帰天城の謎　はやみねかおる

　あのTRICKのパロディ版。上田と山田が大学生中学生の時に出会っていた、という設定であり、さらにTRICKの世界観そのまま、400年前の帰天城の謎を解くというもの。

　作者はあとがきで、昔二人がすでに出会っていたのに、ドラマで最初に会った時にどうして相手を覚えていなかったか、を作り出すのに苦労したと書いているが、ファンにとってはそんなことはどうでも良い（笑　というか、しっかりと世界観が守られており、しかも山田の一人称で話が進み、その言葉遣いに全く違和感がない。

　大胆な謎が提示されるが、これまたTRICKのように謎解きもされていくので心地よい。

　はやみねかおるさんの本は初めて読んだが、子供向け小説の作家さんらしく、話は読みやすくあっという間に読めてしまう。今回はやみねかおるさんが男性だと初めて知った（笑