アルカトラズからの脱出

●147 アルカトラズからの脱出 1979

 1960年アルカトラズの刑務所にモリスが送られてくる。食事時にリトマスと知り合う。彼はネズミに餌をやっていた。

 モリスは所長に呼ばれる。ここでは命令に従うだけ、新聞雑誌も禁止だという話を聞く。モリスは過去に何度も脱獄していた。所長は自分が所長になった後脱出を試みたものは、再収容か射殺、海で溺死だと話す。会話が終わった際にモリスは爪切りを盗む。

 モリスがシャワーを浴びているとウルフがやってきて新しい相棒を探していると話すが、モリスは彼を殴る。

 モリスは図書館の仕事を与えられ、そこでイングリッシュと知り合う。彼からD棟の話を聞く。その後本をD棟へ運ぶが、そこには明かりのない独房があった。

 庭で絵を描いているドクと知り合う。その後イングリッシュと話し脱獄の難しさについて聞く。ここは岩の島、周りの海は冷たく、本土まで2km。

 モリスは木工作業をすることになる。時給は15セント。リトマスから出口は上、換気口から屋上へは行けると聞く。

 庭でウルフがナイフを持ってモリスを襲ってくる。結果二人ともD棟の独房へ。独房ではホースで水をかけられる。看守は所長は喧嘩と悪臭が大嫌いだと話す。

 通常の独房に戻されると、ネズミが手紙を持ってきた。リトマスからのおかえりという手紙だった。隣に新入りのチャーリーバッツが入ってくる。

 庭での自由時間中に所長が房のチェックをし、ドクの部屋で所長の絵を見つける。所長はドクの絵の特典を禁止にする。絵を取り上げられたドクは木工作業中に斧で自分の指を切り落とす。モリスの作業着のポケットにはドクが花が入れていた。ドクが描いていた絵に描かれていた菊の花だった。

 モリスは部屋で壁の通風口からゴキブリが出てきたのに気づく。

 食事時にアングリン兄弟と再会する。

 モリスは通風口の周りを削り始める。

 イングリッシュとバッツに面会が来る。バッツは母親が余命いくばくもないことを知り、モリスに脱獄するなら一緒にと話す。食事時にモリスは通風口の件を話す。バッツとアングリン兄弟は脱獄に賛同する。モリスは、彼らに脱獄の計画として、ベットに置くダミーの頭部、イカダと救命衣を作る、本土ではなくエンジェル島へ、など話す。

 モリスは通風口の周りを削り進める。スプーンの柄と爪切りの先を10セント硬貨を削った粉で溶接し、削りやすい道具を作る、木工作業でも道具を作り金属探知機を抜ける。そして通風口の格子が抜ける。

  通風口の絵を描き、髪の毛を手に入れ頭部の模型も作る。そして通風口からダクトへ抜けるが、屋上へは上がれない。次の日二人で抜け出し屋上への抜ける方法を探り、扇風機を改造したドリルを使う。

 食事中、ドクのために花を飾っていると所長が見つけ規則違反だとして取り上げる。それを見たリトマスは興奮して所長に掴みかかろうとするが、発作が起き死んでしまう。モリスの部屋に立入検査が入る 所長はモリスの様子を看守に聞き、バッツと夜遅くまで話していると聞くと、部屋を変えるように言う。

 ウルフが独房から出てきて、モリスに話しかける。モリスは脱出を今夜決行すると話す。ウルフは庭でモリスに襲いかかろうとするが、気がついたイングリッシュが止める。

 そして脱獄決行の夜。バッツが上に上がって来ず、3人だけで屋上へ上がる。バッツが遅れて上がってくるが、一人では屋上へ上がれない。3人は建物の外へ。イカダに空気を吹き込み、救命衣を着て海に出る。

 翌朝モリスの部屋を変えようと看守がやってきて脱獄したことに気づく。捜査が開始され、所長もエンジェル島へ行く。そこには菊の花があった…

 

 イーストウッドの映画は何本目だろう?しかしこの人は本当に色々な映画に出演している。この作品は実話を元にした脱獄もの。刑務所内で仲間を集め、それぞれが得意分野があり、道具を作ったりするなど色々な工夫をして、脱獄をして行く。名作大脱走に近いものを感じるが、こちらは実話なのがスゴイ。

 大掛かりではないが、スプーンの柄と爪切りの先を溶接する場面などは非常にリアリティがある。というか、房で火を燃やしても怪しまれないのは少し変だけど。ラスト、バッツが遅れた理由がよくわからないが、失敗した時の恐怖(独房行きなど)で前に進むことができなかったのか、ということなのか。イングリッシュとの友情など、よくできたエピソードもあったのに、バッツの件はもう少し説明的シーンがあっても良かったかな。