年オハイオ、対リーブス戦、最終ラウンドで大逆襲をかけるが判定でジェイクは負ける。

 1941年ニューヨーク、ジェイクの弟ジョーイはサルビーから、組織を仕切るトミーにジェイクの試合を任せるように言われる。ジョーイはジェイクの所に行くが、ジェイクはジョー・ルイスとの試合を望んでいたが、ジョーはヘビー級、ジェイクはミドル級で無理な話だった。ジェイクは苛立っており、妻や弟に当たっていた。

 ジェイクの練習場へサルビーが顔を出しジョーイに挨拶をする。ジェイクはそれを嫌い、二度と来させるなと命令する。

 ジェイクとジョーイはプールでサルビーが連れている女ビッキーを見かける。ジェイクは一目惚れする。二人はビッキーに会うために教会主催のダンス会場に向かうが、それを聞いたジェイクの妻は呆れて家を出る。ビッキーを見かけるが、彼女はサルビーたちと出て行ってしまう。

 別の日、ジョーイはプールに来ていたビッキーをジェイクに紹介する。ジェイクは彼女を誘い、父親の家に連れて行く。

 1943年デトロイト、2度目の対シュガー・レイ・ロビンソン戦。1年前の10月にジェイクは破れていた。試合は判定でジェイクが勝ち、ロビンソンの無敗記録を止めた。

 1943年デトロイト、3度目の対ロビンソン戦、ジェイクは押していたが、今度は判定でロビンソンが勝つ。

 その後、1944年から4年の間、ジェイクは連勝を続ける。この間にジェイクは子供もでき、ジョーイも結婚、子供もできる。

 1947年ブロンクス、ジェイクと彼のマネージャーになったジョーイは次の試合のことで揉める。次の相手を二枚目だと言ったビッキーの浮気をジェイクは疑い始める。ジェイクは次の試合のための減量を嫌だと言い出すが、ジョーイはもう戦う相手がいないと話し、次の試合をすればタイトルマッチだと彼を説得する。ジョーイはビッキーのためにも皆で出かけようと誘う。彼らは奥さんも誘いクラブに飲みに行く。そこにトミーとサルビーも来ていた。彼らに挨拶したビッキーをジェイクは責める。

 1947年ニューヨーク、対ジャニロ戦。ジェイクは相手をボコボコになるまで殴り倒す。その後、ジョーイは酒場で飲んでいる時にビッキーがサルビーと飲みに来ているのを目撃し、サルビーを相手に大暴れしボコボコにする。後日、トミーが二人のことをとりなす。その際、ジョーイは次の対戦相手が決まらないことを話すとトミーは組織が動かなければタイトルマッチは組めないことを兄に伝えろと話す。

 ジョーイはジェイクにタイトルマッチのために次のフォックス戦で八百長をするよう話す。コミッショナーから試合前に八百長疑惑を聞かれるが、ジェイクは必ず勝つと答える。しかし試合では戦うところを見せず、八百長で負ける。ジェイクは試合後八百長を後悔する。しかし八百長がバレて、ジェイクは出場停止処分を食らう。

 1949年デトロイト、チャンピオンのセルダンとのタイトルマッチが組まれる。ここでも試合前に挨拶に来たトミーと挨拶をしたビッキーの態度をジェイクは責める。試合はジェイクが勝ち、新チャンピオンとなる。

 1950年ニューヨーク、ジェイクとジョーイはTVのアンテナを調整していたが、そこへビッキーが帰ってくる。そんな彼女の行動をジェイクは責め、さらにジョーイにまで疑いの目を向ける。怒ったジョーイは家に帰る。ジェイクはビッキーを責めるが、しつこい彼に切れた彼女は有る事無い事をまくし立てる。それを聞いたジェイクはジョーイの家に乗り込み、彼を殴り倒す。その夜、ビッキーは家に戻り、家を出るための準備を始めるが、ジェイクは彼女に謝る。

 1950年デトロイト、防衛戦ドートヒル戦、圧倒的に敗勢だったが、またも最終ラウンドで大逆転で勝利する。

 次の試合はロビンソン戦、42〜45年の間に5度戦った相手。マネージャーをやめていたジョーイがTVで見守る中、13ラウンドでジェイクは相手に一方的に打たせ敗北する。

 1956年マイアミ、彼は引退し、自分の名前を冠したクラブのオーナーで、トークショーもしていた。ある時店の従業員に応募して来た21歳の女2名をキスの仕方で年齢を認め採用する。そんな時、ビッキーが店に来て離婚を申し出る。親権ももらうと話し去って行く。さらに後日、採用した女が21歳ではなく14歳だとわかる。1万ドルを用意するためベルトを壊し宝石を売ろうとするが、質屋が欲しがったのはベルトそのものだった。

 1957年フロリダ、彼は結局刑務所に入れられることとなる。独房に入った彼は自分のして来た行為を悔やむ。

 1958年ニューヨーク、彼は小さな店でトークをしていた。店を出た際にジョーイを見かけ、声をかけ仲直りをしようとする。そしてバービゾン・プラザホテルで彼のトークショーが行われようとしていた…

 

 実在の人物の話らしいので、ストーリーがどうだとかは言えないが、途中から描かれる人間不信は引くぐらいスゴい。もし周りにあんな人間が実際にいたら、どうしたら良いかわからなくなるだろうなぁ。ボクシング場面よりも、この人間性を描くことがメインテーマなんでしょ、きっと。

 映画としては、ボクサーのパッキパキの体と引退後のブヨブヨの体を作ったデニーロの真骨頂の一言。