帰らざる河

●483 帰らざる河

 ゴールドラッシュで賑わう街へ男が9歳の少年を探しにやってくる。男はマット、少年は彼の息子でマーク。事情があってマットはマークを知り合いに預けていたが迎えにきたのだった。マットはマークを見つけ街を去ろうとするが、マークは世話になったケイに挨拶をしたいと言い出す。ケイは酒場で歌う女だった。ケイに別れを告げ二人は街から去り、農場で暮らすことに。楽屋に戻ったケイの元へ恋人ハリーがやってきて、カード賭博で鉱山の権利を得たので、早く登記をしたいと言い、ケイを連れ出す。

 ある日マットたちのいる農場のそばの川でイカダが遭難しそうになっていた。マットはイカダを助ける。そこにいたのはケイとハリーだった。彼らは登記のためカウンシルシティへ向かっていた。マットは川下りで行くのは危険だと話す。するとハリーはマットを脅し馬と銃を盗もうとする。ハリーとマットは格闘となりマットは怪我を負う。ハリーは馬と銃を奪って逃げてしまうが、ハリーの行動に怒ったケイはマットの世話をするために残る。マットたちの農場は先住民たちに狙われていたため、マットはマークとケイを連れ、イカダで農場を脱出する。

 イカダは激流の川を下る。途中休憩している時にケイはマットにハリーを殺すのかと尋ねる。マットは先住民がいる地域で馬と銃を奪われたのは、命を奪われたのと同じだと言い、ハリーを殺すつもりだと答える。ケイはマットが以前殺人を犯したことを攻めるが、それを息子のマークに聞かれてしまう。

 イカダの旅は続く。野営している時にピューマに襲われるが、通りかかった金鉱掘りの男たちに助けられる。男たちはケイに色目を使い一緒に行こうと誘うがケイは断る。怒った男たちは乱暴をしようとするがマットが止め、男たちから銃を奪う。

 イカダの旅を続けるが、先住民たちが襲ってくる。男たちから奪った銃で応戦するが、弾が尽きてしまう。それでもなんとか先住民たちを振り切り、やっと3人はカウンシルシティへ到着する。

 そこでマットはハリーを見つける。ケイは自分がハリーを説得し謝罪させると話すが、ハリーは聞く耳を持たなかった。彼はマットを撃ち殺そうとするが、雑貨屋で銃を見ていたマークがハリーを撃ちマットは助かる。

 ケイは酒場で以前のように歌を歌うが、マットは彼女を連れ出し、3人で街を去って行く。馬車に乗せられたケイはハイヒールを脱ぎ捨てて行く。

 

 モンローの映画は「紳士は金髪がお好き」「七年目の浮気」に続き3本目。「七年目〜」のブログにも書いたが、「七年目〜」の後にモンローは芝居を習うことになったようだが、本作はその前に撮影されたものか。それでも前の2本に比べれば、グラマーでちょっと足りない女性役から、ハリーとマットの間で揺れ動く女性役をそれなりに表現できているように思えるのは、ひいき目が過ぎるか。

 劇中でモンローが何曲か歌を披露しているが、思わず聞き入ってしまった。川を下るシーンもとても印象的だが、やはりモンローの生歌には敵わない。大統領のために歌っったバースデーソングも好きだが、こちらが一枚上手かな。

 

 一つだけ疑問。ラスト近く川を下る3人が先住民に襲われるシーンで、彼らが連れている馬を見たマットとマークがその馬が自分たちの馬=ハリーの盗んだ馬、と話すのだが、これでハリーは先住民に殺されたと思ってしまったのは私だけの勘違いなのか。なのでカウンシルシティでハリーが生きていたのを見てちょっと驚いてしまった。