鬼平犯科帳 第5シリーズ #04 市松小僧始末

 第5シリーズ #04 市松小僧始末

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 日本橋界隈で嶋屋のおまゆの名を知らぬ者はいなかった。力と腕っ節は関取並みで売れ残りとして世間話のタネだった。

 ある日おまゆは歩いていると、橋の上で柿の皮を切らずに長く剥いて男がおり、見物人が群がっていた。するとスリが浪人の財布を盗もうとし見つかる。それを見ていたおまゆは声をあげ、その声に驚いた男は柿の皮を切ってしまう。浪人はスリを捕まえ、その両手を橋の欄干に置いて小刀で刺してしまう。皮を切っていた男は浪人に斬りかかろうとするが、それをおまゆが止めた。男は江戸一のスリと謳われた市松小僧だった。

 両手を刺された仙之助と市松小僧は親分の元へ帰る。あの女が声を出さなければ、と仙之助は言い訳するが、親分は認めなかった。市松小僧はあの女のせいだと怒る。

 おまゆは役宅に剣の出稽古に来ていた。おまゆの上達ぶりに感心した鬼平は酒井に手合わせしてみろと話す。二人は互角だった、と鬼平は笑う。おまゆは嶋屋へ帰る。おまゆの両親は縁談の話をする。その相手彦太郎が来たので、おまゆが相手をする。おまゆは彦太郎が嶋屋の身代が目当てであることを見抜いていた。おまゆは荷下ろしを手伝うよう彦太郎に言い、やてみようとするができなかった。しかしおまゆは軽々と荷下ろしをし、それを見た彦太郎は逃げ出してしまう。

 おまゆの縁談が壊れたことを酒井が鬼平に報告する。

 街を歩くおまゆを市松小僧が襲う。しかしおまゆは市松を倒し気絶させてしまう。おまゆは市松を船宿へ運び、縛り上げる。そしてどうして私を憎むのかと尋ねる。市松は例の事件の話をする。おまゆは声を出す前から浪人はスリに気づいていたこと、スリを助けようとしたことを話す。市松はおまゆにもう一度会いたかったと告白する。おまゆはその言葉が信じられず市松を殴ってしまうが、二人は結ばれることに。

 嶋屋ではおまゆが昨夜からいなくなって騒ぎになっていた。そこへ鬼平と酒井が来て話を聞いているとおまゆが帰って来る。おまゆは両親に昨夜はどこにいたのかと問いただされるが答えない。しかしとても幸せだと話す。鬼平はおまゆに男ができたことを見抜いていた。そこへ彦十が顔を見せに来る。

 彦十は吹き矢の金次を見かけたと報告する。酒井は酒の飲み過ぎで手が効かなくなったと聞いていると話す。鬼平は市松小僧は金次の子分だと話す。

 おまゆは市松と船宿にいた。市松は母親のことを話す。おまゆは市松と一緒になると話すが、市松は二度捕まっていて、スリは3回捕まったら死罪だと言う。おまゆはスリから足を洗うから大丈夫だと話す。おまゆは両親に全てを打ち明け、店を継げないことを謝る。父親は100両を出す、5年待つ、所帯を張り通せれたら娘の亭主として認める、しかしそれまでは親でも子でもない、家への出入りは認めない、と話す。

 彦十は街で金次を見かける。金次は質屋で昔の仲間と話をしていた。そこへ盗賊改方が入って来て捕り物になるが、金次は吹き矢を使い逃げてしまう。金次は隠れ家へ帰り、すぐに逃げると話す。市松はそれはできない、堅気の女と一緒になるつもりだと話す。金次はどうしてもお前は連れて行くと小刀を出して市松に言う。仙之助が自分も、と言い金次に取り付くが、小刀で刺されてしまう。市松は怒りその場を逃げ出す。しかし外には盗賊改方が待っていた。金次は捕まるが、市松は逃げる。

 おまゆと市松は所帯を持ち、半年後広小路に小さな店を出した。そこへ鬼平と酒井がやって来る。そこへ市松が帰って来る。市松は二人に挨拶をする。店を出た酒井は人相書きを出し、おまゆの夫が市松だと話す。しかし鬼平はほっておこうと酒井に話す。しかしスリは一度やったら尋常ではやめられないものと言い、酒井に市松を見張るよう命じる。

 3ヶ月の間何もなかった。鬼平は酒井の見張りを解く。おまゆと市松は平和に暮らしていた。ある日、市松は街で仙之助を刺した浪人を見かける。そして浪人から財布をスってしまう。それを鬼平が見ていて、声をかける。市松は逃げ出す。

 鬼平はおまゆの店へ行く。鬼平はおまゆに浪人のことを話す。おまゆは市松から聞いた話を鬼平に伝え、市松のことを見逃してくれるよう頼む。鬼平はスリについて話し、これは病気、治らない病だと諭す。その時市松が帰って来る。おまゆは市松を家に引き入れると同時に鉈で市松の右手を切り、鬼平に頭をさげる。鬼平は手当てをしてやれ、と話し、家を出る。そこへ酒井たちがやって来て、市松小僧を捕らえるというつなぎでしたが、と話す。鬼平は市松小僧は死んだと言い残し去る。

 おまゆと市松は嶋屋の身代を彦太郎に譲り、小さな店で幸せな一生を送った。

 

 またまた人情噺の色合いの強い話。長与千種と小朝という妙な取り合わせだったが、話の筋には合っていたか。小朝は三匹が斬るシリーズで時代劇に出ていた頃だと思うが、ちょっと慣れていない感じがしたのは気のせいか。長与千種に演技を求めはしないが(笑 それでもまぁ良い味を出していた。特にラストのシーン、意を決した眼の表情はさすがに格闘家と言ったところか。

 話の決着の仕方をどうするのかと思って見ていたが、「女掏摸お富」と同じだったのでは?あちらは鬼平が刀を抜いたが、今回はおまゆ、という違いはあったが。