チャップリンの独裁者

●235 チャップリンの独裁者 1940

 この映画はストーリーが成立していない?ので、簡単に。

 理容師は第一次世界大戦の前線で戦っていたが、シュルツと共に飛行機で前線から離脱する。しかし飛行機は墜落、理容師はこの事故が元で記憶喪失になる。20年ほどが経過しても、数週間しか経っていないと勘違いしており、病院を抜け出し自分の店へ戻る。しかしこの間に彼の国トメニアでは政変があり、ヒンケルが独裁者として君臨していた。

 店はゲットーにあり迫害を受けていたが、偶然通りかかったシュルツにより迫害を受けずに済むようになる。しかし状況が変わりシュルツも失脚、ゲットーは軍の突撃隊に迫害を受けることになる。ゲットーの住民はオーストリッチへ逃げようとするが、理容師は逃げ込んで来たシュルツとともに捕まってしまう。しかし理容師はシュルツとともに収容所から逃亡、偶然にも独裁者ヒンケルと風貌がそっくりだったため、群衆の前で演説を行うことになる。

 

 先日NHKBSで「チャップリンFBI」を観たばかりで、この映画を観ることに。歴史的背景を知って観ると、よくぞこの時期にこの内容の映画を作ったなぁとチャップリンの信念に恐れ入る。まさに命がけで作った映画と言える。ヒンケルヒトラー)を散々と茶化しバカにしたシーンの数々。無能な者が権力の座に付くといかに怖いかをわかりやすく描いている。そして有名な風船の地球儀と戯れるシーン。コメディシーンが他の作品に比べれば抑え気味なのは仕方なしか。

 最後は有名な演説シーン。4分間ほぼ喋りっぱなしの迫力の演説。その後2分間のハンナや世界への語りかけの言葉。

 第二次世界大戦はドイツが負けこの映画も大ヒットとなったらしいが、この後チャップリンはさらにFBI、赤狩りと戦うことになっていく。信念の人チャップリン。来週はいよいよライムライト。

 

 

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