極道めし

●119 極道めし 2011

 栗原健太は刑務所にいる受刑者。恋人しおりの面会を受ける。

 ある日食事を拒んだ栗原は、作業中、カンナ屑が舞うのを見て、焼きそばを作っている場面を妄想し、カンナ屑を食べてしまう。彼はその後の食事を貪り食う。

 その夜、彼がいる204号房で、第2回おせち争奪戦が始まる。ルールは、今まで生きてきた中で一番うまいと思った食い物の話をし、それを聞いた他の者に食いたいと思わせた、喉を鳴らさせた者の勝ち、優勝者は正月のおせち料理を皆から一品ずつもらうことができる。

 最年長で審査委員長の八戸は新入りの栗原にも声をかけるが、飯に良い思い出などないと断る。残りの4名でスタートする。

 元ホストの相田は、実家で母親に作ってもらった手料理の話で1点。それを聞いていた栗原は、母親に作ってもらったホットケーキを思い出し言葉に出してしまう。

 次は元テキ屋の森が、海辺でのバーベキューの話で1点。それを聞いていた刑務官が入ってきて、ビールの話をして満点を取る。

 1日目の話は終わる。栗原に手紙が届くが、彼は中身を読めずにいた。

 2日目、元力士のチャンコが、スナックのママに作ってもらった食べたオムライスカルボナーラカレーとおっぱいプリンの話をして3点。ママへの手紙の話から栗原の手紙の話となり、房内で揉め、皆独房に入ることになる。

 皆が独房から戻る。八戸は栗原に今回の件の落とし前として、手紙の内容を話すか、おせち争奪戦に参加するか、を迫る。

 栗原は話し始める。ホットケーキの話とそれを焼き出て行った母親の話、その後チンピラになったがふらりと入った店で同じ施設にいたしおりと出会う話、抗争に巻き込まれ逃げる前にしおりに作ってもらったインスタントラーメンの話で2点。

 栗原が手紙を読めていないことを八戸に指摘されると、チャンコはしおりに同情し手紙を食べてしまい、また騒ぎになり、栗原は独房に入ることに。彼は独房でこれまでのことを思い出し独房でも暴れる。彼はまた204号房に戻る。チャンコは栗原に謝り二人は仲直りする。

 そして争奪戦が再開される。八戸が、戦後間もない頃食べたすき焼きの話をし、優勝する。そして正月204号房では皆でおせちを食べる。

 3年後、栗原は刑期を終え出所する。しおりの勤めていた店は閉店し、家も貸しに出されていた。が、近所に「しおり」という名のラーメン店が開いていた…

 

 同じ原作のTVドラマを楽しく見たので、映画も見ることに。ラストは映画ならこうするのが良いと思うラストで良かったと思うし、そこで流れるエンディングが「上を向いて歩こう」なのも、この作品が公開されたのが2011年秋ということを考えるとピッタリだと思う。原作やドラマ(こちらが後発だが)と違う作品というのも、うまく作れば正解だというお手本かな。