鬼平犯科帳 第3シリーズ #09 雨隠れの鶴吉

 第3シリーズ #09 雨隠れの鶴吉

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 京都吉文字屋に盗みに入ったのは、釜抜きの清兵衛の一味だった。この仕事の手引きをしたのが、雨隠れの鶴吉とその女房お民。二人は分け前をもらった後、12年ぶりに江戸に旅をする。

 その頃盗賊改方では、合鍵作りの竹蔵を捕らえ、依頼人を吐かせていた。依頼人は稲荷の百蔵だった。鬼平は盗賊改方、伊三次に百蔵の調べをさせる。

 鶴吉とお民は江戸で墓参りをしていた。そこへ録之助が現れる。録之助と鶴吉は幼馴染だった。録之助は鶴吉が父、万屋に会っていないことを怒る。鶴吉の宿に録之助は万屋を連れて来る。万屋は鶴吉に謝る。鶴吉の母は万屋の妾だった。母は本家から送られた菓子を食べて死んだ。それ以来、鶴吉はばあやの家で育てられた。お民が父親を許すように言うが、鶴吉は自分の父親は釜抜きのお頭だと話す。

 盗賊改方は川で死体を発見する。男は竹蔵を捕らえた時に取り逃がした百蔵の手下だと判明する。

 鶴吉とお民が万屋を訪ね、話を聞いているのを怪しい様子で見ている男がいた。男はお民の昔の仲間音五郎、百蔵の手下で引き込み役だった男だった。そのことをお民は鶴吉に話す。鶴吉は全てを録之助に打ち明ける。そして翌日鶴吉は万屋から姿を消す。

 録之助は鬼平に話を通す。盗賊改方は音五郎から百蔵の様子を探る。録之助は鬼平の所に来て、鶴吉とお民はどうなるか尋ねる。旅先の伊豆の宿も記しいつでもお縄を受ける、しかし万屋は助けてやってほしいと言い残していた。鬼平は鶴吉など忘れたと話し、録之助を安心させる。

 百蔵一味は江戸に入り、万屋を襲おうとするが、盗賊改方が待ち構えていた。

 録之助は伊豆の宿へ行き、百蔵の捕物の件と鶴吉のお咎めはないが二度と江戸の地を踏むなと伝える…

 

 盗賊が自分の実家に盗賊が入ることを知ってどうするか、その実家はかつて自分の母親を殺した家なら、なおさら… というお話。まさか自分でお上に訴えるわけにもいかず、そこに録之助が登場して話は解決。サブキャラの使い方がうまい。

 第3シリーズの特徴である、登場人物たちのちょっと深いところが見える部分は、久栄が鬼平と録之助が飲んでいる場で、自分も「てっつあん」と一度は呼んでみたいと言う話を暴露する場面があり、笑える。

 しかし良純がこんなところで時代劇の役者をしてるとは。意外。