スパイ・ゲーム

●094 スパイ・ゲーム 2001

 1991年CIA工作員のネイサン・ミュアーは引退日に呼び出され、部下のトム・ビショップについての情報を求められる。彼は中国での工作中、単独行動により逮捕され、24時間後に処刑されることに。彼は中国の刑務所から囚人を脱獄させようとしていた。またCIA上層部は彼を見殺しにするつもりだった。

 ミュアーはビショップを75年のベトナム戦争で知り、訓練をし一流の工作員にした。その経緯を上層部に話す。それは二人の絆を示す話だった。

 ミュアーは上層部には秘密にマスコミに情報を流し時間稼ぎをするが、CIAはビショップはすでに死亡しているとの情報を流す。IDカードを返却し退官しようとしていたミュアーはそのニュースを見て引き返す。

 彼はビショップが関わっていた作戦の内容を突き止めようとする一方で、刑務所から誰を何のために救出しようとしたかを上層部に話す。彼が救出しようとしていたのは、85年のベイルート作戦で関係した女だった。この時の作戦が元でミュアーとビショップは決別していた。ミュアーは彼女を中国と米国のスパイ交換のため売っていた。

 そしてビショップ処刑の1時間前にCIAで最後の会議が始まった…

 

 タイトルだけ見るとレッドフォードとブラピが派手なアクションをする映画かと思うが、実際にはレッドフォードはCIAの建物内で活躍するだけで、元部下のブラピを助け出すというスゴイ映画。ブラピの工作員としての成長を回想シーンで見せつつ、24時間という時間の中で部下をいかに助けるかと動くレッドフォードの知力も見せる、といううまい描き方だった。回想シーンでのCIAの作戦のやり方など裏の世界の怖さがリアルな一方で、レッドフォードの立ち回りが少しご都合主義なところがあり残念だが、そんなことを言っていたらラストの大作戦はどう後始末つけるんだ、って話になるので、目を瞑りましょう。しかしスティングではいわゆる象徴的な部下的存在だったレッドフォードが上司側になるなんて、時の流れはやはり残酷。