鬼平犯科帳 第3シリーズ #06 いろおとこ

 第3シリーズ #06 いろおとこ

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 同心寺田源三郎は回向院を参っていた。源三郎を見てとても驚いた女が逃げ出す。源三郎は彼女を追う。源三郎は彼女に自分の顔を見て驚いたのは、兄又三郎を知っていたからだろう、源三郎は又三郎を殺した鹿熊の音蔵一味のことを知っているからだろうと話す。源三郎は女に自分のこと、又三郎は去年殺され、その仇を取るために盗賊改方の同心となったことを告げる。女は何も話そうとしないため、源三郎は翌日同じ場所で会う約束をして女を解放する。

 翌日女は来て話をする。女はせつと言い、船見の長兵衛親分のもとで引き込みのつなぎをしていた3年前、又三郎に一味が捕まった際、自分だけは生まれたばかりの子供がいたため、見逃してもらった、その後は又三郎の密偵として働いていた、と話す。

 1年前玉屋に鹿熊の音蔵が入って行くのを見かけ、又三郎に知らせたが、逆に待ち伏せされ斬られたと話す。

 駿河屋に盗賊が入り、盗賊改方が調べる。押し込み火付けが行われ、家人が全員焼き殺されていた。鬼平は2年前浅草伊勢屋であった事件と同じだと話し、源三郎に兄又三郎が追っていた事件だと告げる。

 鬼平は又三郎が調べていたが、何も報告がなかったことを不思議に思う。

 源三郎はせつの話を聞く。せつは亀戸の叔父の居酒屋を手伝っているが、子供は去年亡くしていた。

 音蔵はその叔父の店に現れる。音蔵は叔父に去年盗賊改方につけ狙われていたことを知らせてくれた事の礼を言いに来ていた。それを聞いたせつは、去年からこの件は知っていたが、自分を育ててくれた叔父だからどうしようもなかったと話し、叔父に音蔵の住処を聞こうとするが、叔父は金を持って他の土地へ行こうと話す。

 源三郎は兄嫁と男と女の関係になってしまっていたが、それを後悔しており、兄の仇をとったら剣の修行に出るつもりだと兄嫁に話す。

 鬼平は源三郎を呼び出し、音蔵のことを盗賊改方に任せるよう話し、源三郎は了解するが、鬼平はその態度を不審に思い、彦十とおまさに源三郎を見張るよう命じる。

 音蔵は浪人に源三郎殺しを依頼する。

 源三郎はせつと叔父と会い、音蔵を捕まえる算段を取る。せつはこの件が済んだら江戸を離れると源三郎に話す。叔父が源三郎を音蔵の家まで連れて行くこととなり、源三郎は先に近くの神社まで一人で行くことに。しかし叔父は店を出ようとしない。その時音蔵一味の者がやって来て、うまく運んだようだと話す。源三郎が嵌められたことを知ったせつはそれを伝えようとするが、手下に刺される。

 神社に着いた源三郎は浪人と斬り合いにな理、一太刀浴びるが、そこへ鬼平が助けに入り、浪人は逃げる。それを見た源三郎は腹を詰めようとするが、鬼平は叱咤する。店に帰った源三郎はせつが斬られたことを知る。

 翌日鬼平は宅に源三郎を呼びつけ、叱りつける。せつも宅で医者に診て貰っていた。そこへ叔父がせつに会いたいと自訴してくる。鬼平は叔父に昨夜の一件を問いただすが叔父は音蔵の差し金ではなく、自分がやったことだと言う。理由を問われ、せつが男と女の深みにハマるのを見ていられなかったと話す。身分が違う、二度も弄ばれては、と話すと鬼平は二度とはと聞き、兄又三郎とも関係があったと。叔父市兵衛はせつを自分のものだけにしたかったと話す。そこへ知らせが来て、鬼平は市兵衛にせつは今息を引き取ったと話す。それを聞いた市兵衛は全て話すこととなり、音蔵一味を捕縛することとなった。

 源三郎は鬼平宅を訪れお役目を辞退したいと申し出るが、鬼平は源三郎に話をする…

 

 鬼平シリーズで時々現れる、新しい同心が主人公の物語。前話に続き、よく似た男の物語かと思いきや、男同心と女密偵というちょっと気になる組み合わせのパターン。元々敵討ちものだったので、せつがヤられて最後は源三郎の敵討ちによるカタルシスかと思いきや、やっぱりカッコいいのは鬼平さんというのが珍しくちょっと不満かな。

 原作がどうなっているかわからないが、この結末なら、源三郎と兄嫁のエピソードをもう少し詳しく描かないと、せつとのエピソードの方が優ってしまっていて、ちょっと納得いかないラストとなってしまう。

 でもそんなこちらの気持ちを、最後の鬼平と久栄の会話と、墓参りの忠吾とおまさの会話が吹き飛ばしてくれる。

 なんだ、やっぱり第3シリーズ、やるなぁ。