鬼平犯科帳 第5シリーズ #06 白根の万左衛門

 第5シリーズ #06 白根の万左衛門

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 ある日彦十は屋台でにぎあう門前で置き引きのスリが二人組の男女から仕事をしようとしているのを見かける。そいつが財布から金を抜き取ったところに声をかけるが逆に殴られてしまう。大声を出しなんとか助かるが腰を痛めてしまう。

 鬼平は夜中役宅で村松の作った桜飯を食べていたところを久栄に見つかる。言い訳として腰を痛めた彦十への見舞いとして、と話す。翌日鬼平は五鉄に彦十を見舞う。彦十は置き引きの件を話し、その時の財布を鬼平に渡す。鬼平は財布の中身を確かめる。そこには万左衛門と書かれた札が入っていた。

 鬼平は同心たちに白根の万左衛門の札を見せ、置き引きをしたスリの探索を命じる。白根の万左衛門は上方で20年以上仕事をしたが足跡を残さなかったことも話す。伊三次がお沢という引き込みの女が玉栄堂に入っていくのを見かける。伊三次の調べでもう2年店にいることも含め、鬼平に報告する。

 夜遊んでいたスリが女に呼び出される。女はスリの被害にあった女で、財布を返して欲しいと頼む。スリは正直に話すと男が出て来てスリを刺し殺す。翌日彦十はスリの顔を確認する。鬼平は万左衛門の仕業だと確認する。

 麹町に筆屋梅之助という店があり、そこに白根の万左衛門はいた。72歳の万左衛門は病気の身で床に臥せていた。この店には置き引きにあった二人組の鶴吉、おせきもいた。そこへ親分の身を心配して名古屋から長兵衛がやってくる。万左衛門は、長兵衛、鶴吉、おせきを呼び、江戸のお勤めを辞めると話す。鶴吉とおせきは仲間の宿へ行き、大阪へ帰れと言われたことを話す。鶴吉は仕事が取りやめになることに気づかなかった万左衛門の義理の娘であるおせきのことを責める。鶴吉とおせきは、親分が隠し持つお金も狙っていたが、その場所を聞き出せていなかった。おせきも負けずに鶴吉のことを悪く言い二人は喧嘩となる。名古屋から来た長兵衛は馬喰町の宿に帰っていた。長兵衛もまた親分の隠し金のありかを知りたがっており、無理矢理にでも吐かせるつもりだった。

 万左衛門は夜、また3人を呼び出す。そして隠し金2000両が京都の家にある、3人で子分たちにも分けるように話す。3人は万左衛門の家を出て、夜道で話す。まず江戸の仕事、玉栄堂を襲う計画を実行することにする。しかし長兵衛とおせきは京都の隠し金が気にあって仕方がない。二人は斬り合おうとするが、鶴吉が止める。

 万左衛門は引き込み役お沢に逃げるよう指示する。そして3人のことを心配しつつ友太郎に会いたがる。玉栄堂を見張っていた彦十と伊三次はお沢につなぎがついたこと、つなぎ役が麹町筆屋に入ったことを鬼平に報告する。鬼平は同心たちに手配をかける。

 筆屋を見張っていたところ医師が出て来たのを沢田たちが見かけ声をかける。上方から来ていた老人が亡くなったと聞く。忠吾が店の裏に廻ると夫婦が何かを燃やしていた。忠吾が声をかけると万左衛門の札を燃やしていた。同心たちは万左衛門の遺体を確認する。

 おせきは配下の男に京都へ行き、万左衛門の家の金を掘り出すよう命じる。家に戻ったおせきを鶴吉たちが訪ねてくる。彼らはおせきが京都へ送った男を捕まえていた。そしておせきを殺そうとする。そこへ盗賊改方が討ち入る。

 一月後、鬼平が3人にそれぞれの土地へ送られ裁きがある、と申し渡しを行う。そして京都の万左衛門の家の床下から甕が掘り出されたことを告げる。3人は2000両が入っていたはずと言うが、鬼平は入っていたのは一枚の紙だけだったと話す。そこには盗人の3カ条が書かれていた。

 久栄が2000両は嘘だったのかと聞くと鬼平は500両ほどがあったが、実子の友太郎が店を出す時に使ったと話す。

 

 第5シリーズで初めてまともに盗賊たちを捕まえる話だったように思う。スリがすった財布から盗人の札が出てくる、というのはちょっとシャレているか。その後も2000両の隠し金を巡って子分3人が駆け引きをするのも、いかにもっぽくて良い。最後盗賊たちを捕らえるシーンも久しぶりのためか、ちょっと長く見せ場を作っていたように感じた。

 親分を演じた岡田英次さん、とても良い声でどこかで聞いた覚えがあるが、wikiで調べてもよくわからなかった。しかもこれが遺作だそうで。他の役でも見てみたかった。