華麗なる激情

●054 華麗なる激情 1965

 ミケランジェロの伝記。冒頭10分以上彼の作品紹介が続く。

 時の教皇ユリウス2世はミケランジェロが霊廟の仕事をしているのが気に入らず、システィーナ礼拝堂の天井画を描くことを命じる。彼は天井画を描くことを拒否し他国へ逃げようとするが思いとどまる。フィレンチェから絵描きの助手を多数呼び寄せ、絵を作成するのにあたり足場から自分で組み、作画を始める。

 ある日仕事を終え酒場で酒を飲もうとすると酒がすえていた。店主にそれを告げると店主は樽を確認し栓を壊し悪くなった酒は捨てる、と宣言。それを聞いて自分も仕事場に戻り、絵を取り壊し逃げる。教皇ミケランジェロを探すよう指示を出す。彼は採石場にいたが追っ手が迫ったためさらに逃げる。山の上で風景も見たミケランジェロは閃き、教皇の元へ新しい案の説明に行く。

 そしていよいよ天井全体に絵を描く作業を始める。教皇やその部下たちの反対を受けるがミケランジェロは負けない。しかし天井に向かって描くうちに眼をやられてしまう。彼は治療をするために休むこととなる。その間に教皇の周りの人間が教皇ラファエロを紹介し教皇は天井画をラファエロに描かせるとミケランジェロに告げる、ミケランジェロは必死に仕事を続ける。

 教皇はドイツやフランスとの戦局が悪化する中、とうとう天井画の足場の解体を命じそれに反抗したミケランジェロを解雇する。

 ミケランジェロは去ろうとするが、ラファエロやテッシーナに天井画を続けることや教皇の気持ちを考えるよう助言される。彼は教皇に絵を描き続けることの許可をもらいに戦場へ向かう。

 

 最後はミケランジェロ教皇の二人芝居のようになるがここが良い。天井画を前にした会話、死の床での会話、そして最後の会話。宗教、芸術家、神などについて語られる。前半は少し退屈だったが、後半見せ場が多かった。