●152 道 1954

 ジェルソミーナは姉ローザが死んだことで、その代わりとして旅芸人のザンパノに1万リラで売られる。彼はジェルソミーナを自分の女にする一方で芸を教え、助手として使う。しかし金が入れば酒場で知り合った女とどこかへ行ってしまうような男だった。

 ある時結婚式で芸をしていた二人は食事をご馳走になる。その家には病気の男の子がいた。ジェルソミーナはザンパノに色々と話しかけるが彼は相手にしない。彼女は嫌気がさして彼の元を離れ、街へ行く。そこで綱渡りの芸を見る。その夜、ザンパノが彼女を迎えに来る。拒む彼女だったが彼のバイクに乗って一緒に行くことに。

 二人はサーカス団に参加することにする。そこにはジェルソミーナが街で見た綱渡りの芸人がいた。彼は何かにつけザンパノをからかう。そんな彼がジェルソミーナと一緒に芸をやろうと練習を始める。それを見かけたザンパノは怒り、綱渡りの芸人をナイフを持って追いかけ回す。事が大きくなり、警察が来て二人は逮捕される。

 途方にくれるジェルソミーナだったが、サーカス団が一緒に来るように誘ってくれる。しかし彼女は一緒には行かなかった。その夜綱渡りの芸人が一人戻って来る。彼は一緒に旅に行こうと誘うが、彼女はザンパノの事が気がかりだった。彼は彼女に、どんなものでも必ず世の中の役に立っているという話をする。ジェルソミーナは自分がザンパノのためにいると思い始める。彼女の思いを知った彼は、警察の前までバイクごと彼女を運んで行く。

 翌朝警察から釈放されたザンパノを彼女は迎え、二人はまた一緒に旅をすることに。二人はガソリンがなく修道院に泊めてもらうことに。その夜、ザンパノは修道院の銀の飾りを盗もうとする。ジェルソミーナは反対するがザンパノは聞かなかった。

 翌日修道院から出た二人は故障している車を見かける。それはあの綱渡り芸人のものだった。いつものようにからかわれたザンパノは彼を殴るが、打ち所が悪く彼は死んでしまう。ザンパノは死体と車を隠し逃げる。

 二人はまた旅を続けるが、ジェルソミーナは人殺しをしたことを忘れられず、芸にならなかった。そんなザンパノはある夜、寝ている彼女を残し去ってしまう。

 それからしばらく後。ザンパノは別のサーカス団で働いていた。街を散歩している時に、ジェルソミーナがよく口ずさんでいたメロディを聞く。それは少女たちが口ずさんでいたもので、数年前に海で見つかった少女がラッパで吹いていたもので、彼女は病死してしまった、と聞く。その夜、ザンパノは酒場で酒を飲み荒れる。そして海岸に行き彼女を思い泣き崩れた…

 

 名作とは知っていたが、見ていなかった作品の一つ。出て来る男たちがめちゃくちゃで、女は我慢強い。今も昔も変わらないか。少し頭の弱い主人公が、綱渡り芸人の言葉で自分が生きる意味を掴むシーンが良い。映画のテーマなんだと思うし、普遍のテーマ。

 蛇足だが、アーティチョークって何だ?って調べて初めて知った。言い得て妙 (笑