探偵少女アリサの事件簿 今回は泣かずにやってます 東川篤哉

●探偵少女アリサの事件簿 今回は泣かずにやってます 東川篤哉

 前作の続編、短編4つ。前作よりは少し読み応えがあったか。

 しかしこの作者は伏線の張り方がここまで下手だっけ?と思わせる内容も。最初の2編は、読んでいて「あれっ?」と思うシーンが出て来て、それがそのまま伏線だった。特に2編目にはとうとう溝の口に怪盗が現れる(笑 話なのだが、事件解決後に意外なエピソードが待ち構えていて、ここが売りのつもりだったのだろうけど、先に書いた伏線があまりに露骨だったために、意外性がなくなってしまって残念。

 3編目は事件に謎があまりなく、偶然撮影されていたビデオ映像で事件の詳細がわかってしまうというもの。最後の4編目がかろうじてちょっと面白いトリックっぽいものがメインとなっていて読んでいて面白かった。

 2作目となり、内容も安定してきているので、ぜひ溝の口をもっと前面に出して面白くなることを期待したい。