西部魂

●317 西部魂 1941

 西部の荒野をショウが一人行くが、愛馬が負傷したため、通りすがりの男クレイトンの馬を盗む。しかしクレイトンが重傷を負っていることに気づいたショウは彼を助け、駅馬車発着所まで連れて行き、そこで馬をもらう。クレイトンは電信会社の技師。彼は発着所でショウが銀行強盗の一味であり追われていることを知る。

 クレイトンはオマハの街へ戻り、電信会社ウエスタンユニオンで妹スウと共に働いていた。そこで家畜調達係として雇われたショウと再会する。ショウは正体がバレたことを気にして立ち去ろうとするが、クレイトンは初対面だと話し、ショウと一緒に働くことにする。

 会社にブレイクがやってきて技師として雇われる。彼は貨物輸送で財を築いたブレイク氏の息子で、ブレイク氏は会社に5万ドルの寄付をしてくれていた。

 ブレイクとショウはクレイトンの妹スウを巡って恋のライバルとなる。

 クレイトンたちはオマハから電信柱の建設の工事の旅に出る。ある日、工事部隊の食料用の牛が先住民たちに奪われる。ショウは先住民との話し合いをすると言って、一人彼らに会いに行く。そこにいたのは、先住民に扮したショウの昔の仲間ジャックたちだった。彼らは南部同盟のゲリラ活動として北軍が建設する電信柱工事を妨害しようとしていた。ジャックはショウに仲間になるように誘うが彼は断る。

 工事現場にスウが兄に会いにやってくる。しかしクレイトンはスウにオマハに帰るように言う。ショウはスウからブローチをもらう。

 建設現場を先行し測量をしていたブレイクが先住民たちが襲ってくるのを発見、宿営地に電信で知らせる。ショウは仲間に銃を下ろすように言い、先住民たちと対話をしようとする。先住民は酔っ払っており、酒を要求する。酒はないと断るが、彼らは測量用の望遠鏡を奪おうとする。ショウは返すように求めるが、ブレイクが先住民を銃で撃ってしまう。その時、宿営地から応援部隊がやってきて、先住民たちは逃げ出す。先住民たちは宿営地も襲い、馬を盗む。

 クレイトンは馬を奪われたため、街へ馬を買い出しに行く。馬売りはショウのことを知っていた。そこにいたのは盗まれた馬たちだったが、クレイトンは仕方なく馬を購入する。クレイトンはショウに馬売りの男を知っているのかと尋ねる。

 街にいたクレイトンの元へ軍がやってくる。先住民が電信柱の工事に反対しているため工事は中止しろとの命令だったが、クレイトンは先住民たちとの対話を望む。クレイトンは先住民と会い、電線は悪魔祓いだと説明、先住民たちを納得させ工事を継続する。

 工事が無事に進み、終わりが見えてきたため、宿営地ではお祝いをする。その夜、ジャックの仲間がショウの元へ訪れ、ジャックが撃たれたのできて欲しいと話す。ショウは彼について行くが、途中で襲われる。ジャックは怪我などしておらず、宿営地を焼き払うつもりだ、昔の仲間なのでお前だけ連れ出した、と話し、仲間にならないかと誘う。しかしショウが断るとショウは縛り上げられてしまい、ジャックたちは宿営地に火を放ちに行く。ショウは何とか縄をほどき宿営地に駆けつけるが、すでに火の海となっていた。

 翌日クレイトンは現場で見つけた油のビンをショウに見せ、知っていることを話すように言うが、ショウは何も答えなかった。クレイトンはショウをクビにする。宿営地をさるショウの元にブレイクが来る。ショウはブレイクに、ジャックは兄であること、もうジャックたちに会社には手を出させない、とクレイトンに伝えてくれと言い残し去って行く。

 ショウは街にいるジャックたちと撃ち合いになる。ジャックの仲間たちを倒すが、ジャックに撃たれてしまう。そこへブレイクがやってきてジャックを倒す。彼はショウが持っていたブローチを見つける。

 

 久しぶりに古い年代の西部劇を観た。西部に電信による通信網を作ろうとする話がベースで、あとは一人の女性をめぐる二人の男の恋の話と曰く付きの過去を持つ男ランドルフ・スコットの話がメインの物語。

 恋の方はどちらかと言うとこの時代特有のコメディとなっていて、観客が惹かれるのはランドルフの話だろう。南北戦争の南部側の兵士だった経歴を持ち、銀行強盗も犯した彼だが、北部の電信の仕事に協力する。しかし昔の仲間に見つかり…という一昔前のドラマによくあるパターン。エンドロールではクレイトン役のディーンジャガーに続き2番目に名前が出て来るランドルフだが、ストーリー的には主役と言える。最後は死んでしまうけど(笑 

 西部劇ではあるが、銃撃シーンはラストだけ。どちらかと言えば、この時代に苦労しながらも電信通信網を広げた、そんな時代もあったのね、と感じられる話。

 

 

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  • 発売日: 2006/12/25
  • メディア: DVD