鬼平犯科帳 第6シリーズ #07 のっそり医者

第6シリーズ #07 のっそり医者

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 武士が寺の門前で医者を見かけ、後をつける。その医者を街中で見かけた忠吾が声をかける。医者は荻原宗順といい、忠吾が昔住んでいた組屋敷のそばに住んでおり世話になった先生だった。宗順をつけていた武士は名前を確かめ頷く。忠吾は宗順の家に誘われる。宗順は一人暮らしをしており、それを知った忠吾は役宅で今預かっている娘およしを宗順の家に奉公させることを提案する。

 役宅に戻った忠吾は鬼平に話をする。鬼平と久栄はおよしにどうするか尋ね、およしは宗順の家に行くことを了承する。その夜、久栄はおよしのことを心配する。鬼平も同調し、翌日宗順の家を訪ねることに。

 宗順は鬼平を迎え、およしが買って来た胡麻煎餅で鬼平をもてなす。宗順は煎餅には酒が合うと酒を勧める。鬼平は家を去るが、それを武士と浪人が盗み見ていた。武士は宗順を見て、早川民之助だと話す。

 鬼平は久栄に話をし、安心させる。しかし、鬼平は忠吾を呼び出し、宗順の過去について尋ねる。忠吾は前から医者だと話すが、鬼平は宗順の手のひらに竹刀タコがあるのに気づいており、過去は武士であり相当な遣い手だと感じていた。

 その夜、辻斬りが発生する。殺されたのは、下総古賀本多家家来、西村弥五兵衛だった。鬼平は辻斬りの場所が宗順の家のそばだったことに気づく。佐嶋が本多家に知り合いがいることから、事情を探るように頼む。

 およしは家に帰ってくるときに浪人が家から出てくるのを目撃する。その夜宗順にその話をするが、宗順は家を間違えたのだろうと話す。翌日もおよしは家を見張っている町人風の男を目撃する。およしは役宅に鬼平を訪ねるがあいにくと鬼平は留守だったため、役宅で待つことに。

 佐嶋は本多家中屋敷を訪れ、辻斬りの件を聞く。殺された西村はひと月前に早川民之助を見かけたと話していた。早川は30年前に土田という男を斬っており、土田は西村の友人だったため、その息子万蔵に仇討ちをさせたいと願っていた、しかし30年前のことなので、事情を知る者はなく、土田の息子は40歳、早川も60歳を越えているとのことだった。

 鬼平が帰宅しおよしから話を聞く。鬼平は辻斬りのあった日の宗順のことを尋ね、あとは任せろと話す。そして忠吾におよしを送らせる。忠吾が役宅を出るとそこに宗順が待っていた。戻って来た忠吾から話を聞いた鬼平は宗順とおよしが家に帰るまでつけるように忠吾に命じる。

 鬼平は佐嶋から話を聞き、宗順が早川であると考える。鬼平は同心原田と忠吾に宗順のことを探らせる。ある夜、夜道で宗順は土田万蔵に襲われるが、川へ飛び込み逃れる。土田の家では、落合の儀十が待っていた。二人は昔盗人仲間だった。万蔵は早川を斬ったことを話す。万蔵はもはや仇討ちには興味はなく、人を斬ることに生きがいを感じていた。土田の跡をつけた原田は土田の話を聞いていた。

 宗順はおよしに江戸を離れるので、役宅に戻るように話をするが、およしは一緒について行くと答える。

 万蔵と儀十が宗順の家へ押し入る。しかし待っていたのは鬼平と盗賊改だった。鬼平は万蔵を切り捨てる。

 宗順の取り調べが行われる。宗順は全てを告白し、本多家へ引き渡してこれるよう鬼平に申し出る。しかし鬼平はそれは盗賊改方と関係のないことだと答え、およしを呼び入れ、家に帰るように話す。

 

 登場人物の過去の悪行が暴かれるパターンの話だが、それが悲劇には結びつかないのは珍しい。分類としては人情話か。昔、人を斬った人間が今は医者として人のために働いており、しかも貧乏人から金は取らないという良い医者になっている。忠吾の計らいで若い娘が紹介されるが、その娘も医者の人柄に惚れこんでしまう。騒動後、鬼平が医者に対して取る態度も泣かせる。

 仇討ち側の浪人、遠藤憲一さんが若い。25年前から怖い見た目は変わってない(笑

 およし役の女優さんも可愛かった。第3シリーズの「おみよは見た」の女優さんも可愛かったが。高橋貴代子さんというらしいが、アイドルだったらしい。可愛いのも納得。ただこの後あまり芸能活動はされていないようだ。

 ところで、鬼平では最後に登場人物(俳優)の名前がテロップで流れるが、この話では役名なしで3名の名前が挙がる。先の2名は、落合の儀十、本多家家臣で佐嶋の知り合い、だとわかったが、最後の名前「飛鳥かおり」さんは誰だったんだろう?ドラマの中で出てくるセリフのある役(同心は除く)は他にはいなかったと思うのだが…ネットで調べてもこの方の情報はないし。謎。