●306 ホワイト・ラブ 1979
忍はスペイン語学校に通う。授業料支払いの件で窓口にいた時に健のマッチが原因で服を焦がしてしまう。二人は翌日夕方会うことを約束する。忍は母が美容院を経営する実家に帰る。姉が夫婦喧嘩をし家に戻ってきていた。
翌日スタイリストの仕事をしていた忍は健との約束の時間を気にしていたが、父の友人山下からの電話があり、山下と夕食を共にする。山下は忍の父が日本に帰りたい、家族と一緒に暮らしたいと書いた手紙が来たことを知らせる。忍の父は20年前家族を捨て女と共にスペインに行っていた。忍は一人でスペインに行き父と会うつもりだった。健は待ちぼうけを食らう。
2日後、学校で忍を見かけた健は声をかける。二人は健が行きつけのバーに行く。そこで忍は健が学校の臨時講師であること、スペインで暮らしていたことがあることを知る。忍は酒に酔い、健はタクシーで家まで送る。別れ際健は忍にキスをする。それを忍の母が見ていた。
健はミッキーという外国人女性のポン引きをしている男の手伝いをしていた。彼の車を預かり車を走らせている時に、街中で忍を見かけそばに車を止める。車に驚いた忍は持っていた壺を落として割ってしまう。壺はCMの撮影で使う予定のもので、忍は代わりの壺を持って撮影現場に行く。しかしディレクターはツボが異なることに怒ってしまい、撮影は中止になる。
その夜忍と健はバーでやけ酒を飲む。忍はスペインに行くことを健に告げる。二人は健のアパートに帰り、一夜を共にする。健は車をミッキーに返しに行き、壺の弁償金をミッキーに借りる。
忍は撮影現場にいた。そこへ山下が訪れる。忍は山下に金を借り、壺の弁償金を払いに行くが、健が既に支払っていた。忍は学校で健にお礼を言うが、そこにはミッキーがおり話ができなかった。健は夜バーで待つように言い、忍は了解する。忍はバーのマスターから健のことを聞く。忍は健がなかなかやってこないので帰ろうとするが、そこへ健が女を連れてミッキーとやってくる。忍は一人帰る。
健からの電話に忍は出なかった。困った健は忍の家に行く。忍の母が健を見かけ家に招き入れる。そこへ忍が帰って来て二人は話をする。そこで忍はスペインには父がいることを告白する。二人はラーメンを食べながら、明日から旅に行くことを決める。
翌日船の乗り場で忍は健を待っていたが、健は来ず代わりにミッキーが現れる。ミッキーは健は香港に出張しに行ったと話し、忍を車で送ることに。その途中ミッキーは忍に襲いかかるが、忍はスプレーで健を撃退し逃げる。
忍の仕事場に健がやってくる。忍は健にミッキーに襲われそうになったことを話すと健は飛び出して行く。健はミッキーと殴り合う。忍は健のアパートで待っていたが、そこへ怪我をした健が帰ってくる。治療をしようとした忍は机の引き出しの中から健が女性と映った写真を見つける。健は女性は多恵子、しかし終わった話だと答える。
山下から忍に父が危篤だと知らせが入る。忍は山下とスペインに行くことに。しかし山下はスペインに着くなり病気になってしまう。忍は一人マドリードの街を出歩く。そこで多恵子を見かけ声をかける。彼女の息子は健という名前だった。
健もスペインにやってくる。そして忍の父のいる家を訪ねるが忍がまだ来ていないことを知り帰って行く。遅れて忍と山下は忍の父の家にやってくる。父が不倫した相手は山下の妹だった。そこへ健もやってくる。3人は忍の父の家で一泊する。翌日山下は妹の墓参りに行くと言い、忍は健と車で街へ帰る。車中で忍は多恵子と会ったことを話す。健は多恵子がどこにいたのかを聞く。二人は多恵子に会いに行く。しかしアパートに多恵子はおらず、隣の住人の話でパンプローナの祭りに行っていると知らされる。二人は祭りに行く。その車中で健は多恵子との出会いを話す。健はサラリーマンとしてスペインにいた時に多恵子と出会い恋に落ちていたが、当時の上司に多恵子が犯され妊娠してしまった。スペインで堕胎できないために二人はフランスに向かったが、その途中多恵子は姿を消してしまっていた。
二人は多恵子を見つけ話をする。多恵子は息子が健との子ではなく上司との子だったため健と名付けたことを告白する。それを聞いた忍はそこから飛び出してしまう。多恵子は健に忍を追いかけるように言う。街は牛追い祭りの最中で忍は危険な状態に。多恵子も2階から健たちの様子を見て危ないと叫ぶがその最中に落下して死んでしまう。
健と忍を多恵子の息子を連れ、健の昔の上司に会いに行き、事情を話す。上司は自分の子供とは限らないと言い出す。忍は愛想を尽かし、その子を二人で育てようと提案する。上司が養育費を出そうとするが、二人はそれを受け取らず、多恵子の葬式をし、日本へ帰国する。
百恵友和シリーズの10作目だそうで、原案は一般公募されたらしい。ここまで「伊豆の踊り子」「潮騒」「絶唱」「風立ちぬ」と見て来た。どれも原作が日本の文芸作品であったのでストーリーはしっかりしていたのに対し、この作品はちょっと残念な感じ。
百恵ちゃんの「赤いシリーズ」が一つも見たことがないが、ひょっとすると回シリーズはこんなストーリー展開が多かったのだろうか。なんか安っぽい展開でがっかり。父の行き着いた場所、住む場所がスペインである必然性は全くないし、不倫相手が父の友人山下の妹だという話もとってつけたように思える。
「絶唱」「風立ちぬ」で薄幸の少女が似合うとされた百恵ちゃんが、現代劇で、しかもそんなに薄幸でもない役をやったのが間違いなのか(笑
でもまぁ、10作記念作品さすがに脇役陣は豪華だった。田中邦衛、小林桂樹、岸田森、岩城滉一、北村和夫、范文雀。この人たちが見れたから良いとするか(笑
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