●299 刑事マディガン 1967
金曜日
刑事マディガンは相棒ボナーロと共にベネシュの家に押し入る。女とともにいたベネシュを連行しようとするが、女の裸を見ている隙にマディガンはベネシュに銃を奪われ、逃げられてしまう。
警察委員長のラッセルは朝証拠のテープを聞いていた。そこに連絡が入り、マディガンたちのことが報告される。
マディガンたちは署へ帰る。そこでベネシュに殺人容疑がかけられていたことを知る。2人は参考人としか聞いていなかった。上司にベネシュのことを聞かれた2人は、ノミ屋のミッジからベネシュの情報を得ると答える。
ラッセルは署に着く。グリフィン副監査官から報告を受ける。それは犯罪者マラーの電話を盗聴した結果、マラーと本部長が繋がっているというもので、証拠のテープもあった。
マディガンたちは自宅の奥さんに仕事で遅くなると連絡する。マディガンは妻ジュリアから明日の本部のパーティを楽しみにしていたのにと攻撃される。
ラッセルは本部長たちとマディガンたちのことで話し合っていた。本部長は2人をかばうが、反対する声もあった。ラッセルは2人に72時間を与え、時間内にベネシュを捕まえるようにと命じる。
マディガンたちはミッジの会社に電話するが、秘書が何も喋らなかった。2人は72時間以内にベネシュを捕まえろというラッセルの命令について話す。ラッシュは若い頃から融通の利かない男として有名だった。
ラッセルは本部長と出かける。その車内で本部長は自分の父親が、ラッセルを高く買っていたこととテイラー博士の息子の婦女暴行事件について話す。
マディガンたちはミッジに会社へ行き、秘書を脅し、社長室の鍵を出させ捜索するがミッジは姿を消していた。2人は一旦家に帰り仮眠を取ろうと話す。
ラッセルは婦人部との昼食会に参加していた。そこで不倫相手のベントリー夫人と一緒になる。彼女から不倫は寂しいと言われる。
家に帰ったマディガンは妻ジュリアから色々と話をされるが、昇進しないことを詰られ怒ってしまう。仲直りをしようとするが、そこにボナーロから電話が入る。バスターの兄が鉄道会社に勤めていることを思い出したのだった。2人はバスターの兄の元へ。バスターはミッジの用心棒だった。兄の話では、バスターは毎週コニーアイランドにいる母親に会いに行くとのことだった。
ラッセルはテイラー博士の訪問を受けていた。彼は息子の無実を信じていた。ラッセルは彼に取り調べをした2人の刑事のことを調べると話す。
マディガンたちはバスターの情報を元にミッジに会うことに成功する。ミッジはベネシュから逃げるために身を隠していた。マディガンはベネシュは女を買っているはずだと話し、その筋からどこにいるのか調べてくれと頼む。
夜ボナーロは家に帰ると言うが、マディガンは行きつけのバーに寄る。そこで馴染みの酒場の女性歌手と会い、彼女の家へ行くことに。彼女は家でマディガンを誘うが、彼はジュリアを愛していると話す。
土曜日
マディガンとボナーロは落ち合い、マディガンの昔の知り合いからの情報を確かめに行く。
ラッセルはベントリー夫人とともに朝を迎えていた。そこで友人である本部長の汚職について話す。彼女は話し合うことが大切だとラッセルを諭す。
マディガンたちは、ベネシュがいるという酒場に踏み込むが人違いだった。
ラッセルは署で本部長から報告を受けていた。その場で、汚職について本部長に話す。本部長はあっさりと罪を認める。本部長の息子が作った借金でマラーに弱みを握られたため、マラーの店の手入れをしないことにしたのだった。本部長はバッジを返し部屋を出て行く。
マディガンたちはミッジから呼び出される。ヒューイという男が近くの映画館にいるというネタだった。ヒューイは昔ベネシュの仕事を手伝い、今は女を紹介しているはずだった。2人はヒューイから話を聞く。ヒューイはベネシュの居場所は知らなかったが、彼の女の好みを知っていた。2人はヒューイと夜の街でベネッシュを探すことに。
ラッセルは本部長にバッジを返しに行き、それを決めるのは自分だと話す。
マディガンはパーティのためにホテルの部屋にいるジュリアに会いに行く。そこでもラッセルの名前を出してしまい、ジュリアを怒らせてしまう。彼はジュリアをパーティ会場まで連れて行き、自分の代わりにジュリアの相手をしてくれる人間を探す。そして知り合いのベンにジュリアを託し、パーティ会場を後にする。
その頃街を巡回していたパトカーがベネシュを見かけ声をかけるが、ベネシュは警官を撃ち逃亡する。
マディガンたちはヒューイとベネッシュの女を探していた。彼好みの2人組の女性たちが金曜の夜から姿を消していることが判明する。
警官が撃たれた現場にラッシュやマディガンたちがやってくる。落ちていた銃を確認したマディガンはそれは自分の銃だと話す。
ジュリアはベンとともに彼の部屋に行こうと車に乗ろうとしていたが、直前になりやはり自分にはできないと泣き出し、ベンにホテルまで送ってくれるように頼む。
日曜日
ヒューイはベネッシュに捕まっていた女性を捕まえ、マディガンたちに連絡してくる。ベネッシュはイーストリバーホテルの最上階にいることが判明する。警官隊がホテルを取り囲む。そしてマディガンたちが部屋に踏み込む。ベネッシュを撃ち殺すが、マディガンはベネッシュに撃たれてしまう。
マディガンは救急車で運ばれるが死んでしまう。病院にきたジュリアはラッセルからお悔やみを言われるが、怒りをラッセルにぶつける。
ラッセルは本部長とともに病院を出る。そしてマラーの店に手入れに入ること、テイラー博士の息子の件などを話し、車で出て行く。
映画を観る前にwikiで、後にTVシリーズが作られたと読み、1960年代終わりに作られた古いがよくある刑事ものだろうと思って見始めたが、全く予想は裏切られた。
100分ほどの映画だが、観終わった印象ではもっともっと長い映画を観たという感じがする。おそらくその理由は、マディガンたちの話(ベネッシュを捕まえる話)とラッセル(の周りの仕事やプライベート)の話が同時並行に次々と場面を切り替えて進行していくからだと思う。そこへ途中からはマディガンの妻ジュリアの話やマディガンの馴染みの酒場の女の話まで絡んできて、話は余計にごちゃごちゃとしてくる。
結果的にベネッシュは捕まるが、マディガンは殉職してしまう。この部分だけははっきりと決着するが、一方で、ラッセルの頭を悩ませていた不倫問題や本部長汚職の件、テイラー博士の息子の事件などは、しっかりとした解決を見ないままに映画は終わってしまう。しかしそれが不愉快さは感じさせない。
刑事ものではあるが、まるで鬼平犯科帳のごとく、人間は良いことも悪いこともする、と言うのがテーマのように思える。
ちょっと不思議な映画だった。
蛇足。リチャード・ウィドマークの映画はやっと何本か観てきたが、先日観た「オリエント急行殺人事件」の1974年版の被害者役もしてたのね、この人、ビックリ。
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