探偵少女アリサの事件簿 東川篤哉

●探偵少女アリサの事件簿 東川篤哉

 東川篤哉の新シリーズを読み始め。引かれた理由はJR南武線が舞台だから(笑 まさかこんなローカル線をメインの舞台にするとは。

 「謎解きはディナーのあとで」シリーズが大ヒットした東川氏の作品ということで楽しみに読んだが、キャラクター作りでちょっと狙いすぎの感じがする。10歳の少女アリサが何でも屋橘と組んで探偵として活躍する、という話で、舞台は南武線武蔵新城界隈。ただ舞台としている武蔵新城武蔵溝ノ口の描写はあまりなくて残念。

 トリックや謎解きは「謎解きは〜」に比べると劣化版といった感じは否めない。会話は相変わらず楽しいものになっているが。一番ウケたのは、アリサの両親も名探偵で、毎回両親とも事件の依頼を受け飛び回っている、という設定なのだが、その事件というのが…

 第1話、父、八つ墓村、母、ナイル殺人事件、第2話はヒントが漠然とし過ぎていてわからなかったが、第3話、父、獄門島、母、爬虫類館の殺人、第4話、父、黒死館殺人事件、母、泥棒成金、と有名な名作を思わせるものばかりで、このギャクだけでも読んだ価値があったかも(笑

 キャラ狙い過ぎと書いたが、既にドラマ化もされているようだし、気楽に読めるシリーズなので、良しとしましょう。